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介護離職が失敗とは限らない! 介護離職をしてメンタルブロックを外す

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介護離職・働き方

介護離職をした場合、これまでのキャリアを手放すため、経済的に疲弊する場合が多いといいます。 しかし、方法によっては会社員時代より高収入を得ることも可能です。介護離職を経験し、本業と副業で仕事と介護を両立させているゆうとさんに介護離職後の働き方について聞きました。

介護離職というとキャリアを捨てて経済的に疲弊するという悲惨なイメージがあります。しかし、離職をすることでこれまでの働き方を変えて新たなキャリア形成の転換となる場合も。I amでは実際に介護離職を経験し、仕事に対する意識が大きく変わったという、ゆうとさんに離職後のキャリア形成について聞きました。

介護離職以前は仕事のことばかり考えていた

以前は多忙な企業で働いていたので感覚がマヒしていた

ホテル勤務のゆうとさんは、朝から晩まで働かなくてはならないという毎日を過ごしていました。妻と義父のW介護をしていたそうですが、頭の中にあるのは介護より仕事のことだったといいます。そんな日々を過ごすうち、胃潰瘍と十二指腸潰瘍等を併発してしまったそうです。

「入院しても一日中会社のことばかり考えていましたね。父親と義父のW介護は始まっていましたが、実際は妻に任せっきりで、ほとんど仕事ばかりしていました」

管理職を辞めることで悩む

W介護をしていたゆうとさんの様子を見て、近所の人や親せきの人は「自分の親だから見るべき」「会社を辞めて介護に集中するほうがいい」「転職をしてもうちょっと時間を作ったほうがいい」とアドバイスをしました。

とはいうものの、せっかく築いたキャリアを捨てるのは簡単なことではありません。転職を重ねた末に就いた「レストランの店長」というポジション。介護のためとはいえ、仕事を捨ててしまうのには大きな葛藤があったといいます。「今思うと、ブラックでした」とゆうとさんは振り返ります。それでも、会社を辞めることは考えませんでした。

介護に向き合い辞める決意をした

介護と仕事の両立が厳しい感じながらも、なかなか会社を辞められなかったゆうとさんに、当時0歳だったお子さんの突然死という悲劇が襲いかかります。子供の死によって、夫婦共に心身がボロボロに。

すべてを妻に任せっきりだったゆうとさんも妻と一緒に介護に向き合おうと決意したそうです。しかし、介護と仕事を両立させるのは簡単ではないことに気づきいたといいます。

自分も介護や育児に向き合おうと決意し、会社を辞めました。介護離職というと悲惨な印象を抱くかもしれませんが、ブラック企業を辞めるきっかけができたんですよ」とゆうとさんは振り返ります。

介護離職後の変化

家族のために時間を使えるようになった

介護離職をしたゆうとさんは残業が少ない製造業に転職しました。新しい会社は定時で帰れる日が多いため、体調面にも良く、家族のために時間を割けるようになったそうです。以前は妻との喧嘩が絶えなかったそうですが、現在は介護や育児をサポートできる環境になったため、妻との仲も円満になりました。

介護の負担が減った

介護のために会社を辞めたゆうとさんですが、大きな変化を迎えます。

「介護をしていく中で父親が亡くなりました。精神疾患のため義父は施設に入り、病院に通院することになったんです。現在は直接介護をする必要がなくなったため、負担は減りましたね」

介護離職をしてメンタルブロックが外れた

「仕事とは勤めること」という呪縛から解放された

会社員を長くやっていると、なかなか離職は難しいもの。しかし、介護離職がきっかけとなり、「後悔するより前に進むことができた」「ブラック企業を辞められたのでよかった」とゆうとさんはいいます。「仕事とは勤めること」というメンタルブロックが外れ、多様な働き方を模索できるようになったそうです。製造業で働きだしたゆうとさんは、新しい職場でも仕事を真面目に続け、工場長に昇進できました。

副業によって以前より収入が増えた

介護離職によって、ゆうとさんの環境は大きく変わりました。

「ブラックな環境と感じていたホテルを辞めることができましたし、早期に退社できる会社に転職をしたため、自分の時間を作れるようになりました」

介護のために労働時間が少ない仕事を選んだものの、それだけでは収入が不十分と感じたゆうとさん。そこで副業を探し、Webライターを始めることにしました。自身の介護経験を活かし、介護に関した記事を書くようになったそうです。

「本業の給与は以前より下がりましたが、副業の分を含めるとトータルの収入は上がりました。副業に着手したことにより、以前よりお金に対して興味がもてるようになりましたね。以前の会社より収入が上がったおかげで、実家を介護しやすい家に建て替えることもできました

今後のキャリアプランを考える

介護離職をしたといっても、介護もいつかは終わります。来るべき今後のためにキャリアプランを考える必要があります。ゆうとさんも今はまだキャリアプランを決め切れていない状態だそうです。

ただし年上の妻のためにも、今後を見据えて在宅で仕事をしていきたいと考えています。目指すところは、定時で働く会社で社会保険を得ながら、Kindle、Webライター、コンテンツ販売など複数の副業で収入を得ること。

介護離職をすると「自分のキャリアはおしまいになるかも……」と考えてしまい、会社を辞めることは難しいと思ってしまうかもしれません。しかし多様な働き方を選ぶことにより、介護と仕事を両立でき、豊かな人生を送ることもできるのです。

【介護をしながらできる仕事➀】在宅の仕事

とくに新型コロナウイルス感染症の流行によって、注目されるようになったのが在宅の仕事。会社に行かずに収入を得られる在宅の仕事は、介護離職者であっても仕事を容易に得ることが可能です。ゆうとさんも、これまで得た介護の知識を活かし、副業としてWebライターを始めることができました。

【介護をしながらできる仕事②】すき間のアルバイト

介護は孤独なため、家で仕事ばかりしていると、どうしてもネガティブになりがちです。

「すき間のアルバイトがおすすめですね。空いた時間に働けるため、介護との両立がしやすくなります。僕もスキマバイトサービス『タイミー』に登録し、外で働きました。外で働いたおかげで、介護にありがちな孤独感から解消され、臨時収入を得ることができました

この記事を書いた人

今崎ひとみ
今崎ひとみIT人文好きライター
うさぎと北欧を愛するライター。元Webデザイナー。インタビュー取材やコラムを執筆。強み:好奇心旺盛なところ。失敗してもへこたれないところ。弱み:事務作業が苦手。確定申告の時期はブルーに。

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