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得意を活かしやすい仕事「講師業」好きや得意を活かせる「教える仕事」とは? 働くほど自分を高められる講師業10選とはじめ方

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スクールや自宅、オンラインでも可能な講師業は好きや得意を活かせる「教える仕事」です。おすすめの仕事10選をご紹介します。

仕事や趣味で身についた知識とスキルをいかして、好きな仕事をしてみたい人におススメする「教える仕事」入門です。

また、本業は伝統芸能の道具に関する執筆、調査、研究、「教える仕事」も10年以上の「伝統芸能の道具ラボ」主宰田村民子さんにも「教える仕事」についてお話をうかがいました。

好きを「教える仕事」にする意義とメリット

写真/Canva

教える人は、教えてほしい人に寄り添いながらも、一歩先行く存在です。頼りにされることや、感謝される機会が多くやりがいがあります。

人の成長に貢献することで、その人の人生を豊かにし、大きな影響を与えることのある意義深い仕事です。

では、好きなことや得意なことを誰かに教える意義とは何でしょうか。

好きや得意を「教える仕事」にする意義

どの「教える仕事」にも通じることとして、誰かの役に立つことで感謝をされたり、人の成長をサポートすることに喜びを感じたりすることができます。

さらに教えることは「人は教えることによって、もっともよく学ぶ」(ローマ帝国の哲学者 セネカ)という格言の通り、教えるためにより深く学んだり、刺激や気づきを得ることで、さらに造詣を深めることができます。

教える分野が好きなことや得意なことならば、こうして知見を深めることは、教える人だけでなく、教わる人の間で時間と経験の好循環をもたらすことでしょう。

次に、得られるメリットにも注目してみましょう。

メリット①働きがいをより感じる

身につけたスキルが誰かの役に立つ、好きな分野の深い知識や経験を得られるといった、報酬以外の働く喜びを見つけられる。

メリット②課題や困難を乗り越えられる

好きなことに対する情熱や探究心があれば、壁にぶつかっても根気よく向き合い、課題解決を目指せる。得意であれば、解決することがさらなる向上につながる。

メリット③教えるほど知見が深まる

インプットだけよりも、アウトプットすること、多様な人とつながることで意見交換や気づきが得られ、情報収集力もUPする。

好きを「教える仕事」ってどんな職業?

持っているスキルでどんな「教える仕事」ができるのかを考えてみます。誰かの困りごとを解決したうえ、痒いところに手が届く。そんな期待に応える「教える仕事」の事例もご紹介します。

写真/Canva

料理教室

料理の講師は、大手の料理教室で教えたり、自宅や貸スペースで個人で教室を開催したりするケースが多く、バラエティに富んだジャンルの中から、得意分野の料理について、下拵えから調理完成までを指導します。

料理を作る喜びをシェアしたい人におすすめします。美味しく魅力的なレシピを提案できる、手に入りやすい素材で、誰もが再現できるレシピを作ることが得意、時短や美味しくなる工夫やアイデアを考えることが好きな人に向いています。

料理の資格には、調理師や栄養士の国家資格のほか、フードコーディネーター、野菜ソムリエ、ハーブコーディネーターなどがあります。自分が好きで取得した資格や知識がいかせます。

未経験でオンライン料理教室をスタートした糸原絵里香さんの事例をご紹介します。糸原さんの時短料理講座はたちまち人気となり、たった3か月でストアカ人気講師ナンバー1に。糸原さんに集客の秘訣を教えてもらいました。

写真教室

写真教室では、カメラの使い方から写真を撮るための知識とテクニックを教えます。SNS映えを狙った写真や商品撮影など、撮影からレタッチまでスマホで行う講座もニーズがあります。

プロのカメラマンとしてのスキルと経験があり、写真表現が好きな人に向いています。初心者にとって難易度の高い、撮影技術や構図について、わかりやすく説明できるといいでしょう。光を意識した撮影や、いい表情をとらえるコツなど、上達のための効果的なアドバイスができれば生徒にも喜ばれる講師になるでしょう。

