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インタビュー

会社員から30代でイラストレーターに転向「できないからこそ行動」美大卒じゃなくてもイラストレーターになれる イラストレーター・えんぴつ座さんインタビュー第3話

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「イラストレーターになる」という夢をかなえることを決意したえんぴつ座さん。プロになるために行なったこと、プロだからこそ行なっていることについて伺いました。

プロフィール

イラストレーターえんぴつ座

福島県出身。宇部市在中。新卒から約10年間分析業務に従事してきたが、2018年12月、子どもの頃からの夢であるイラストレーターとして活動を開始。現在は「書籍・広告」の分野で活動中。いきいきとした人物描写に定評がある。二児の母。

長女と同じ年頃の女の子が、とある虐待事件で亡くなったのがショックだった。「あの子の両親は、自分に自信が持てなかったのではないか」と思うたび、自信のない自分と重なった。自分に自信を持ちたいと思った。幼いころから大好きで、趣味で続けていたイラストで自信が持てたら。気づいたら地元のイベントでイラストレーター「えんぴつ座」として似顔絵を描き始め、フリーランスのイラストレーターに。クライアントワークにNFTアートに、「できないからこそ行動する」、と彼女に言わしめるものは。

全3話、第1話はこちらからどうぞ。第2話はこちらからどうぞ。

恥ずかしくても、「この仕事がしたい」と宣言する

イラスト/本人提供
ライター顔写真

「できないからこそ行動する」をモットーにされていると思うのですが、具体的にはどんなことをされているのでしょう?

インタビュアー顔写真

ちょっとしたことですけど、「書籍と広告の仕事やりたい!」ってつぶやいたり、「こんなのやりたいです」ってモックアップを作ってアップしたり。来るかもわからないのに宣言するとか、「来なかったら恥ずかしい」とかあるじゃないですか。でも、そういうのも言っていくスタンスで(笑)。

本当に結構恥ずかしいんですよ。正直「あんなに言って、ひとつもこなかったらどうしよう」って思うこともしょっちゅうあります。でも、「わたしはここまでやんないと仕事来ないからやるしかないだろ」、って開き直ってやっています。

自分に実力がないと思うから、とにかく行動する

写真/shutterstock
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行動することについて、身近な人からの反応はいかがですか?

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そうですね…「すごいね!」「そこまでなかなかできないよ」って言われます。でも、わたしからすると、やらない人はそこで満足しているのかな?って思ってしまいます。わたしは全然へたくそだし、まだまだ未熟だからたくさん行動しないと理想の状態に行くことができないからやるしかない、と思ってがんばって行動するのを心掛けているんです。

ライター顔写真

わたしも「すごい!」と思ってしまいます。

インタビュアー顔写真

その行動をすごいと思っていただけることはありますが、わたしはすごいことだとは全然思ってなくて。ただただ自分がそのレベルにいるわけじゃないからやるしかないって思ってやっているだけで、でもそれってすごいことなのかな?って思います。

そりゃ何も言わないで絵だけ発信して仕事がくるような神絵師ならいいですけど、「わたしは凡人だからここまでやるんだ!」って思いでやっています。かっこ悪いなって思うし、必死だなって思います。どうなんですかね、負けず嫌いなのかもしれないです(笑)。「くそーっ!」って思いながらやっています。

ライター顔写真

疲弊することはないですか?

インタビュアー顔写真

すごく疲れます(笑)。

ライター顔写真

そんなときにやることはありますか?

インタビュアー顔写真

友人とご飯を食べに行ったり、映画を見たり。携帯電話を遠くにおいて、家族との時間をじっくり過ごしたり。会話したり、ひとりの時間をじっくり取ったり、を繰り返しながらバランスをとったりしています。

ライター顔写真

いったん絵から離れて時間を作ることで気持ちのバランスをとるってことでしょうか。

インタビュアー顔写真

そうですね。しんどくなるときって、人と比べてしんどくなることが多いんですよね。だから、比較しなくていい環境を作ることで「比べても仕方ないな」って思えるようにしています。

1度自分の限界を知ることも大事(かもしれない)

写真/shutterstock
ライター顔写真

1日のスケジュールはどんな感じですか?

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9時ぐらいに保育園に送り届けて、9時から10時ぐらいの間に仕事を開始しています。だいたい15時ぐらいに小学生の娘が帰ってきてしまうので、9時~10時から15時までの間は仕事にめちゃくちゃ集中します。娘が返ってきた後も多少は仕事をするのですが、17時ぐらいに息子をまた保育園に迎えに行ってしまうと、もうほぼ仕事はできないですね。

ライター顔写真

子育てとの両立が難しいと感じることはありますか?

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とにかく子どもが帰ってくるまでの間にめっちゃ集中するのは、意外といいのかも?と思ったりもしています。メリハリというか、強制的に区切りがつくというのがいいのかもしれません。

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クライアントワークだけでも、パンクするときもあるのでしょうか。

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去年の夏は忙しすぎてしまって、「ここまでやると大変なんだ」っていう限界がわかりました。いただいたお仕事、全部やりたかったので全部引き受けてしまったら、6件同時進行になってしまったんです。ちょっとずつちょっとずつスケジュールを調節していただいて、締め切りをずらしずらしで何とかミスせずできて本当に良かったのですが、今後はやっぱり4件ぐらいまでにしておこうと思いました(笑)。

写真/shutterstock
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仕事でパンクしている時に、家事・育児もしないと、となるとかなり大変だったのではないですか?

