矢井田 瞳の「アイトノロイ」は年齢を重ねたからわかる白と黒の間、愛と呪いの間
俳優の菅野美穂が主演のドラマ『ゆりあ先生の赤い糸』(テレビ朝日系、木曜午後9時)に主題歌「アイノロイ」を書き下ろした矢井田 瞳さん。紆余曲折を経たからこそたどり着いたしなやかな強さを楽曲に込めたと語ります。
19歳のときに手にしたギターでアーティストへの道を切り開いた矢井田 瞳さん。大学在学中にデビューをし、結婚、出産を経たからこそ気付いたものがあると言います。
――夫の介護や、愛人との同居などドタバタ劇が繰り広げられるドラマに、配信シングル「アイノロイ」(発売中)を書き下ろしています。
原作の入江喜和さんのマンガを読むところから曲作りがスタートしました。人生には様々な出来事が起こる。そして、どんなことにも表や裏がある。才色兼備と思える人も、帰宅したら孤独かも…など、相反することを想像しながら歌詞を考えていきました。
――「♪もっとがんばりたい だけど何をどうがんばればいいの」という歌詞は、幅広い年代に刺さると感じました。
そうですね。誰も強いだけでは生きられない。迷うときもあるけれど、葛藤しながら、自分のペースで前に進んでいけばいいじゃないという思いを込めました。
――思い通りにいかないことが多いけれど、それも含めて後悔しない人生を送ろうという思いに励まされました。
若いときは白黒どちらかで結論付けたいと思っていましたが、歳を重ねる中でその間の感情があることに気が付いたんです。白と黒の間。愛と呪いの間がある。結論付けないことで、余裕を持つというか。余白がある人生の方が豊かなんじゃないかと思って。
――そう考えるようになったきっかけは、どのようなことでしたか。
子どもを持ってからというのが大きいですかね。彼女を通じて大人にしてもらいましたし、彼女が見ているものを見ることによって、2度目の人生を生きたように思います。運動場の砂ぼこり、公園の鉄棒に触った後の手のにおいとか、子育てしていると、忘れていた感覚を思い出す瞬間がたくさんあります。
――出産を経て、音楽づくりなどに変化はあったのでしょうか。
そうですね。デビューした20代前半は、社会に対するモヤモヤを自分が表現するにはどうすればいいかに意識がいっていました。でもいまは誰かの人生が変化するきっかけの大きな輪の一粒になれたらと思っています。子どもを通して芽生えた感情や喜怒哀楽は、自然に音楽の中に入っていますね。
――最後にドラマと共に新曲を楽しみにしている人へメッセージをお願いします。
矢井田:ドラマとの響き合いを楽しみにしてほしいです。壮絶な人生をタフに生き抜くゆりあ先生に寄り添えたらと思いますし、同じように頑張っているみなさんのパワーになればと思います。
矢井田 瞳 デジタルシングル「アイノロイ」
作詞:矢井田 瞳 作曲:矢井田 瞳・Yaffle 編曲:Yaffle
テレビ朝日系木曜ドラマ『ゆりあ先生の赤い糸』主題歌
各種音楽配信サービスにて配信中:https://yaiko.lnk.to/AINOROI
「アイノロイ」ミュージックビデオ
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- 音楽や映画、舞台などを中心にインタビュー取材や、レポート執筆をしています。強み:相手の良いところをみつけることができる。弱み:ネガティブなところ。