クックパッド専属カメラマンの田部信子さんをご紹介します。修行時代に苦労した経験から作った講座が分かりやすいと人気になり、前職では写真教室を立ち上げ3000人に撮り方を教えた経験を持ちます。Iamでは田部さんにスマホでプロ級の写真を撮るコツを教わりました。写真教室の講師に興味がある人はぜひご覧ください。

ヨガ・ピラティス教室

正しい姿勢や呼吸法にはじまるヨガやピラティスのメソッドを教えるのがヨガ・ピラティス専門のインストラクターです。スタジオ、スポーツジム、地域の公共施設、自宅のスペースなどで教えることができます。

自分自身の体を通して、ヨガやピラティスの効果や魅力を実感した経験があれば、他の人にも素晴らしさを伝えたいと思うこともあるでしょう。

指導するにあたって資格は必須ではありませんが、ヨガやピラティスの教会や民間団体が認定する資格を取得してインストラクターになるのが一般的です。

体型維持や美容を目的とした人、姿勢や不調の改善など健康を目的とした人、経験や年齢もさまざまな人と関わることや、ひとりひとりに合った指導をするため、人に寄り添いコミュニケーションをすることが得意な人に向いています。

転勤妻としてシンガポールでピラティス教室をスタートした山本ひとみさんをご紹介します。たったひとりの生徒から始まったピラティス教室で、人生を変える出会いを得た山本さん。こうじゃないといけない。そんな思い込みを手放して自分らしく生きる方法を聞きました。

イラスト教室

イラストを描くのが得意であれば、イラスト教室の講師をはじめることもできます。

画材を使用して描くものから、タブレットやパソコンを使ったデジタルイラストまで、イラストの描き方やコツを教えます。

絵画やイラスト教室やスクールの講師としてや、個人で教室を開催して教えることができます。

美術系の学校でイラストを学んでいた経験や、イラストレーターとしての経験があるなど、スキルを証明するイラストの制作実績があるとが集客に有利です。

生徒ひとりひとりの絵のいいところや改善点を見つけて、的確にアドバイスできることが信頼につながります。生徒を伸ばすことにやりがいを感じたり、絵を描く楽しさを人と共有するのが好きであれば指導にもいかせるでしょう。

音楽教室

音大出身者やプロとしての経験があれば、高い専門性をいかして、好きな音楽で仕事ができます。

子どもの習い事として根強い人気があるピアノや、ギターやバイオリンなどの楽器の演奏技術の指導や、ボーカルや声楽など、うたのテクニックを教えます。

習得に時間がかかる楽器演奏は、数年間関わることも珍しくないため、音楽を通して人が成長する喜びや、人の人生や進路に影響を与えるなど、やりがいを感じることができるでしょう。

語学教室

得意な語学があれば、語学教室の講師として教えることができます。

子どもから大人まで、外国語を学びたい人に、その人のレベルに合わせた指導をします。語学教室や塾で教えたり、自分で教室を開くこともできます。

資格は必須ではありませんが、資格や留学や海外勤務の経歴など、語学力の証明になるものがあれば集客時のアピールにいかせます。

旅先でのコミュニケーションなど日常会話からビジネス、資格や受験対策など目的によってレッスン内容も違い、常にブラッシュアップする必要があるため、語学学習が好きで無理なく続けられることは大きなメリットでしょう。

文化・芸術教室

文化教室では、日本文化である書道、茶道、華道、日本舞踊などの各分野の精神や作法を伝えながら、ひとりひとりの習熟度に合わせて指導します。

各流派で稽古を積んだ後に資格を得て教えることが一般的です。

美術系大学で学んだ経験があれば、デッサンやスケッチの知識と技術をいかして、芸術教室で絵画や造形を教えることができます。

いずれの場合も、教室やカルチャースクールで教えたり、自宅で教室を開いたりするケースがあります。

文章教室

文章が得意な人は、主に文章を書くことが苦手な人に書き方を教えることができます。SNSやブログで素通りされない文章。ビジネスで素早く伝わる文章、レポートライティングなど、意図したとおりに伝わる文章の書き方を教えます。

