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リスキリング

DXに欠かせないリスキリング。でも、自分でやるべき? 会社がやるべき?

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社内勉強会、それがダメなら自治体を活用 「企業主導でリスキリング」というかけ声はあっても、現状において企業がリスキリングの重要性を理解していないことも多い。この場合、個人という立場で、どのように対策すべきかを、リスキリン […]

社内勉強会、それがダメなら自治体を活用

「企業主導でリスキリング」というかけ声はあっても、現状において企業がリスキリングの重要性を理解していないことも多い。この場合、個人という立場で、どのように対策すべきかを、リスキリングの専門家の一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブ代表・後藤宗明さんに聞きました。

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リスキリングは、技術的失業を防ぐ視点がまずあります。テクノロジーの急速な進化によって、人間が担ってきた業務がどんどん自動化をされていく。その状況下で成長事業へと働く人をシフトさせていくために、まずは社内で非生産的な業務をなくし、不採算部門には見切りをつけ、従業員が会社に属しながら労働移動させていく。これが重要なのです。

だから、リスキリングは就業時間の枠内で推進すべきと考えています。正直な話、会社の中で必要になるものを、個人がその就業時間外にやるというのは、本来おかしなことだと思います。会社が必要とするのであれば、それは会社が提供するべき業務なわけですから。

ですが、社内にトップダウンのリスキリング環境がないことは、現状ままあるでしょう。かといって、そこで働く従業員が、ボトムアップでリスキリングの仕組みを作っていくのは、難しいかもしれません。ですが仮にそうであっても、会社にとって必要だと痛感することであれば、社内で仕組みづくりを提案するのはいかがでしょう。一度はやってみる価値はあると思います。

それでダメであっても、諦めてしまうのはいけません。リスキリングへの関心度が高い社員がほかにいれば、一緒になってオフタイムの勉強会を開く取り組みがいいでしょう。それで、はじめて経営陣が関心を示すこともありえますし。ちなみに、国や自治体は法人とは別に個人の支援も行っているので、そうした支援策の活用も検討に値します。

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就業時間内でリスキリング研修などを実施する会社であればラッキーですが、そうでない場合は一緒に学ぶ仲間を作ってでも、リスキリングに取り組む必要がありそうです。では、次回は独学でリスキリングは可能かどうか?についてお伝えします。


後藤宗明

一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブの代表。早稲田大学政治経済学部卒業後、1995年に富士銀行(現みずほ銀行)入行。2002年、グローバル人材育成を行うスタートアップをNYにて起業、卒業生約2,000名を輩出。2008年に帰国し、米国の社会起業家支援NPOアショカの日本法人を2011年に設立後、米国フィンテック企業の日本法人代表、通信ベンチャーの国際部門取締役を経て、アクセンチュアにて人事領域のDXと採用戦略を担当。2021年、一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブを設立。著書に『自分のスキルをアップデートし続ける リスキリング』などがある。

この記事を書いた人

鈴木 拓也
鈴木 拓也
都内出版社などでの勤務を経て、北海道の老舗翻訳会社で15年間役員を務める。次期社長になるのが嫌だったのと、寒い土地が苦手で、スピンオフしてフリーランスライターに転向。最近は写真撮影に目覚め、そちらの道も模索する日々を送る。

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