「本心を明かせない繊細さをスクリーンの中で見事に表現できた」という赤澤遼太郎。実は、気にしすぎな性格が、演じた役柄とそっくりだった?
2.5次元舞台を中心に活躍中の俳優・赤澤遼太郎さんが、6月2日から公開される映画『アキはハルとごはんを食べたい』に出演。将来への不安や素直になれない繊細な一面を持つ役どころを演じ切り、自身の成長を振り返りながら語ってくれました。
プロフィール
俳優・歌手・声優赤澤遼太郎
美味しいご飯とBLを掛け合わせた漫画『アキはハルとごはんを食べたい』を原作にした同名の映画が6月2日に公開されます。主演を務める赤澤遼太郎さんは、プライベートではほとんど料理をしないと言います。役作りを兼ねて挑戦した料理のこと、映画にかける思いを聞きました。
――映画「アキはハルとごはんを食べたい」では、高校の同級生だったハル(高橋健介)とルームシェアをするアキを演じています。
赤澤:原作を読んだとき、僕自身とアキは空気感が似ているなと感じました。アキは何気ないひとことにも敏感で、一喜一憂してしまう。僕自身も川野(浩司)監督から現場で言われたひとことを考え込んでしまうことがあって、健介さんに「気にし過ぎだよ。アキとそっくりじゃん」と言われました。
――料理が得意なアキは、ハルのためにアレンジレシピを次々と披露しています。「トマト塩ラーメン、唐揚げ、ホットサンドなど観ているだけでお腹が空きました。
赤澤:僕も台本を読みながら「おいしそうだなぁ」とワクワクしました。プライベートでは料理をすることはほとんどなくて、出前で済ませてしまうことが多かったのですが、役作りも兼ねて料理にチャレンジしました。
――どのレシピを作られたのですか。
赤澤:全部作って、家族に振る舞いました。誰かのためにご飯を作ったのは初めての体験だったので、最初の一口はどんな顔をするのかなど、アキの気持ちになって見つめていました。二口目を口に運ぶ前に塩を持ったら、「味が薄かったのかな」と気になったりもして。「おいしい」って言ってもらえたときは本当にうれしくて。作ってよかったなって思いました。
――お気に入りの一品はありましたか。
赤澤:餃子チーズダッカルビです。ジュワっとした肉汁と、トロトロのチーズが絶妙でした。カロリーに注意ですが…。劇中で餃子を包むシーンもあったので、母にヒダの作り方を教わりました。最初は中に入れるあん(肉だね)の量が分からなくて、皮からはみ出たりしました。母と料理をするのは初めてだったのですが、母は息子と一緒にキッチンに立っているのがうれしそうでした。
――W主演した高橋さんとは、過去にも共演されたことがありました。気心が知れている分、アドリブも多かったそうですが、お気に入りのシーンはありますか。
赤澤:アキがこっそりパフェを食べているシーンです。ハルが「ペンギン課長」と言った部分はアドリブなので、このやり取りを楽しんでほしいですね。あとは友達役の方が舞台俳優の推し活について話しているシーンでのアドリブセリフも楽しみにしてほしいです。
――ゼロ距離ならではのやり取りですね。
赤澤:そうですね。現場ではずっと一緒にいたのですが、それも心地よかった。ハルという存在がなければ、健介さんじゃなければ、アキにはなれなかったなって思います。
――劇中では「20歳になったお祝いに」と大家さんが、自家製の梅酒でお祝いをしてくれる場面がありました。赤澤さん自身は、20歳のときを振り返るとどんな思い出がありますか。
赤澤:やっぱりお酒ですね。カシスオレンジから入って、いつの間にかハイボールが好きになっていました。日常で飲むことは少ないのですが、祖母と飲む時間は楽しいですね。
――アキという役を経て、成長できたなと思うことはありましたか。
赤澤:映像作品は画角のことを考えて動くことが求められるので、舞台とはまた違う学びがありました。映画は撮影の順番が完成した作品とは異なることも多いので、気持ちの作り方も難しくて、健介さんなど周囲の人に教わることも多かったです。好きな人に素直になれず壁を作ってしまう感じなど本心を明かせない繊細さを劇中で表現できたと思います。これは今までの僕の中にはない思考だったので、勉強になりました。
――作品を楽しみにしているファンの方に、メッセージをお願いします。
赤澤:僕が演じているアキは、いろんな悩みも抱えているのですが、ハルという大切なパートナーに支えられて、夢に向かって進んでいく姿が描かれています。大事な誰かとご飯を食べられることの幸せも感じられる作品。ハッピーな気持ちになってほしいです。
取材・執筆・撮影/翡翠
編集/MARU
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この記事を書いた人
- 音楽や映画、舞台などを中心にインタビュー取材や、レポート執筆をしています。強み:相手の良いところをみつけることができる。弱み:ネガティブなところ。