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リスキリング

通勤時間と会議は無駄? 独学スキルアップの勉強時間の確保の仕方

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「時間がない」はビジネスパーソン共通の悩み。リスキリングに必要な時間確保のためには必要なマインドセットを専門家に聞きました。

経営陣はリスキリングに関心がなく、社内の周囲の人たちも乗り気ではないのは、レアケースではないと思います。「コンフォートゾーンから飛び出そう」「6割理解のままで突き進もう」など、リスキリングのための7つのマインドセットを説く、一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブ代表・後藤宗明さんに、詳しく話を聞きました。

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リスキリングは、その必要性に気がつくか気がつかないかという出発点が一番重要です。

そして、リスキリングの範囲は膨大なので、いちいち「わからないから」といって止まっていたら、一向に前に進みません。学びを続けていくと、同じつまずきに何回も突き当たるはずです。そのたびに、わからないからといって立ち止まってしまうのではなく、そこはスルーしていって、先に進んでいく。そのうち他のいろいろな周辺知識がついてきますが、それで過去にはわからなかったことが後からわかるようになってきます。なので、一部はわからないなりに進めたほうが、結果として成果が出るはずです。

そうした点をふまえれば、独力でのリスキリングは、時間の捻出さえできれば、打開策はたくさんあります。

大きな課題は、まさにその時間の捻出です。就業時間外の自分の時間をやりくりしなければいけないからです。そこは、なかなか実行と継続のハードルは高いのが現実でしょう。

私の著書『自分のスキルをアップデートし続ける リスキリング』にも書きましたが、時間確保の方法の考え方は、一つには最大限減らす試み、もう一つが最大限増やす試みです。

「減らす」というのは、リモートワークに切り替えて通勤時間をなくす。出席しなくても差し支えない会議には出ないといったものです。まず試みて、1か月ほどしてそれが継続可能か、周囲と相談しながら決めていきます。

「増やす」というのは、もちろんリスキリングのための学びの時間を増やすという意味です。例えば私の場合、以前は毎週水曜日をリスキリングの日と決めて、ミーティングを入れないなど工夫しました。まとまった時間を取れない場合でも、1日の中で学習時間割を作成して、こまめに学習時間を確保する姿勢が大切です。

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リスキリングには時間の確保がカギ。働き方改革によって時間を作り、未来への種まきをできる人が生き残れるのかもしれません。次回は「どこで学ぶのか?」についてお伝えします。


後藤宗明

一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブの代表。早稲田大学政治経済学部卒業後、1995年に富士銀行(現みずほ銀行)入行。2002年、グローバル人材育成を行うスタートアップをNYにて起業、卒業生約2,000名を輩出。2008年に帰国し、米国の社会起業家支援NPOアショカの日本法人を2011年に設立後、米国フィンテック企業の日本法人代表、通信ベンチャーの国際部門取締役を経て、アクセンチュアにて人事領域のDXと採用戦略を担当。2021年、一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブを設立。著書に『自分のスキルをアップデートし続ける リスキリング』などがある。

この記事を書いた人

鈴木 拓也
鈴木 拓也
都内出版社などでの勤務を経て、北海道の老舗翻訳会社で15年間役員を務める。次期社長になるのが嫌だったのと、寒い土地が苦手で、スピンオフしてフリーランスライターに転向。最近は写真撮影に目覚め、そちらの道も模索する日々を送る。

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