介護と仕事を両立させるには? 介護離職を避けるために必要なこと
介護生活に突入した場合、仕事との両立が難しく、介護離職を考えてしまうかもしれません。 介護と仕事を両立させるには、どのような点に気をつける必要があるのでしょうか? 介護離職を避ける方法を、元ホテルマンで介護離職経験者のゆうとさんに聞きました。
介護離職を選ぶと、これまでのキャリアを捨てなければなりません。介護離職を避けるには、介護と仕事をいかに両立させるかが大事です。Webメディア I amでは実際に介護離職を経験し、本業と副業をしながら介護に携わっているゆうとさんに介護離職を避ける方法について聞きました。
目次
仕事との両立には介護レベルを上げることが必要
通常は「介護と仕事を両立させたい」と思っていても、それを実践するのは簡単なことではありません。
「介護をRPGに例えた場合、介護と仕事を両立できるのはレベル99の人です。実際に介護を始めたばかりの人はレベル1からのスタートなんですよ。最初から介護に精通している人はひとりもいません。両立するのはかなり難しいんですね。仕事と介護の板挟みとなってしまうので、離職してしまうんでしょう」
ゆうとさんは、介護離職する前のホテルマン時代、自分と妻の父親二人の面倒を見るW介護を経験しました。
「両立するのはかなり難しいわけですが、僕の場合、妻が介護士をやっていたため、仕事をこなしながら介護もこなすことができました。実質的には妻が子ども二人の面倒とW介護を担当していたため、乗り越えることができたんですね」
介護と仕事を両立させるには?
とはいうものの、誰もがゆうとさんが言うような「好条件」で介護ができるわけではありません。「介護と仕事を両立させるには介護について様々な情報を知っておく必要があるんですね」と、ゆうとさんは振り返ります。
【介護と仕事を両立させる①】税金と介護サービスについて知る
介護を始めたら、まずは介護保険と自治体がどんな介護サービスにしているかを調べておきましょう。とくにお金に関する知識が重要だとゆうとさんはいいます。
「離職して一番困ったことは、お金の問題でした。親の介護をするまで、介護保険の勉強をしたことはありませんでした。後で真剣に介護に取り組むようになってから、もっと早く勉強すべきだったと後悔しましたね。お金があれば施設に入れることができたり、いろいろなサービスを受けられたりできたんですね」
【介護と仕事を両立させる②】「介護は妻がすべき」という考えを捨てる
ゆうとさんには、「自分の親だから自分が見なきゃいけない」という親戚からのプレッシャーがありました。しかし、ホテルのレストランで店長に昇進したゆうとさんに親の介護をすべて引き受けるという選択肢はなかったそうです。
「当時は『介護は妻がするもの』という風潮が強かったんです。ですから僕も両方の親の介護はすべて妻に任せていたんですね。その結果、ストレスを溜めた妻との間で喧嘩が絶えなくなりました。今から考えると、妻にすべてを任せるのではなく、介護ファミリーサポートセンターを利用すれば良かったと思います。その方が仕事と介護の両立を図りやすいんですね」
【介護と仕事を両立させる③】介護について最新情報を得る
介護を円滑に進めるためには介護について最新情報を得ることが重要です。ゆうとさんは妻が介護士だったので、介護について情報を得ることができました。しかし、誰もがそのような環境にいるわけではありません。
YouTubeを利用し、おむつ交換の仕方を含む介護技術の知識を学ぶのもひとつの方法です。また、介護はどうしても孤独になりがちです。会社の同僚が介護の状況を理解してくれるとは限りません。煮詰まってしまうと、離職という方向にいってしまうでしょう。そこで、介護について話せる仲間を持つことをおすすめします。ゆうとさんは、イベントプラットフォーム「Peatix」で介護に関するセミナーなどに参加し、介護について話す機会や情報を得ることができたそうです。
「SNSを利用することによって介護仲間を増やし、今の状況にあるのは自分ひとりだけではないという安心感をもつことが大事です」
介護離職後、介護と仕事を両立できる方法を見つけた
介護の日々は辛く苦しいものがあります。それでもゆうとさんは、諦めずに自分にとってベストな道を模索し、「本業+副業」という道を選びました。結果、以前よりも心身共にゆとりある生活を送ることができるようになったのです。
「介護離職後、前職のホテル業とはまったく異なる製造業に転職しました。定時で終わるという第一条件を設定し、仕事を探したんですね。定時で帰れるため介護は夫婦で分担することができました。また、前職では得られなかった空いた時間を利用し、副業として介護や転職関連のWebライターを始めることができたんです。記事を書くときは、介護士である妻から介護情報を聞き、それによって知見を増やすことができました。また介護記事を書くことによって、収入が増えるだけではなく介護の知識が増えるという相乗効果もありましたね。今では介護離職して良かったと思っています」
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この記事を書いた人
- うさぎと北欧を愛するライター。元Webデザイナー。インタビュー取材やコラムを執筆。強み:好奇心旺盛なところ。失敗してもへこたれないところ。弱み:事務作業が苦手。確定申告の時期はブルーに。
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