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旅先でのデジタルデトックスの新提案。スマホ、写メ、SNSのサイクルを断ち切る手紙アルバムとは?

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せっかくの旅行。せわしない日常からの逃避行のはずが、気がついたらスマホとにらめっこになっている人は多いのではないでしょうか。美しい景色、美味しい料理をスマホに収めると、無意識にそのままSNSに投稿、レスポンスのチェック。 […]

せっかくの旅行。せわしない日常からの逃避行のはずが、気がついたらスマホとにらめっこになっている人は多いのではないでしょうか。美しい景色、美味しい料理をスマホに収めると、無意識にそのままSNSに投稿、レスポンスのチェック。これではせわしない日常生活と変わりません。せっかくの旅行でデジタルデトックスをしつつ、さらに心に残るとびきりのアルバムをつくる方法が一部に人気なのだとか。その驚きの楽しみ方とコツとは?

旅先で出会ったアイテムで書き綴る、自分宛の手紙

夏休み、お盆休み、9月には敬老の日を含む3連休があるなど、これから旅行の計画を立てる人、すでに立てている人もいるのではないでしょうか。旅先では、見るものすべてが新鮮で、心が動いた風景やおいしい料理など、たくさん写真を撮ってしまうもの。気づけば、スマホには大量の写真が溜まっているなんてことはありませんか。

最近では、テンプレートを利用して1冊500円ほどでフォトブックをつくるサービスもあるので、旅の思い出写真集をつくる人もいるそうです。しかし、旅が終わった後に写真を整理してテンプレートに挿入するなどの作業は手間がかかります。旅先で完結できたら便利だと思いませんか?

その1つの方法として、旅先から自分宛に手紙を送っている人がいます。旅先で、土産物として販売されている写真やイラスト入りのポストカードを購入し、手紙を書いて、郵便ポストに投函。旅から戻って数日後、手元に届いた手紙を見ながら、旅の余韻に浸るひとときを。最終的には手紙をクリアフォルダーなどに入れて保管していけば、“ポストカード&言葉による旅の思い出アルバム”が出来上がります。

具体的に、どんなふうに楽しんでいるのでしょうか。旅先から自分宛の手紙を書き続けて9年、2024年には手紙エッセイ本『おてがみじかんで ほんの少し 心にゆとりを』も出版した小森利絵さんにお話をうかがいました。

旅先から自分宛に送る手紙を書くコツ

小森さんは、旅先の郵便局で「ご当地フォルムカード」という、各都道府県を代表する観光名所や行事、名物などのイラストと豆知識が掲載されたポストカード(2025年3月31日販売終了)を見かけ、「その場所ならではのポストカードで手紙を書いて送れば、自分へのお土産になって楽しそう」と2016年から時々、旅先から自分宛に手紙を書くことを続けてきたそうです。それから9年の体験で見出したという、旅先から自分宛の手紙を書くコツが次の4つ。

(1)手紙アイテム探しも旅の楽しみの一つに

お手紙アイテムとして、ペン1本とノリだけを自宅から持参。あとのポストカードやレターセット、切手などは現地で調達します。たとえば、土産店には、ご当地の風景写真やイラスト入り、その地域の伝統的な和紙を使ったポストカードが販売されていることも。また、アート系・ハンドメイド系の雑貨店や美術館のミュージアムショップは穴場。クリエイターや地元メーカー作の手紙アイテムが見つかる可能性があります。

販売物に限らず、駅や観光案内所など、“ここでしか手にできない”チラシやマップを使用後に、封筒にする方法も。そのまちを訪れた思い出がつまっていますし、チラシやマップとしての役目を果たした後の再利用にもなります。その場合、手紙を書く紙は、宿泊先に置かれているメモ帳などでもいいでしょう。

究極は、無地のポストカードを持ち歩き、思い出に残った風景などを自分で描くのもありです。「イラストを描くのは下手だから」と思わず、その手紙を読むのは自分ですから。気にせず、楽しみましょう。記念乗車券や記念スタンプがあるのなら、それを貼ったり押したりするのも、旅先ならではの記録になります。郵便局では、ぜひそのエリア限定切手を探してみてください。窓口で「このエリアならではの切手はありますか?」と尋ねると教えてもらえます。

(2)書く場所は宿泊先のホテル、移動中の電車、休憩で入ったカフェなど

ホテルでなら、寝る前に、1日の振り返りとして書くのもいいものです。休憩のために立ち寄ったカフェや電車の座席がテーブル付きならそこで、駅で電車を待つ間など、旅の隙間時間に書いています。

(3)書く内容は旅で思い出に残っていること。自分宛だから箇条書きでもOK

そもそも書くことが苦手である人にとっては、手紙はハードルが高く感じられるでしょう。しかし、これは自分宛です。自分が思い出せればいいので、思い出に残っていることを端的に書き出すだけで十分。たとえば、「ふうりんの音色、前を通りかかったお店のおばさんとの何気ない会話をした」「途中、暑かったので、雑貨も置いているおしゃれなカフェでかき氷を食べた」など。極端な話、「どこに行った」「何を食べた」と出来事を思いついたまま書き綴るというシンプルな内容であっても、体験した自分にとっては思い出のスイッチになります。

(4)旅先から投函。風景印など楽しみポイントも

自分宛だから、郵便ポストに投函せず、持ち帰ったらいいのではないかと思われるかもしれません。しかし、旅先のポストに投函すること自体も楽しみの一つ。ご当地ならではの郵便ポストがあったり、風景印を押してもらえたりなど、その場所ならではのことがあるからです。近くにご当地の郵便ポストや風景印がないかどうか、検索してみてください。なくても、旅先で投函すると、消印は押してもらえますから、それが大切な記録になります。

「旅先で自分宛に手紙を書く」こと自体を、旅のイベントの一つに

「旅先からの手紙自体が、旅をして、数日後の自分のもとに届きます。まるでタイムトラベル! そんなわくわく感もあって、特別な1通になりますよ」と小森さん。

ご当地の手紙アイテムを集めたり、郵便ポストや風景印を探したりなど、旅のイベントにしてしまえば、楽しめそうです。自分宛の手紙ですから、どんなふうに書いても、どんな内容でもOKです。気楽に、まずは1通。この夏休み、旅先から自分宛に送ってみませんか?

お話をうかがった小森利絵さん
「“あなた”がふと空を見上げたくなるメッセージを届け続けたい」。2008年から編集プロダクションや広告代理店、ウェブ制作・運営会社等に所属し、編集・ライティングの経験を積む。2014年からフリーライターに。主に、人物インタビューに注力している。高校生の娘と一緒にフリーペーパー『えんを描く』発行、お手紙を書く時間を楽しむ会「おてがみぃと」主宰、お手紙がある暮らしを書き綴るコラム「おてがみじかん」連載なども。2024年に『おてがみじかんで ほんの少し 心にゆとりを』を自費出版。

この記事を書いた人

I am 編集部
I am 編集部
「好きや得意」を仕事に――新しい働き方、自分らしい働き方を目指すバブル(の香りを少し知ってる)、ミレニアム、Z世代の女性3人の編集部です。これからは仕事の対価として給与をもらうだけでなく「自分の価値をお金に変える」という、「こんなことがあったらいいな!」を実現するためのナレッジを発信していきます。

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