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リスキリングの独学オンライン講座、修了率はたったの数パーセントのワケとは?

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日本で話題のリスキリング。個人で取り組む場合、完全な独学ではうまくいきません。では、どうすればよいでしょうか? リスキリングの専門家に聞きました。

リスキリングは同時にアウトプットが必要

最近のビジネスパーソンは独学で学ぶ人が増えているといいますが、リスキリングも独学は可能なのでしょうか? 限りある時間と予算の中で、独学でもリスキリングができる方法をリスキリングの専門家の一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブ代表・後藤宗明さんに聞きました。

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「リスキリングという観点では、独学だけというのは限界があると思います。なぜかと言うと、リスキリングは、あくまでも得たスキルを仕事で発揮して成果を出す、新分野の仕事に就くという大きなゴールがあり、それを独学で達成するのは無理に近いのです。

仕事の中で生かして実績を出し、さらに他の場所でも通用して、ちゃんとアウトプットができる。そのレベルに到達させるには、独学だけでは厳しいはずですし、メンタル的にもハードルが高すぎます。実際、個人向けのオンライン講座は解約率が高く、修了者が数パーセントしかいないという現状があります。理由は主に、メンタル面で折れてしまうからなんですよね。

なので、僕はリスキリングに関して独学オンリーは、おすすめはしていません。

ではどうしたらいいかと言うと、コミュニティに参加する、コーチをつける、あるいは仕事仲間と仕事を通じて学ぶ「アプレンティス制度」によって実習する。これらが、リスキリングのベストな方法だと思います。

ここで言うコミュニティとは、同じ目的を持つ人たちの集まりを指します。実は、そういった学ぶためのコミュニティは、Facebookを含めてオンライン上にたくさんあります。お金がかかるもの、かからないものがありますが、無料のものでも相当な数です。「これは」と思ったコミュニティに加わり、切磋琢磨することをおすすめします。

それとは別に、コーチをつけるというやり方もあります。リスキリングの議論の一つの課題として、学ぶことが子どもの頃から得意な方の視点でしか語られてないというのがあります。そうした人は、学ぶことに対して成功体験をお持ちで、その体験がない人との差は、すごく大きいと感じます」

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「共に学ぶ仲間」が必要になるのがリスキリングの特徴かもしれません。でも、社外のコミュニティを持っていない、スクールに行くにも気が引けるという諸氏も多いのではないでしょうか。次回はリスキリングに関心の高い40代、50代のビジネスパーソンの学び方についてお伝えします。


後藤宗明

一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブの代表。早稲田大学政治経済学部卒業後、1995年に富士銀行(現みずほ銀行)入行。2002年、グローバル人材育成を行うスタートアップをNYにて起業、卒業生約2,000名を輩出。2008年に帰国し、米国の社会起業家支援NPOアショカの日本法人を2011年に設立後、米国フィンテック企業の日本法人代表、通信ベンチャーの国際部門取締役を経て、アクセンチュアにて人事領域のDXと採用戦略を担当。2021年、一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブを設立。著書に『自分のスキルをアップデートし続ける リスキリング』などがある。

この記事を書いた人

鈴木 拓也
鈴木 拓也
都内出版社などでの勤務を経て、北海道の老舗翻訳会社で15年間役員を務める。次期社長になるのが嫌だったのと、寒い土地が苦手で、スピンオフしてフリーランスライターに転向。最近は写真撮影に目覚め、そちらの道も模索する日々を送る。

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