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6件同時進行が前もって分かったときに、家族みんなにお願いしたんです。おじいちゃんおばあちゃんには「この期間はすごく頼ることになると思うのでよろしくお願いします」、夫にも「ここちょっとわたしのがんばりどきだから」と伝えたことで、「ここががんばりどき」がみんなの共通認識になりまして、この期間は家族みんなで協力する!みたいな感じでやってもらいました。根回し、大事ですね(笑)。

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普段から家事をご主人と分担されているからこそですね。

インタビュアー顔写真

そうですね、家事はお互いにやれる人がやるようにしています。子どもが「今はお母さんと遊びたい」なら夫が料理して、「今はお父さんと遊びたい」ときはわたしが料理して。わたしがイラストを始める前からずっとそんな感じでしたね。

特に話し合ったわけでもなく、ルールもない中で自然とそういう形でやってこられたのは、運が良かったのかもしれません。

支えでもあり目標でもあるメンターの存在

写真/shutterstock
ライター顔写真

メンター的な存在の方についてお伺いしたいのですが。

インタビュアー顔写真

はい、県内のイラストレーターさんを検索したときにその方をSNSで見つけて「うわ、こんなすごい人が県内にいるんだ!」と衝撃を受けました。それ以来、その方がずっとわたしのメンター的存在であり、憧れであり、目標にしています。

今は仕事仲間として日々オンラインで交流させていただきつつ、何をすればその領域にたどり着けるのかをいつも考えています。身近に目標があるのはとても大きいですね。

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目標の存在に近づくためにしていることはありますか?

インタビュアー顔写真

目標に少しでも近づくために、今はとにかく経験値を上げて行くしかないと思っています。特別なことをするというよりは、仕事をもっとたくさんいただけるようにホームページをより見やすくなるように工夫したり、クオリティを上げるためにどんどん絵を描いて発信したり、本当に今やっていることをずっと繰り返していくしかないと思っています。

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そうやって努力し続けられるところが、先に先に進む力になるんでしょうね。根本にある原動力は何ですか?

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うーん、わからないです(笑)。いや本当に単純に、ただ漠然とやっていても評価されないから、やるしかないと思っているだけなんですよ。

すごく絵の上手い方のイラストは、売り方になんの工夫がなくてもどんどん売れていくんです。そういうのを見るとうらやましく思うけれど、でもわたしはその人ではないから、別の方法を考えるしかないですよね。

原動力は何でしょう…。とにかくわたしはできないなって思うのが原動力です。できないから、いろいろ試行錯誤する。そうすると、ちょっとずつ結果がついてくる。その成功体験が、次もやろうって思う原動力かもしれないですね。

地道に絵を描き、フィードバックを貰うことを繰り返す

写真/本人提供
ライター顔写真

今後チャレンジしていきたいことはありますか?

インタビュアー顔写真

より自分が得意で、力を発揮できる場所をもっと見つけていきたいと思っています。クライアントワークとNFTアートを並行して行うことで自分自身の価値とブランディングをもっと高めていって、質の良いクライアントともっと質の良い関係性を作っていきたいですね。

今年参加するクリエイターEXPOも新たなチャレンジです。相手も本気で探しているだろうし、わたしも本気で参戦するので、いい出会いがあるんじゃないかと思っています。あとは地道に絵を描いてアップして、ちょっとずつ整えて、フィードバックをもらったらまたそこを取り入れながら、自分が楽しいと思えて続けられそうなものをどんどん続けて、やっていくしかないなと思っています。

※クリエイターEXPO……クリエイターが出展する商談のための展示会。2022年は6/29-7/1に東京ビックサイトにて開催。

ライター顔写真

努力をそこまで継続できるって、本当にすごいですね。

インタビュアー顔写真

努力と思っていなかったんですよね(笑)。

ライター顔写真

はたから見たらすごい努力してるように見えるんですけど、やってる人はそう思ってないんですよね。それが続けられるかどうかの境目なのかもしれませんね。

インタビュアー顔写真

本当に不思議なんですよね。すごいって思われることが全くわからないんです。
「いつかあんな風になりたい」っていう思いが、なにより強いのかもしれません。

できていないことをひとつずつできるようにして、少しでも目標に近づきたい。
今はただそれだけです。

全3話、第1話はこちらからどうぞ。第3話は5月20日公開。

取材/I am 編集部
文/堀中 里香
写真・イラスト/本人提供・ Shutterstock

この記事を書いた人

堀中 里香
堀中 里香取材・ライティング
知りたがりのやりたがり。エンジニア→UIデザイナー→整理収納×防災備蓄とライターのダブルワーカー、ダンサー&カーラー。強み:なんでも楽しめるところ、我が道を行くところ。弱み:こう見えて人見知り、そしてちょっと理屈っぽい。座右の銘は『ひとつずつ』。

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