あの人に聞きたいI am 的「好きなことを仕事にし続けるために必要な5つのこと」「屈辱は大切に大切に心の奥にしまっておく」という北村有起哉の大人の夢の追いかけ方
12月16日から公開される映画「終末の探偵」で型破りな私立探偵・連城新次郎を演じている俳優の北村有起哉さんに聞いた、好きを仕事にし続けるために必要な5つのこと。
プロフィール
俳優北村有起哉
12月16日から公開される映画「終末の探偵」で型破りな私立探偵・連城新次郎を演じている俳優の北村有起哉さん。闇の賭博場でのトラブル、失踪したクルド人女性の捜索。2つの事件を追う中で、裏社会の巨大組織の抗争に巻き込まれていく役柄。満身創痍で挑んだアクションなど、映画の見どころのほか、「好きを仕事にし続ける5つの理由」について聞きました。
目次
北村有起哉さんに聞いた「大人になっても邁進し続けるために必要な5つのこと」
常にアンテナを張っておく
過去に出演したドラマ「半径5メートル」では、トランスジェンダーの役をいただくなど、これまで作品の中で色々な役に挑戦してきました。今回の映画は探偵役ですが、既存のイメージがあるものでも、監督と相談をして作品に合わせてどのように演じることが良いのかを常に考えています。経験を重ね、古いやり方も持っているし、令和の時代に合わせて食らいついていくこともできる。社会がどんな流れなのかを読めるよう、アンテナを張っておくことが大切だと思っています。
手の届きそうな目標を設定するほうがいい
夢というものをイメージしたことはあまりありません。夢ではなく、目標を決めること。背伸びせずに、いまの自分には何ができるのか。手の届きそうな目標をコツコツ更新していく感じです。
「いまに見てろよ!」という気持ちが原動力
屈辱などを味わった悔しさ・つらさ・怒り、そういった感情は大切に大切に心の奥にしまっておきます。要するに、「いまにみてろよ」ということですが。
自分ならではの「クセ」は武器
出演してきた作品で、刑事や被疑者を演じたことがありました。同じ取り調べのシーンでも役どころが違うと、目線が変わってめちゃめちゃ面白いんです。相手の芝居が変わると、気付きもたくさんありますし。次の作品のヒントにもなっています。これは両極にいるどちらも演じさせてもらえている自分ならではの醍醐味かなと。いずれにしても「クセがあるね」と言われることがうれしいです。
家族の存在があるから続けられる
舞台や撮影など、忙しい時期を無事に終えた後、またこれからしばらく地方で仕事が続くときときには、家族で外食をします。かけがえのないヒトトキです。
<インタビュー>12月16日に公開の映画「終末の探偵」で主演 裏社会を生き抜く私立探偵役
「若者が夢や希望を持ちにくい世の中は、先に生きている僕らにも責任がある」
――最新作では型破りな私立探偵・連城新次郎を演じています。
北村:探偵役は初めてだったので、うれしかったです。探偵ものって昭和、平成、令和と時代が変わっても、また世界でもずっとあるもの。その時代を映す鏡のような存在なのだろうなと思います。
――演じるにあたって気を付けられたことは。
北村:令和の時代の探偵ってどんなものかなと考えました。探偵って風来坊的なイメージがあるけれど、新次郎は新聞を読んでいたり社会と繋がっていたりする人。彼が憂鬱な気持ちを抱えているのは、社会と繋がっているからで、それは観る人と繋がるものがあるということ。ハードボイルドな感じは、結果そうなればいいと思っていました。
――映画の中では走ったり、格闘したりするシーンがありました。
北村:新次郎は鮮やかにカウンターパンチを決めるような男ではないけれど、諦めないやつ。走るシーンも太ももを高く上げて軽やかに走るのではなくて、満身創痍な感じが伝わればと思いました。
――武イリヤさんとは、カラオケでデュエットされていました。
北村:「いつでも夢を」を歌ったところですよね。コントにならないように、音を外してみたり……。戸惑いながら歌っている新次郎の狼狽ぶりが伝わればうれしいです。個人的には、コロナ禍前の打ち上げの三次会と言えばカラオケでした。学生時代にバンドブームがあったこともあり、音楽はずっと大好き。サザンオールスターズ、BOØWY、C-C-Bなどいろいろ聴いていました。
――北村さんが青木柚さん演じる青年に向けた「人の役に立つとか、立たないとか、簡単に線引きしちゃいけないんだよ」というセリフが印象的でした。
北村:柚くんが演じる青年は歪んだ考えを持っています。でも若者が夢や希望を持ちにくい世の中って、先に生きている僕らにも責任があるんじゃないかな。その時代に生まれ育っていなかったら、そんな被害者意識は持たなかったかもしれない。理想かもしれないけれど、勝ち組、負け組など隔てることなく、互いに手を取り合うことができる世の中になればと思います。
――プライベートでは、二人の男の子のお父さんです。マメに更新されている公式ブログでは仕事のことはもちろん、日常の様子も投稿されていますね。
北村:ブログは2006年に始めました。自分で宣伝活動をしなくちゃと思ったのが始まりでしたが、だんだん日記のようになってきて。2007年に親父が亡くなったこと、スキャンダルを起こしてしまった後の謝罪など、全部ブログで発信してきました。子どもたちと出かけた様子などは、面倒を見ていた証拠だぞと思いながら書いています。将来見返してくれる日が来るかもしれないですし。子どもたちへのラブレターですね。
――10月からはインスタグラムでも発信を始められました。
北村:スタッフがアカウントを作成してくれました。今日取材に来るまでの道路が渋滞していて、車の中からガードレールにめり込んだ木を目にして写真を撮ったんです。インスタには身の回りで起きたことを投稿して行こうと思っています。
――年男でもあった2022年はどのような1年でしたか。また迎える2023年はどのような年にされたいですか。
北村:おかげさまで充実したあっという間の一年でした。来年も欲張ってドンドン行きたいですけど、家族との時間ももっとほしいですね。
取材・文/翡翠
編集/MARU
公開情報
映画「終末の探偵」
監督:井川広太郎
脚本:中野太 木田紀生
出演:北村有起哉、武イリヤ、青木柚ら
配給:マグネタイズ
公式サイト:終末の探偵
公式Twitter:映画『終末の探偵』公式
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この記事を書いた人
- 音楽や映画、舞台などを中心にインタビュー取材や、レポート執筆をしています。強み:相手の良いところをみつけることができる。弱み:ネガティブなところ。