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絶対に失敗するカフェの作り方

絶対に失敗するカフェの作り方カフェの名付けは6文字以内が鉄則!? 定休日にしちゃいけない曜日がある!? 人気のカフェを立ち上げる方法。

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マスター1人で経営する小さなカフェを立ち上げて、長く続けていく方法をお伝えしていくこの連載ですが、驚くほど具体的に、かつ「絶対に失敗する方法」をお伝えしながら、逆張りをすることで成功へと導くメソッドを公開しています。今回は、個人店、マスター1人の小さなカフェをオープンする際に、絶対にやってはいけない「店名の付け方」などについて。赤澤智が語ります。

珈琲文明店主・赤澤智が語ります。

店名の付け方の極意

店名の付け方が店の運命を左右する

まずは、店名から見ていきましょう。

この連載のタイトルに則って、失敗しやすいネーミングの仕方を3つ、挙げてみたいと思います。とはいえ、これらはかなり実在するので、敵を作ってしまうかもしれないと覚悟しています。

①そもそも読めない(「難解な字もしくは当て字」「英語でもなくフランス語かイタリア語でしかも長い」など)

②オーナーの名前を冠した店名(例「赤澤珈琲」)

③インパクトだけはあるネタ的流行的店名

まず超大前提としてあなたのお店が「何屋さんなのか」が一発でわかることが大事です。

ですから①のようなわけのわからない名前にする時点で大きく損をしてしまいます。しかも①は長い名前で、何語かもわからないならクチコミ等の伝承には圧倒的に不利です。

次に②は、オーナーが既に有名人でその人の人間力でやっていくような力のあるお店であればOKかもしれません。しかしながら、何者でもない人がこれから開くお店は使わないほうが無難でしょう。

そして③のような「読めるかもしれないが流行を追った、あるいはオリジナリティ溢れるインパクトある店名」の場合、10年後もその名前でおかしくはないのかという点は注意すべきでしょう。

カフェの名付けは6文字以内!?

とにかく店名で重要なのはまず「何のお店なのかわかる」ことです。さらに、そのお店のコンセプトも言い表すことが出来ていればなお良いです。さらにさらに、店名の字数が6文字以下程度で短めに抑えられているのが理想。これは名刺をはじめ店の印鑑やオリジナル玄関マットに印字する際などであまり字数が多いと費用も上がるばかりでなくレイアウトとしてもスッキリしないためです。

私のお店もまずは「コーヒー専門店」であることと、コンセプトとしては「レトロでクラシカルな雰囲気」を狙い、明治の文明開化から「文明」を取りました。

「何屋なのか」と「どんなコンセプトの店なのか」をこれ以上削れない「珈琲」と「文明」という4文字に集約してみました。

そして、サブタイトル的につけた、「赤澤珈琲研究所」というのは思いっきり②ですね(笑)。まあこれは、「赤澤珈琲研究所に行こう」なんて会話を最初から狙ってなどいないので、良いとします。

これからカフェを立ち上げようとするみなさんは、これらのことに最大限注意してお店の名前を考えてみてください。

珈琲文明(赤澤珈琲研究所)(写真:珈琲文明提供)

看板の出し方の極意

一目見ただけで何の店かわかる看板

また、店名と同じように「看板」もまた「何のお店なのか」が遠くからでもわかることが大事なのです。極論を言うなら「店名」すらなく巨大なコーヒーカップのマークだけのほうが良い場合だってあります。

ラーメン屋であれば大きな丼ぶりの立体模型で湯気が出ているようなオブジェをたまに見ますよね? それを見て我々は「あ、ラーメン屋がある」って思いますよね? わけのわかんない店名よりもよっぽどそういう模型を置いておいたほうが看板としては良いと思います。

お客様の目に入る袖看板が超重要

もう一点、看板というものを考える際に重要なのは「歩行動線での視点」であります。

大きく立派な看板を作ったとしても店頭上部に掲げているとその店に前方(しかも遠方)から来る人にとっては目に入りますが、例えば商店街の一角にありお客さんは商店街の歩行者でお店は商店街の道に平行して横にある場合、歩行者の目線は店頭上部には及びません。