ライター、コピーライター、教師などの経験があったり、書くこと、読むこと、人の心を文章で動かしたいという人に向いています。

文章を書くことに苦手意識がある人の、伝えたい気持ちをサポートして、コミュニケーションに欠かせない書く技術を教えることは、やりがいを感じられるでしょう。

Webニュース編集長として何万本もの記事を手がけ、マスコミ歴30年の経験をいかし、講師、コンサルタントとして独立した井上千椿さん。ライティング塾「文章ワークスアカデミー」を主宰し、迷わず書ける文章術「伝わる×マジカルつるまるメソッド」を伝授。

井上さんが独立に至った経緯、お金の話、失敗談などリアルな話をねほりはほり聞きました。

パソコン教室

普段からパソコンを使った作業が好きで、効率的な操作や最新情報をアップデートするのが好きな人は、パソコン教室でOSやソフトの基本的な操作や、インターネットに関する知識をいかすことができます。

エンジニアやプログラマーの経験がある人も同様です。

高齢者やパソコンに不慣れな人を対象に、パソコンの基本的なしくみや操作、インターネットやメールの利用方法、ワードやエクセルなどオフィスソフトでの文書作成、セキュリティの基本的な知識などを教えます。

プレゼンテーション・話し方教室

営業、商談、接客のスキルをいかせる仕事に、プレゼンテーションや話し方の講師があります。人前で話すことが苦手な人、もっと効果的に話したいという人に、伝えたいことを簡潔に伝える方法や話し方を教えます。

プレゼンを面白くする研究所 掴(つかみ)代表、森田翔さんは、元々は製薬会社大手の営業職。結果を出そうして空回りする日々を救ったのは、笑いのエンターテイメントでした。

プレゼン+エンタメを掛け合わせたスキルを教える講師として独立。初年度で800人以上の方が受講し、ストアカ「プレゼン・資料作成」講座のランキングで1位を獲得しました。

講師として起業するまでの経緯、停滞期を乗り越えるためにしたこと、起業から一年たった今の思いを取材しました。

〈経験者に聞く〉講師業のリアルとは?

好きなことや得意なことを追求したら「教える仕事」に広がった!

能や歌舞伎など、伝統芸能の道具を研究、東京新聞で連載コラムを持つなどライターとしても活躍され、10年以上にわたり教える仕事を続ける田村民子さんに、きっかけや集客、やりがいについてお話を伺いました。

伝統芸能の道具ラボ」主宰。田村民子(たむらたみこ)さん

伝統芸能の道具ラボ」主宰。田村民子(たむらたみこ)

伝統芸能の道具に関連した執筆、調査、復元、研究を行う。歌舞伎の公演情報サイト「歌舞伎美人」のライターとして取材をするなかで、歌舞伎を支えるさまざまな道具が作れなくなっていることを発見。2009年より能楽、歌舞伎などの「伝統芸能の道具」に携わる裏方や職人を支援する活動「伝統芸能の道具ラボ」をはじめる。講座や講演で、伝統芸能の道具について教える活動も行っている。東京新聞「お道具箱 万華鏡」を連載中。

「教える仕事」をはじめたきっかけ

ライターとして伝統芸能の世界を取材していた田村さんは、日本人の美意識や感性がつまった伝統芸能の奥深さの一つ、道具が作れなくなっている現状を知ります。

田村さん曰く「おせっかい」ではじめた道具の復元など支援活動を進めるなかで、10年以上にわたり教える仕事をすることになりました。

「最初は教えることは念頭になかった」という田村さん。きっかけは研究や活動を載せるために制作したホームページやSNSの発信でした。

ホームページ「伝統芸能の道具ラボ」では、普段なかなか足を踏み入れることのない伝統芸能の裏方や職人の世界、道具の魅力に触れることができ、田村さん流「おせっかい」の活動報告では、道具の調査や復元などに奔走する様子や、活動を通して田村さんの人となりも伺い知れます。

