やりたいことがなくてもなんとかなる!筋肉をビジネスにした筋肉紳士集団ALLOUT代表・AKIHITOインタビュー 第1話
「日本の筋肉人口が増えればGDPが上がる」が信条。ノープランで起業し、数々の失敗を重ねながらも、筋肉美を活かした日本初の筋肉ビジネスが大ウケ! 筋肉触り放題イベント、マッチョフリー素材、企業コラボなど、筋肉ニーズを掘り起こしました。
プロフィール
筋肉紳士集団ALLOUT代表 / 株式会社スマイルアカデミーCOOAKIHITO
「会社を辞めたいけど、辞めるのは怖い」方に朗報。
会社組織が苦手で「辞めたい一心」で起業したら、1年半は地獄だったけど、「もっと早く辞めればよかった」と今は自分らしさを全開で仕事をしている筋肉紳士集団AKIHITOさん。テレビ出演をはじめ、「マッチョフリー素材」がTwitterで話題ですが、実はいきなり会社を辞め、何をするかも決めずに会社を設立したノープラン起業家です。
株式会社スマイルアカデミー(以下スマイルアカデミー)のCOOであり、「筋肉紳士集団ALLOUT」の一員でもあるマッチョ起業家に「やりたいことがなくてもなんとかなる」秘訣を伺いました。
全2話、後編はこちらからどうぞ。
目次
筋肉美を活かした日本初の筋肉ビジネスを構築
僕は株式会社スマイルアカデミー(以下スマイルアカデミー)の代表であり、「筋肉紳士集団ALLOUT」というマッチョなメンズのチームを運営、かつそのメンバーでもあるマッチョ起業家です。筋肉紳士集団ALLOUTは筋肉美を備えたイケメン集団で、筋肉を使ったパフォーマンスを行ないながら、筋肉の魅力やトレーニング、フィットネスの必要性を発信しています。メインメンバーは40人ほどですが、その他にボディーハッカー(体を改善するという意味)のメンバーが全国各地に500人登録している、全国規模のマッチョチームです。
アイドルが集団でパフォーマンスすると、よりかわいさが増すように、筋肉の魅せ方を心得ているイケメンマッチョが10人集まるとなかなかの圧迫感で、その場のテンションが一気に高まります。それを武器に、福岡や東名阪を中心として各地にチームをつくり、鍛え抜かれた筋肉に触れ放題という「マッスルカフェ」というイベントをはじめ、バラエティー番組やCMなど、マッチョを専門とした企業プロモートをメインに行なっています。
また、筋肉をより身近に感じてもらうために、メンバーが様々なシチュエーションでポージングした写真を無料でダウンロードできる、マッチョフリー素材のサイト「マッスルプラス」を展開するなど、マッチョなメンバーの活動機会を創り出すため、日々試行錯誤をしています。
事業内容を決めずに独立し、会社を設立
今でこそ「筋肉」というテーマが決まり、精力的に活動していますが、会社を設立した5年前には筋肉をビジネスとすることはもとより、「これがやりたい」という確固たるものもありませんでした。
起業のきっかけは、仕事に対してのモチベーションと営業成績の低下でした。前職は人材系の営業でしたが、事業内容を覚えていくにつれて仕事に対しての興味が薄れ、それに伴い営業成績も落ちる一方。「辞めたい」というネガティブな気持ちと、「自分がやるべきことはここにはないんじゃないか」という疑問が芽生え、まず「会社を辞める」と決め、何かやりたいことができた時に、自由に動けるように会社を作ろうと思い、独立をした後すぐに、一緒に退職した同期と二人で会社を設立しました。
事業内容も決めずに会社を辞め、失業保険ももらわずに、とりあえず会社だけ作った。
字面で見たら自分でも「まぁまぁアホやな」と思いますが、“考えついたら、即行動”というこのスピード感が、前職では味わえなかった、僕たちの求めているところだったのでしょう。
もちろん、これからに対しての不安はありました。頭の中は常に不安半分、あとの半分は「やるしかない」「何でもやるぞ」という気持ちでした。でもこの“不安”は前に進むしかない僕たちにとって悪いものではなく、常に何かを生み出してやろう“活力”に転換され、様々なことに挑戦する“動力”になりました。