この場合、重要なのは店頭上部のメイン看板ではなく、地面に置いたり歩行者の目線の位置に置いたりする袖看板のほうなのです。

このように袖看板の存在は非常に重要であり、そして袖看板にもやはり文字数の多い店名は相応しくないということはきっとわかると思います。

珈琲文明の袖看板(写真:珈琲文明提供)

定休日設定の極意

まず、小さなカフェの特性を理解する

さて、次に今度は「定休日の設定方法」について述べてたいと思うのですが、これにはまず「商圏」という概念をわかっておいてほしいと思います。

簡潔に言うと、「チェーン店は商圏が小さく」「個人店は商圏が広い」ということです。

ファストフードのハンバーガーや牛丼を食べるそのためだけにこれから電車に乗らないですよね?そういうことです。

そうなると個人店は地域近隣の人はもちろんのことわざわざ電車(や車)に乗って遠方からも来る人が多いという可能性を秘めているということが言えますし、またそうならなければいけないと思うのでそうなってください。

となるとあなたのお店(個人店)は土日祝日になると遠方からわざわざ訪れる人が出てきます。もちろん、地元近隣の人だって休日には容赦なく(いや、ありがたいことに)来店します。

必然的に土日祝日は混雑するお店になります(ぜひ、そうなってください)。

カフェには休むべきじゃない曜日がある

さて、ここで定休日の話に入ります。

ここまでの話の流れで土日祝日を定休日にする愚かな人はいないと思います(※ビジネス街等の立地を除けばです)。

そうなると定休日の候補は平日ということになりますが、大事なのはここからです。

先にまず平日のうちどこが「休むべきじゃない」かを述べますね。

皆さん、銀行や病院が混む曜日がいつかわかりますか?

きっと体感としてもわかると思うのですが、休前日あるいは休日後が混みますよね。

休前日及び休日後は「人が動く日」なのです。

そしてお客さんが多い日というのもこの「人が動く日」なのです。

答えを言いますと平日の中でも「月曜(休日後)と金曜(休前日)は人が動く=混む日」なので定休日にしてはいけません(※月曜は祝日も多いので客観的に混乱もよびます)。

金曜日はなんとなく休まないほうがいいのはわかると思うのですが、月曜を定休日にしているお店って、驚くほど多いですよね。

フードを扱うお店は「卸入れ市場が日曜休みなので仕入れが出来ないから翌日は休む」という理はあるとは思うのですが、カフェをやるのであれば、ぜひとも月曜を開けてください。

実際に私のお店は統計上全ての平日の中で月曜が最も混みますし、仕事が始まったばかりで憂鬱な月曜にコーヒー飲んで癒されたいという人の心理もわからなくもないです。

そんなわけで結論です。

個人店のカフェ定休日はズバリ「火水木」のうちのいずれかという三択に絞られるということです。

地域の特性を見て定休日を決める

これらのうちどの曜日がベストかここから先は皆さんが出すお店の地域の特性を見て行くのが良いと思います。

例えば美容室が異様に多い地域なのであれば美容室は火曜定休が多いので火曜にお店を開けていても美容室帰りや待ち時間利用の人は見込めない。だから、こちらも火曜日を定休日にしてしまう…というように、さまざまなことを判断基準としつつ、まずはサイレントプレオープン期間中に「無休」で営業して客数統計をとってみて最も少なかった日に決めるのが良いと思います。

私のお店(珈琲文明)は創業当初から水曜定休(現在は火水定休)です。

これはあくまでサイレントプレオープンの統計の結果だったんですが、その後、子どもが生まれて幼稚園や学校が水曜だけは短縮時間で早めに終わる日だったので、そこが定休日だと家族で出かけやすいという結果的に大正解だったということも後付けで加わりました。

他にも、あなた自身が何かの趣味や生きがいに関するコミュニティなり習い事があってそれが仮に木曜にあるならば木曜定休にするなどご自身のライフスタイルに合わせることも大切だと思います。

いずれにせよ、とにかく定休日は「火水木」のどこかですからね!お忘れなく!

珈琲文明店主・赤澤智でした。

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