こうした活動を積極的に発信することで、次第にホームページから講座や講演などの講師をしてくれないかと依頼の申し込みがくるようになったのだそう。

市民講座、研究所、大学などでさまざまな依頼者からオファーを受け講師として活動しています。

田村さんの活動はほかに前例がないこと。「自分が好きなことと、誰もやってないことがうまく重なったパターンなんでしょう」と振り返ります。

「誰もやってないところを徹底的に掘り下げ発信していくと、その分野の第一人者になる。そうすると他に教える人がいないため、教えることにつながる道もあるのかなと思います」

職人による実演が行われた田村さんの講座の様子

「教える仕事」の集客方法や開催場所の探し方

ホームページで活動を可視化し、さらにSNSを広報、集客として活用しています。

Twitterで発信する内容は「伝統芸能の道具のことがわかる。興味が持てるような内容を教えるつもりで発信しています」

教えることのできる人として、SNSであっても信頼感を高める発信を意識し積み重ねることで、効果的で効率的な集客につなげていました。

開催場所は、依頼を受けるときは主催側で用意した場所で行なうことがほとんどですが、田村さん自身が企画した文章教室は、自宅のスペースを利用して開くことも。

「教える仕事」の魅力と苦労

ライターでもある田村さんにとって「教える仕事」の魅力とは「目の前の人にダイレクトに伝えて共有できること」だといいます。

教えるときに心がけていることは「なるべく双方向のコミュニケーションをとること」

話したいことを一方的に話すのではなく「どうすれば、聞く人に今日聞いて良かったと感じてもらえるかを大事にしたい」と田村さんは考えています。

リアルだからこそ、聞いている人の様子が伝わります。予想外の反応も結構あるのだといいますが、「教えることで、みんなが意外なところに興味があると発見できる。それは自分にとっても学びの場になるし、好きなことを教えているから、あ!今みんなも面白いと感じているんだと共有できる喜びもある」書く仕事にはない「独特の満足感がある」と教えることのやりがいを話してくれました。

最初からこうしたスタイルだったわけではありません。「最初のころはたくさん教えようと思って、資料の内容、時間の配分も詰め込み過ぎていました」

「そうすると早口になったり、もっと聞きたいのに先に進めてしまったり。最初のころ10個教えていたとしたら今は6個くらい。自分のスタイルが見つけるまでは試行錯誤していました」

教えることをはじめることになってから、興味のないジャンルも含め、さまざまな講座に参加し、「どんな風にすれば飽きずに聞いてもらえるか」「このくらいの価格でこの内容だった受講して良かったと思うか」などリサーチを重ねたことが役立ったといいます。

〈まとめ〉好きや得意を活かせる「教える仕事」とは? おすすめの職業とはじめ方

仕事や趣味で身につけた知識やスキル、経験をいかせる「教える仕事」は、教える仕事のやりがい+好きなことや得意なことを追究できることが大きなメリットです。

「何を教えたらいいかわからない」という人は、好きなことや得意なことで、当たり前と思って行っていることを棚卸ししてみるのもいいかもしれません。

文/溝部依里子

この記事を書いた人

I am 編集部
I am 編集部
「好きや得意」を仕事に――新しい働き方、自分らしい働き方を目指すバブル(の香りを少し知ってる)、ミレニアム、Z世代の女性3人の編集部です。これからは仕事の対価として給与をもらうだけでなく「自分の価値をお金に変える」という、「こんなことがあったらいいな!」を実現するためのナレッジを発信していきます。

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