だから、やりたいことに向き合うのは、早ければ早いほどいいと感じています。もちろん人や場合によりますが、やはり若い方が圧倒的にタフでフットワークが軽く、スピーディーに動けますから。僕自身も、会社員という立場が自分に合っていないと感じていたので、もっと早く辞めてもよかったと思っています。
継続は大事だけど、違うと思ったら早くピボットする
会社の理念は、“スマイル メイク スマイル”。「ただお金を稼ぐだけの事業は気持ちが入らないし、やりたくない」「社会や世の中のためになって、関わる人みんなが笑顔になれるような会社を作りたい」という気持ちから、『スマイルアカデミー』としました。
その『スマイルアカデミー』で最初に行なった事業が、子どもの学童保育。ニュースや世間を見ていても、シングルマザーが子育てしながら仕事をすることが大変だと感じていたので、学童保育の中で僕たちができることはないかとやり始めましたが、ビジネス的にはまったくうまくいかず、すぐにリリース。
また、企業向けの福利厚生サービスのウェブサイトを立ち上げ、契約した社員が使えるようなサービスを作ったりもしてみましたが、こちらも結果が出ず。
ある程度ビジネスモデルとサービス単位を考えつつ、同時に顧客開拓。さらに動きながら、サービス事業の内容をどんどん改善する。それでもダメだと思ったら、すぐにリリースして新しい事業を展開、という形で、とにかく営業をかけ、人脈を広げていきました。
その当時、社員は一緒に会社を立ち上げた元同期とエンジニアの3人だけ。とにかく自分たちが動けば物事が進むので、約1年半はがむしゃらに動きました。もちろんその間は収益がなかったので、会社員時代に貯めてきた蓄えを切り崩しながらの生活。筋トレする者としてあるまじき、「食を削る」ことをしてしまったので、この時期、筋肉がずいぶん減ってしまいました。
「全人類筋トレすべし」精神がビジネスにつながったワケ
そんな厳しい状態でしたが、ジム通いは欠かしませんでした。やはり体が元気だとポジティブになり、心身ともにいい状態をキープすることができます。僕の場合は、ハードな筋トレで自分を追い込むため、そのキツさで悩みが吹き飛び、さらにぐっすり眠れるので、翌日は頭スッキリ。仕事に行き詰まっているときほどトレーニングで頭をクリアな状態にすることが、問題解決につながる最も有効な手段だと実感しているので、「全人類筋トレすべし」が僕の座右の銘です。
僕はもともと体が弱く、小学校低学年までは小児喘息を患っていてほぼ毎週病院に駆け込んでいました。体が細いのがコンプレックスだったので、体を鍛えるために陸上競技をはじめ、高校からは体力アップも兼ねて筋トレも取り入れました。筋力がつくと同時にポジティブになり、社交性もついていったのは、小さい頃から持っていたコンプレックスから解き放たれたからでしょう。だから、筋トレやフィットネスの魅力、重要性を強く感じていて、それを多くの人に伝えたいという気持ちがどこかにあったのだと思います。
その思いがビジネスにつながったのは、ジムで出会ったあるトレーナーさんから誘われた、ボディビルコンテストがきっかけでした。当時は趣味で筋トレをするレベルだったので、そういう大会があること自体知りませんでした。だから減量や体作りにしっかりと取り組んだのは、この時が初めてでした。そして大会当日、20代、30代で体を作り込んだ“シュッとした”男性たちの姿を見て、「こんなにカッコいい人がたくさんいる」ということに衝撃を受けました。
そして、短期間とはいえ自分も本格的に体作りを体験したからこそ、せっかく時間やお金をかけてしっかりと体を作り上げているのに、その肉体美が生かせる場所がないことがとてももったいないと感じ、何かできないものかと考え、今の筋肉事業に思い至ったのです。
では、筋肉事業とは・・・?
取材/I am編集部
写真/AKIHITO
文/岡田マキ
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この記事を書いた人
- ノリで音大を受験、進学して以来、「迷ったら面白い方へ」をモットーに、専門性を持たない行き当たりばったりのライターとして活動。強み:人の行動や言動の分析と対応。とくに世間から奇人と呼ばれる人が好物。弱み:気が乗らないと動けない、動かない。