時間術せいろ男子が急増中? リモートワーク、健康志向のIT・理系男性がせいろ料理にハマるわけ

5月11日に開催された「文学フリマ東京40」。同人誌や個人出版、ZINEが一堂に集まる文学の祭典として今、大きな注目を集めている。そこで目撃したのが、せいろ料理に関心をしめすIT系男子「せいろ男子」だった。
最近人気のせいろ料理。以前より料理好きには定評は高かったが、無印良品がせいろを販売をスタートさせ、一気に市民権を得た。
せいろ料理といえば、肉まん、焼売などの点心を思い浮かべるかもしれないが、最近は和洋中、さまざまなせいろレシピ本も出版されている。
食材を並べて蒸すだけという手軽さと、油を使わずに調理できるというヘルシー感が受け、忙しいワーママをはじめ、一人暮らしのOL、健康志向の50代以降まで、つまり、全方位から支持を得ている。
そんな中、若い男性に「せいろが刺さる」という現象が起こっている。
今注目を集めている文学フリマという同人誌、自費出版などの展示即売会。去る5月11日(日)に「文学フリマ東京40」が東京ビッグサイトで開催され、来場者16,000人強という賑わい。

大手料理教室で30年間、料理講師をしてきた本澤知美さんも自前のレシピ本『疲れているけど、ちゃんと作りたい せいろ1つで晩ごはん』を出品。
「健康が気になる50代以降に向けて、疲れていても簡単に作れる晩ごはんレシピを伝えたかった」という本澤さん。しかし意外にも、ブースに足を運んで本を買っていく半数は30代の若い男性だったという。
ブースに展示したせいろの実物を見て、足を止めた人には「スーパーの試食販売なみに声がけした」と本澤さん。
「若い男性がレシピ本に興味があるとは思っていませんでした。せいろレシピがなぜ便利で美味しいのかという話を、ちゃんとお伝えしたら、納得して本を買ってくれました」。足を止めた男性の多くはIT系が多かったという。
せいろといえば天心や野菜蒸しくらいしか思い浮かばない人も多いかもしれない。食材を「蒸す」以外にも「調理」できるのがイマドキのせいろ。本澤さんのレシピではハンバーグや参鶏湯まで作れてしまう。

せいろの最大のメリットは「火加減が不要」「失敗がない」「調理時間が決まっている」と本澤さん。「調理のコツ」がないのがせいろの特徴とも言える。
本澤さんのせいろ料理は、食材の切り方や大きさ、食材を並べる順番、下味のタイミング、蒸し時間がはっきりしている。「火が通ったら、ひと煮立ちしてから、といったニュアンスで料理をしなくていいのが、男性に受けるのではないかと思います」という。
物価高で外食価格も爆上がりしている今、賢い節約と健康管理にせいろはおすすめだ。