Interview
インタビュー

まずはライターと名乗ってみる「うつわ好き」をつきつめて見つけたフリーランスという生き方 うつわ好きライター・きょうこさんインタビュー第2話

「うつわ好きライター」として活躍中の奈良在住のきょうこさん。「うつわが好き」を極めて、事務職からライターの道へ。好きなことを仕事にするヒントを伺いました。

プロフィール

うつわ好きライター / 草々店主きょうこ

2019年に東京から奈良に移住。うつわにハマり、noteで陶芸家さんにインタビューをしています。暦生活(@543life)で連載中。あんこ好き。特に豆大福ラブ。うつわ屋オープンへ向けてただいま準備中。畑1年生。今はいもやねぎ、にんにく、いちご、ほうれんそうを育てています。

未経験だけど、「好きなことを仕事にしたい」「ライターになりたい」そう思いながらも一歩踏み出せない方は多いのではないでしょか。奈良にお住いの「うつわ好きライター」として活躍されているきょうこさんは、元々は東京で事務職をされていました。うつわとの出会いをきっかけに、ライターとして文章を書きはじめたきょうこさん。色々話を伺うと、そこには「好きなこと」を見つけ、仕事にしていくためのヒントがありました。

全2話、前編はこちらからどうぞ。

私の居場所をつくってくれたもの

私がうつわ好きになったのは、東京で働いていた頃に出会ったお店、「器MOTO」さんがきっかけでした。

インターネットで見つけたのですが、写真からでも伝わる素敵な雰囲気に惹かれて行くようになりました。

ただ、当時の私は、どんよりと暗い気持ちで日々を過ごしていました。年齢も30代にさしかかり、周りの友人たちを見渡すとみんな「家族」を持っている。かといって、没頭できる趣味や特技など誇れるものがない。これから何を楽しみに、私は生きていくのだろう。急にひとりぼっちになってしまった気持ちになり。今まで出会ったことのないような種類の「孤独」を感じました。外に出ても無駄に傷つくことが増え、だんだんと人と会うのも億劫になり、家で過ごす時間が多くなりました。

そんなときに出会ったのが、近所にあった器MOTOさんでした。初めてお店のドアをあけたときから、あたたかい、時間が止まったような心地よさがありました。それから、ここで1枚のうつわを買ったことをきっかけに、休みのたびに通って少しずつ集めるようになりました。だんだん店主とも仲良くなり、行くたびにお茶を飲みながらうつわのことや、お互いのことなど色んな話をしました。いま思えばそこに、自分が嫌だなと思うことに真正面から向き合わなくてもいいという、どっぷりとした安心感のようなものを感じていたのだと思います。

残念ながら、器MOTOさんは2021年末に閉店してしまったのですが、ここで過ごした時間は奈良にきてからもずっと私の中に流れています。そうして勝手ながら、私は器MOTOさんから「バトン」を受け取った気持ちでいます。私が感じた心地よさを、ここ奈良でもつくりたい。そんな気持ちから自然と、うつわ屋さんをはじめることを決めました。

会社員やフリーランスの枠を超えて、大切にしたいこと。

今は会社員時代の貯金とライターのお仕事で生計をたてながら、お店の準備を進めています。収入の面では会社員時代の方が安定していましたし、それなりに楽しいことも大変なこともたくさんあり、充実していました。

ただ、奈良にきてからだんだんと「自分」のことが分かってくるようになりました。私はいったい何が好きで、何に心地よさを感じる人で、これからいったい何がしたいのだろう。自分のなかに眠っていた本能のようなものがグルグルと動くようになり、働き方も変えて、いまはフリーランスの道を選びました。

よく、「会社員時代の方がよかったんじゃない?」とか「フリーランスってすごいね」「大変そう」とか言われることが多いのですが、どちらも経験してきた私が思うのは、どちらがいいとか悪いとかではなく、「自分がどうありたいか」が大切ではないか、と思うんです。

会社名ではなく、役職でもなく、丸裸にしたときの「自分」はこれでいいのか。

どんな状況であれ、できるかぎり自分に嘘をつかず、納得して向き合えているかどうか。

今までの私の経験から、そうして選んだことって、何があっても責任は「自分」にあるので、結局後悔しなかったなぁと思います。そこでがんばってみて、だめならまた次へ行けばいい。一つひとつのことを、「置きにいく」気持ちで向き合えるかどうか。それが、好きなことを見つけるヒントにも繋がるし、「自分」が熟成されていくのではないか、と思います。

最後に一つ、数年前の自分に伝えたいことがあります。

もし今、小さくても大きくても「やりたいこと」があるなら、お守りのように大事にあたためてほしいなぁということです。今すぐに向き合えない状況でもその心は静かに生きていて、開くときがきっとくる。そう信じていると、目の前の世界が少しずつ変わっていくかもしれないですし、その先にまた別のおたのしみが待っているかもしれません。

私もまだまだ縁をいただいたこの場所で、少しずつ想いや関係性を育てて生きたいなと思います。

うつわと暮らしのお店「草々」
住所:〒630-0101 奈良県生駒市高山町7782-3
営業日:木・金・土 11:00-16:00
インスタURL:https://www.instagram.com/sousou_nara/

全2話、前編はこちらからどうぞ。

この記事を書いた人

MARU
MARU取材・ライティング
猫を愛する物書き。独立して20年。文章で大事にしているのはリズム感。人生の選択の基準は、楽しいか、面白いかどうか。強み:ノンジャンルで媒体を問わずに書けること、編集もできること。弱み:大雑把で細かい作業が苦手。
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