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ハローワーク新宿に取材してわかった50代で転職に成功する人失敗する人。成功のコツは?

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50代が転職を考えた場合、若い頃とは条件が異なります。そのため、転職に成功しやすい人と成功しない人に分かれてしまいます。成功する人は何が違うのでしょうか? 転職に成功するための法則について、ハローワーク新宿に聞きました。

45~59歳の就労者が全就労人口の33.6%(内閣府 「令和4年版高齢社会白書(全体版)」より)となった今、あとは定年を待つだけというおおらかな時代ではなくなり、ミドルエイジのキャリアチェンジが迫られるシーンも。50代の転職は若い頃とは違います。「大手企業で働いていたから大丈夫だろう」というのは通用しなくなってきたと、新宿ハローワークの宮嶋さんは言います。50代の転職活動を成功させるにはどうしたらいいか、ハローワーク新宿の管理部長・宮嶋修さん、職業相談第一部門統括職業指導官・荒井和則さん、雇用保険給付課長・寺澤仁さんに聞きました。

50代からの転職が厳しいとされる原因は?

50代からの転職が厳しいのはなぜなのでしょうか?ハローワーク新宿の求職者の状況から50代の転職が難しい理由について検証していきます。

スキルの問題

ハローワーク新宿の管理部長・宮嶋さんによるとハローワーク新宿に登録している企業は中小企業が多いと言います。

「中小企業は大企業のように、一から社員を育成する余裕のある会社は多くありません。50代については即戦力がある人材を求めます。資格を取って一から勉強し、全く新しい仕事に就こうと考えている50代には厳しい側面があるかもしれません」

年齢の問題

募集要項でよく見る「年齢不問」という言葉。本当に年齢の壁はないでしょうか? 宮嶋さんに伺いました。

「とくに人気職種である事務職に関して50代は決して有利とはいえません。若い方と50代の方を比較した場合、企業は将来性から、若い人材を求める場合もありますが、採用は年齢に関係なく、本人の適正と能力で選考を行っていただくよう会社にはお願いしています」

転職を考える50代が抱えがちな悩み

上述したように、50代の転職活動は若い頃とは違います。50代といえば、ちょうど親の介護が必要になる世代。転職を考える理由として介護もあると宮嶋さんは言います。

「ご両親の介護が必要になり実家にいなくてはいけないと、離職する人も最近は来所しているようです。また長年会社勤めをしていると、人間関係の悩みも出てくるため、転職を考えてしまう人もいます」

50代で転職先がすぐ決まる人

ハローワーク新宿の職業相談第一部門統括職業指導官・荒井さんによると、50代で転職先がすぐ決まる人には以下のような特徴があるそうです。
・希望の職種や条件が明確になっている人
・早期の再就職を目指す人
・自己理解ができている人
・これまでやってきたことを活かせる人

「希望の職種や条件が明確になっている人は在職中から人生設計を考えています。早めに準備をしているので、失業したとしても、すぐに再就職ができます。そのほか、早期の再就職を目指す人も転職が容易です。ハローワーク新宿では、求職者に『3ヶ月以内に就職を希望しますか?』と聞いていますが、早期の再就職希望者ほど早く再就職が決まります。早期に決まると再就職手当が支給されるメリットがあります。
また、これまでの役職や給与などのプライドをリセットできる人も再就職が容易な人です。転職活動する場合、従来の自分のポジションにはこだわらず、自己理解ができている人ほど採用されやすくなります。さらに専門的なスキルをもっている人は、今の給与以上の賃金を期待できます」

50代で転職先がすぐ決まらない人

50代で転職先がすぐ決まらない人についても荒井さんに聞いたところ、以下のように決まる人とは真逆な傾向があるそうです。
・希望の職種や条件がブレていたり、自ら積極的に求人検索をしなかったりする人
・転職活動が遅い人
・プライドを捨てきれず理想が高い人
・終身雇用制度という雇用形態で長年働いて転職に慣れていない人

「希望の職種や条件がブレていたり、自ら積極的に求人検索をしなかったりする人は転職先を見つけるのが難しくなります。また、応募をするまで時間がかかる人も再就職が難しいでしょう。50代の求職者の中には、終身雇用で長年働き、転職に慣れていない人がいます。ゆっくり腰を据えて探したいという考え、焦って決めたくないと考えてしまうのかもしれません。しかし、企業側の認識は異なります。長期間働いていないと、雇いづらくなると考えるからです。
また、プライドを捨てきれず理想が高い人も再就職が難しくなります。専門的なスキルがなく、以前と同じ条件の賃金や厚生年金、社会保険の有無にこだわりすぎると、再就職が厳しくなるでしょう」

失業給付金を当てにするとどうなるか?

「再就職がすぐに決まらなくても失業保険をもらえたら何とかなる」と考える人もいるかもしれません。失業給付金を当てにした場合のリスクについて荒井さんに聞きました。

「『失業保険をもらってから再就職しよう』と考えると、失業期間が長期に渡ってしまう可能性があります。採用が決まるまでは1カ月~1カ月半かかるからです。すぐに再就職できればいいのですが、決まらないと失業給付金が切れて生活に困ることになります。そうなると、焦って就職しなければならなくなり、合わない会社に就職する可能性も。求職活動は、できるだけ早めに動くようにしたほうがいいと思います」

転職先がすぐ決まる人と決まらない人の大きな違い

転職先がすぐ決まる人と決まらない人の大きな違いは、どのような点でしょうか? 荒井さんに伺いました。

「50代は年齢を重ねてきたがゆえに、10代20代の頃のように自分の未来に『ワクワク感』がありません。しかし『ワクワク感』がなくても『感謝の気持ちと謙虚な心を持てる人』『素直さや柔軟性を持っている人』は再就職に成功しやすいのです。一方、前職の賃金や福利厚生などにこだわりが強い人は、自分の良さを発揮できなくなります。50代は過去のキャリアより人柄が見られると言えるでしょう」

ハローワークで相談する

最後にハローワークで相談する場合のポイントについて宮嶋さんからアドバイスをいただきました。

「転職を成功させるには、心を開いて相談するのがポイントです。採用に至らない場合、履歴書や条件などの見直しについてアドバイスを受けられます。東京都には17カ所のハローワークがあり、場所によって申し込まれる求人の内容にも特徴があります。たとえばハローワーク新宿はIT業界や介護業界、飲食サービス業といった産業が多い特徴があります。求人数が多いのは、飯田橋・品川・新宿など事業所数の多いハローワークです。また地方で就職を希望する場合でも、現地に行く必要はありません。たとえば他県で仕事を探すなら、ハローワークから求職者の希望する応募求人を確認し、求人会社に電話で『応募が可能かどうか』を確認します。応募できるようであれば求職者に紹介します。またインターネットで全国の求人情報を検索できるため、東京にいても希望の場所で求人を見つけることが可能です」

この記事を書いた人

今崎ひとみ
今崎ひとみIT人文好きライター
うさぎと北欧を愛するライター。元Webデザイナー。インタビュー取材やコラムを執筆。強み:好奇心旺盛なところ。失敗してもへこたれないところ。弱み:事務作業が苦手。確定申告の時期はブルーに。

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