資格を仕事ビジネス書の出版! 身近な人が出版したことで急に「自分にもあり得ないことではないのでは?!」と行動を起こした(個性を伸ばすパーソナルスタイリスト/山下万里香さん)
多様な働き方のリアルを聞きました!起業のトライ&エラー。起業したあとすべてが順風満帆にいくとは限らない。一番知りたい失敗談と成功のコツを山下万里香さんに聞きました。
プロフィール
スタイリスト・パーソナルスタイリスト・ストレングスコーチ山下万里香
失敗談を教えてください!
忘れられない大失敗はありましたか?
ブライダルスタイリストをしていたとき、丁寧で正しい接客をしようとして、堅苦しくつまらない接客になってしまい、花嫁さんから指名を1件ももらえなくて自信を無くすし、精神的に追い詰められていました。指名がたくさん入っている、後輩、プランナーさん、花屋さん、衣裳さんをじっくり観察すると、お客さまがまた会いたいと感じるような接客をしていて、それを真似てみました。
たとえば、花嫁さんを(ご本人の了承を得た上で)下の名前で呼ぶようにして、親しみを込めた話し方をするように心がけたり、「正しいアドバイスをしよう」「きちんと教えてあげよう」という考え方を手放して、花嫁さんと一緒にああでもないこうでもないと考えたり悩んだりするという、そのプロセスを大事にするようにしたりしました。
仕事と家族(プライベート)のバランスは?
どちらも100%で頑張ろうとして気力と体力が持たなくなったことがあります。今は主人が得意なことはどんどん頼んでいます。
これまでどんなクレームがありましたか?
お客さまたちが素直な感想を言ってくださったり、気づいたことを都度言ってくださったりするので、こまめに軌道修正しています。「クレーム」という形でいただいたことはありません。
「あの時、やってよかった!」ことは?
ビジネス書出版の機会をいただいたことです。いつかは本を書きたいと思っていたものの、出版はずっと自分からは遠い存在に感じていたのですが、身近な方が本を出されたことで急に「自分にもあり得ないことではないのでは?!」と思うようになりました。
その方にお願いして、出版社の編集長の前で企画をプレゼンする会議の場に見学で参加させてもらうことになり、その会議のプロデューサーとも知り合い、Facebookで繋がりました。後日、私のFacebook投稿で「お世辞を言わない接客」「お客さまを素敵にするための接客」について書いたものを見て、そのプロデューサーさんが「まりかちゃん、そのテーマで企画を書いてみない?」という連絡をくださいました。
最初の私の企画書は本当に内容が薄いものでしたが、プレゼンで熱意だけはその場にいた著者の先輩方に伝わり、いろいろアドバイスをもらうことができ、3ヶ月後のプレゼンで一次審査を通り、その後半年ほど掛けて最終選考を通過しました。
企画を考えたり執筆したりする過程で自分の接客やサービスにとことん向き合って総ざらいできましたし、本を作る各工程での大変さを知れたことも大きかったです。
「あの時、やればよかった」ことは?
そういう勘が働くというか、チャレンジすべきと思ったらすぐするので、後からやればよかったと思うことはありません。
「あの時、やらなきゃよかった」ことは?
そういえば、そっちの後悔もないです。
「集客ができない」「案件が取れない」時どうする?
どうやったら楽しんでもらえるか、メニューやイベントの企画をしています。
今、困ってることは?
一人起業としてはMAXまで仕事をしているので、従業員さんに来てもらうと活動が広げられると思うのですが、まだどういう人をどういう役割で雇ったらいいのかがわからないのと予算的にそのゆとりが無いことです。
「辞めたい」と思ったことは?
辞めたいと思ったことは無いです。
仕事で騙されたことがある?
移転時に家具を買い揃える際、悩んでいるうちに欲しいドレッサーが売り切れてしまい、他のサイトを探して買ったら詐欺サイトでした。その買い物だけ、カードをやめて銀行振込にしていて、振り込むまでに詐欺だと気づいたので助かりました。
失敗してもうまく行く方法は?
実は起業するのが不安だった?
不安でしたが、起業塾に通い、クラスメイト全員が起業に向けて頑張っている状況だったので、それが当たり前の環境にいたので、前に進むことだけを考えていました。
うまくいかない時、どうやって乗り越える?
これまでの仕事内容を自分で振り返ったり、コーチに聞いてもらったりして棚卸します。その後は一旦仕事を忘れてリフレッシュに出掛けたら良いアイディアが浮かぶことが多いです。
「ここぞ!」というときには、広報会社にプレスリリースを依頼します。その時にたくさんインタビューしてもらうので、それが私の頭の整理にも繋がっています。
コレをやったら「うまくいった」ことは?
新しいお客さまを必死に探すより、今来てくれている人を大切にすることに集中したら、お客さまの結果が出て、その様子を見て人が来てくれるようになりました。
以前は、パーソナルカラー分析のみ、フェイスタイプ分析のみ、とどれも単発メニューだったのですが、もっと深く知りたいというお客さまのリクエストにお応えして継続メニューを作ったところ、「自分自身のいいところを自分で認める」というところが伝わりやすくなったんです。
そうなると自然にお客さまの中で転換が起こり、内面までもが進化し始めました。それを見たときに、ひとりのお客さまと長く深くお付き合いする大切さを感じました。結果として、その内面と外見の両方が変容している人を見た周りの人が来られるようになったという感じです。
コレをやったら「うまくいかなくなった」ことは?
業種的にいい関係だからと安易にコラボをすると、それぞれの価値観や世界観がぼやけてしまって、お客さまを迷走させてしまうことになり、信用が落ちてしまったと感じました。
効果的だった投資、効果がなかった投資は?
今のスタジオに移転した際、壁紙をアーティストに作ってもらったり、工事をしたりして500万円くらい掛かりました。オープンと共に潰れてしまうくらいのリスクでしたが、その特別なお部屋にした結果、テレビや新聞の取材が来てくれたり、お客さまがリラックスしてくれたりして、投資した甲斐がありました。
SNSでは何に力を入れてる?
SNSでは、自分のコーディネートをアップしています。パーソナルカラーなどの診断結果に囚われすぎて窮屈な思いをしている方がいたら、その人にもっと自由に自分の個性を発揮してもらいたいと思っています。
webサイトは持ってる?
魔法スタジオ(私のサロン)の壁紙をデザインしてくれたアーティストさんにWEBサイトも作ってもらいました。文字をできるだけ減らして、写真や動画を増やしてビジュアルで伝えるようにしました。
私はついつい理論的に説明しようとしてしまうので、文字にすると楽しさが伝わりにくいんです。実際の現場はすごく盛り上がっているし、すごく楽しいので、それが感覚的に見た人に伝わったらいいなとビジュアル重視にしました。
集客の何割くらいが知人からの紹介?
ほぼ100%です。
人脈と戦略、どっちが大事?
人脈という言葉があまり好きではないのですが、人との繋がりでお仕事に繋がることがほとんどです。
「人脈」という言葉があまり好きではない理由は・・・これは私の勝手なイメージですが、「人脈」という言葉には、仕事をうまくいかせるという目的のために人間関係を利用する、という意味が含まれているように感じるからです。人間関係を「この人は自分の仕事に役に立つかどうか」を基準で作るのは、気持ちが寂しい感じがします。
人と信頼関係を築いていったら、思わぬところで仕事に繋がることもあると思います。
凹んだ時に救ってくれた言葉は?
長く助走を取った方がより遠くへ飛べるって聞いた
「星になれたら」Mr.Children