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SNS時代の「スマホでプロ級」写真教室そうめんが美味しそうに撮れません② 薬味やつゆ。ものが多すぎる

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薬味やつゆ、たれなど付け合わせのお皿が多くなる料理写真はごちゃごちゃしがち。どうしたらスッキリする?写真下手なライターkikkoが料理カメラマンnocco先生に教えてもらいます。

前回茹で方を工夫して、そうめんを綺麗に盛り付けられるようになりました。でも、この写真だと「ただ撮っただけ」って感じになっちゃうんですよね。

確かにそうめんは、麺、つゆ、薬味など色々なものがあるのでごちゃごちゃしがちですね。こういう時は、何を主役にして撮るか、ということをしっかり考えて撮るといいですよ。

主役ですか。今回で言うとそうめんが主役かなぁ。

Before 〈「ただ撮っただけ」とう感じの写真〉

そうめん、薬味、つゆがただ並んだだけの写真(before)

なんとなく撮ると、ただ集めて撮っただけの写真になってしまいます。

プロの常識 〈スタイリングは主役から組み立てる〉

スタイリングをする時に大事なことが1つあります。

それは、「1枚の写真の中で主役は1つに絞る」ということです。

今回のように、そうめんの写真を撮ろうと思うと、大皿に盛られた麺、つゆ、薬味、箸など、写したいものがいくつもあります。ついどれもこれもしっかり写そうと思いがちですが、そうすると冒頭の写真のように「ただ撮っただけ」の写真になってしまいます。そうならないためにも、麺を見せたいのか、自分で工夫したつゆを見せたいのか、薬味を見せたいのか、など「どれを主役にするのか」を決めましょう。

プロのテク 〈主役はひとつに絞ってスタイリングする〉

さて、ここでスタイリングする前に、もう1つ大事なことをお伝えします。

今回のそうめんのように、料理というのは作った直後から、どんどん劣化していきます。麺は伸び、乾燥し、せっかくふわっと山形に盛ったお肉も時間と共に崩れていきます。そうならないためにも、料理はできるだけ早く撮るようにしましょう。

そのためには、調理前にスタイリングを完成しておくことが大切です。

今回も、事前の準備を想定して、お皿でスタイリングを考えていきます。

また、ちょっとしたコツとして、三脚がある方はスマホを三脚につけて撮ることをオススメします。実際にスマホのカメラに写っている状態を見ながらスタイリングすると、時間をかけずにゴールにたどり着けるのでオススメです。

では、やっていきましょう。

まず、主役を決めたら、そのお皿を一番目立つ場所に置きます。

今回は、このお皿以外にも、つゆの器や薬味の小皿なども配置するので、主役の大皿はやや右に寄せて置いてみます。

そうめんのスタイリングのために、主役の大皿をやや右に寄せて置いてみた写真

次に脇役であるつゆの器を置きます。

つゆは光を透けさせることで爽やかさを演出したいので、光が入ってくる左脇に置いてみます。

そうめんのスタイリングのために、脇役であるタレを入れる器を光が差し込む左後ろに置いた写真

次に薬味を置いていきます。

ここまで丸い器が続いたため、薬味は長方形のプレートを使います。

つゆの器を左に置いたので、バランスを取ってプレートは右奥に置きます。

そうめんのスタイリングのために、薬味のためのプレートを右奥に置いた写真

実際に食べるシーンを想定しているので、今回はお箸も置くことにします。

夏を意識したガラスの箸置きを大皿の手前に置き、箸をのせます。

そうめんのスタイリングのために、お皿の手前に箸置きと箸を置いた写真

最後に薬味を盛る小皿を、右奥のプレートの上に置いたら完成です。

そうめんのスタイリングの完成写真

この状態で1枚テストとして写真を撮り、バランスをチェックします。

今回は麺を盛る大皿が画面の中で大きな面積を占めているので、これが主役だと分かりやすいと思います。また、つゆの器や薬味の器は一部が画面の外にはみ出していることで、脇役感も出てきます。

After 〈主役と脇役が分かるスタイリングの完成〉

実際に上のスタイリングに茹で上がったそうめんやつゆ、薬味を盛ってみるとこうなります。

大皿に盛ったそうめんが主役と分かる写真(after)

確かに。これだったらいろいろなものが置いてあっても主役は麺だって分かりますね!最初に主役の場所を決めるのが大事なんですね。

はい。画面の中での主役をどこに置くか、から決めるとスタイリングがしやすいです。

そして、調理の前にここまでスタイリングが出来上がっていれば、そうめんを茹でてすぐに撮れそうです!

はい。写真を撮るために、ご家族やご友人をいつも待たせてしまう・・・という方は、撮影準備をしてから調理をする、という手順を一度やってみてください。

おさらい

◎料理写真は準備をしてから調理をはじめる

◎1枚の写真の中で主役は1つだけに絞る

◎まずは主役を画面のどこに入れるかを考える

この記事を書いた人

田部信子
田部信子料理カメラマン
カメラマン。料理・人物を中心に撮影を行う。ダメアシスタント時代に撮影現場で何をしたら良いのか分からな過ぎて怒られ続けたことから、撮影の流れやコツを必死に言語化することに取り組む。それを元に作った講座が分かりやすいと人気になり、前職では写真教室を立ち上げ3000人に撮り方を教える。写真を撮るのに苦手意識を持つ人に、写真の楽しさを教えることに定評がある。

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