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リスキリング

日本人がリスキリングをするならハードスキルがおすすめのワケとは?

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リスキリングで「何をどこで、どのように」学んで「どう仕事に活かせばいい」のか?今さら聞けないリスキリングの基本についてお伝えします。

日本のデジタル競争力は29位

『The Future of Jobs Report 2023』(世界経済フォーラム)の中のデータで、2023年時点で必要なスキルのトップ10の1位が「分析的思考」、2位が「クリエイティブ思考」、3位が「レジリエンス、フレキシビリティ、アジリティ(機敏性)」など、抽象的なスキルが上位を占めています。

これらのスキルの特徴は資格として取得しにくい、数値化しにくいものです。リスキリングではどんなスキルを身につけることを念頭におけばいいか、リスキリングの専門家の一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブ代表・後藤宗明さんに聞きました。

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「一口にスキルと言っても、ソフトスキルとハードスキルに大別され、中身は違うものなのです。分析的思考やクリエイティブ思考、それにコミュニケーションスキルといったものは、ソフトスキルに分類されます。他方、AIやプログラミング言語はハードスキルになります。

今、日本ではハードスキルのアップデートが切実に必要とされています。同レポートでも、2027年までに重要性が増すスキルトップ10を見ると、「テクノロジー・リテラシー」が6位から3位に浮上し、それまでラインクインしていかった「システム思考」や「AIとビッグデータ」が入っています。

デジタル競争力ランキングの上位国は、国策でリスキリングをかなり前からやっています。デジタルだけではなくて、脱炭素化に向けたグリーンの分野も成長分野として、ヨーロッパでは注目されています。アメリカでは、宇宙分野の事業が伸びており、その方面のリスキリングが始まっています。リスキリングは、デジタルだけではないのです。

その点でも、リスキリングは「やらない」という選択肢はないと思います。むしろ、それをやらなかったから、日本はデジタル競争力ランキングで29位まで下がりましたし、他の先進諸国と比べてGDPも下がっているわけです。日本国内には、それなりのマーケットがあるので、何とかやってこれた側面はありますけど、長く続きはしないと思います。

なので、今に安住するのではなく、成長へ舵を切るためにリスキリングに取り組むという発想を持たないと、日本という国はこのまま落ち込んでしまうと思います。」

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リスキリングへの取り組みが遅れたことで日本の競争力が低下したという後藤宗明さん。具体的にはハードスキルに取り組むべきとのことですが、ではどこでどのように私たち個人が学べばいいのか、次回にお伝えします。


後藤宗明

一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブの代表。早稲田大学政治経済学部卒業後、1995年に富士銀行(現みずほ銀行)入行。2002年、グローバル人材育成を行うスタートアップをNYにて起業、卒業生約2,000名を輩出。2008年に帰国し、米国の社会起業家支援NPOアショカの日本法人を2011年に設立後、米国フィンテック企業の日本法人代表、通信ベンチャーの国際部門取締役を経て、アクセンチュアにて人事領域のDXと採用戦略を担当。2021年、一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブを設立。著書に『自分のスキルをアップデートし続ける リスキリング』などがある。

この記事を書いた人

鈴木 拓也
鈴木 拓也
都内出版社などでの勤務を経て、北海道の老舗翻訳会社で15年間役員を務める。次期社長になるのが嫌だったのと、寒い土地が苦手で、スピンオフしてフリーランスライターに転向。最近は写真撮影に目覚め、そちらの道も模索する日々を送る。

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