Interview
インタビュー

《矢井田 瞳の仕事論》バカにされたくない−「頑張りすぎ」から「頼る」ことを学んで楽になった

ログインすると、この記事をストックできます。

菅野美穂主演のドラマ『ゆりあ先生の赤い糸』に新曲「アイノロイ」を書き下ろした矢井田瞳さんが、好きなことを仕事にするために必要なことを教えてくれました。

2020年にデビュー20年を迎えた矢井田 瞳さん。五線譜の中を泳ぐように歌う声で、ファンを魅了し続けています。

キラキラした声はでなくても年齢にあった映える声

2020年にデビュー20年を迎えました。デビュー当時のキラキラとした声はもう出ないので、少しキーを下げた曲作りが増えていますが、その年齢ごとに“映える声”があると思っています。歳を重ねて「できなくなったこと」があっても、全てがマイナスではないと思うんです。抗えないこともありますが、積み重ねた知識や経験で、20代のときにはできなかった表現ができることもある。そのときにできることで、補えればいいと思うんです。曲の制作も80歳、90歳になった自分を想像するようになりました。無理をせず、自分らしさを追求していきたいです。

「バカにされたくない」と追い詰められた日々

19歳のときにアコースティックギターと出合い、独学で演奏や曲作りを学び、オーディションがきっかけとなり、大学4年生のときにデビューしました。同じ年に出た2枚目のシングル「My Sweet Darlin’」がミリオンセラーになったことで多忙になり、デビューして5年目までは、無我夢中で走り続けていました。「誤解されたくない」「バカにされたくない」などいつも気を張っていてすごく疲れてしまって、勝手に限界を感じて追い詰められていました。そのとき音楽仲間から「頑張り過ぎ」と言われ、その言葉にすごく救われました。「1人でできないことがあるなら、周りを頼ればいいじゃん」と言われて、閉じていた扉が開きました。閉め切って掘り下げる時間も大事だと思いますが、私のように自分で勝手に考え過ぎるクセを持っている人は、頼ることを学ぶと心が楽になると思います。

「頑張りすぎ」「周りを頼ればいい」と言われ救われたと話す矢井田 瞳さん

好きなことでもくじけそうな時は

「好き」という気持ちはいろんなことをプラスに変える力があると思います。「できないかも」「向いていないかも」などくじけそうになったときは、好きなものを好きになったときの気持ちを思い出してほしい。悔しいことも、つらいことも、「好き」を思い出せれば頑張れると思います。私もくじけそうになったときは、ステージの上に立ってお客さんと一体になったときのことを思い出します。好きよりも上の感情といいますか、、、行き詰ったときは、あの感覚を思い出して自分を奮い立たせています

この記事を書いた人

翡翠
翡翠執筆・写真
音楽や映画、舞台などを中心にインタビュー取材や、レポート執筆をしています。強み:相手の良いところをみつけることができる。弱み:ネガティブなところ。

ログインすると、この記事をストックできます。

この記事をシェアする
  • LINEアイコン
  • Twitterアイコン
  • Facebookアイコン