Interview
インタビュー

スクールオブロックに出演する西川貴教に聞いた、ミュージカルの魅力「失敗したから成長できることもある」。落ちこぼれバンドマンの教師を演じる西川貴教が、共演する子どもたちの成長を見て感じたこと。

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スターになることを諦めきれない落ちこぼれバンドマンが、ひょんなことから名門進学校の臨時教師となり、ロックを通じて子どもたちと共に成長していくミュージカル『スクールオブロック』で主人公のデューイ・フィン役を務める西川貴教さん。日々成長していく子どもたちの姿を見て、大切なことを思い出したと明かしてくれました。

プロフィール

アーティスト西川貴教

(にしかわ・たかのり)1970年滋賀県生まれ。96年5月にソロプロジェクト「T.M.Revolution」としてシングル「独裁 -monopolize-」でデビュー。2008年に任命された「滋賀ふるさと観光大使」での功績を認められ、20年に「滋賀県文化功労賞」を受賞した。俳優として舞台、ドラマ、映画などにも出演。幅広く活動している。地域創生」を掲げ地方が抱えている課題解決に向けて取り組むテレビ番組「西川貴教のバーチャル知事」(毎週土曜午後10時から、BS Japanext)にレギュラー出演中。

「キャッツ」「オペラ座の怪人」などを手掛けた名匠、アンドリュー・ロイド=ウェバーが作曲・プロデュースを務めた同作。西川貴教さんはブロードウェイで観劇をしたことがありました。「まさかがこの役をやらせていただけるとは!」と依頼に驚きましたが、アーティストになりたいと夢を持つ役どころは「僕が持っていた気持ちそのまま」と主人公に思いを重ねています。

――米国で大ヒットした映画を題材に、ニューヨーク・ブロードウェイなどで舞台化された『スクールオブロック』が今夏、日本で初上演されます。西川さんは俳優の柿澤勇人さんとWキャストで、主人公のデューイ・フィンを演じます。

西川:はい。6年ほど前、仕事でニューヨークに行った時1日だけオフがあったんです。せっかくだからブロードウェイで本場のエンタテインメントに触れたいと、取れたチケットが『スクールオブロック』でした。いち観客として見ていた作品で、「日本でやるとしたらデューイは誰が演じるんだろう」と思っていたので、オファーをいただいたときは驚きました。

――お稽古が進んでいるところだと思いますが、演じられた感想を教えていただけますか。

西川:時代設定が80年代後半から90年代前半で、舞台はアメリカ。セリフの中にはアメリカンジョークが散りばめられているので、2023年の今にどう沿わせていくかを考えています。演じるデューイはギタリストで、僕自身は音楽でキャリアを積んできた人間。ミュージシャンの部分は“作らずに”できるので、ホッとしている部分もあるのですが、気を付けないと「西川貴教が舞台に立っている」ように見えてしまうので、稽古を重ねてデューイになっていきたいです。

(左から)「スクールオブロック」で共演する柿澤勇人と西川貴教(撮影:田中亜紀)

――7月上旬に行われたプレライブイベントでは、劇中で歌う「スティック・イット・トゥ・ザ・マン(支配者に立ち向かえ)」をバンドメンバーである子どもたちと一緒にパフォーマンスしました。息ぴったりでしたね。

西川:ビートチーム、コードチーム。各12名の子どもたちがオーディションで選ばれ、ともに芝居を作り上げているのですが、もう玄人ですね。(今作で翻訳と演出を務める)鴻上尚史さんが子どもたちに言い聞かせていることを聞いていると、僕自身身にも参考になることもが多い。彼らがスポンジみたいに吸収して成長している姿を見ていると、大人になると失敗をしたり恥をかくのがイヤだと臆病になってしまうけれど、失敗したから成長できることもあると考えさせられます。

――コロナ禍で3年の時を経て、念願の日本初演を迎えます。楽しみにしているファンの方にメッセージをお願いいたします。

西川:ミュージカルを観に来るというよりは、キャストの1人だと思って会場に来てほしいです。僕らと一緒に歌って盛り上がりましょう。

7月に行われたミュージカル「スクールオブロック」プレライブイベントの様子(撮影:田中亜紀)

▼公演情報

ミュージカル『スクールオブロック』
東京公演 2023年8月17日(木)~9月18日(月祝)
会場:東京建物Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)
大阪公演 2023年9月23日(土祝)~10月1日(日)
会場:新歌舞伎座

この記事を書いた人

翡翠
翡翠執筆・写真
音楽や映画、舞台などを中心にインタビュー取材や、レポート執筆をしています。強み:相手の良いところをみつけることができる。弱み:ネガティブなところ。

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