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「絶対自分の好きなことしかやらない」と決めて世界幸福度ランキング上位国27 を旅。でも、会社を辞めて生きていけるの?

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「売り上げを求めるだけの日々」に疲れ、長年勤務した広告会社を飛び出し、幸福度の高い世界 27 か国を旅した堂原有美さん。辞めた後のことは何も考えずに「好きなことしかやらない」を志に。しかし帰国後に直面したのは「お金」の問題だった?

国連が毎年発表している「世界幸福度ランキング」。北欧諸国が上位を占める一方、先進国でそれなりに豊かな日本が、50 位前後と苦戦しているのはご存知でしょうか?
幸福度の高い国々の秘密をさぐろうと、世界 27 か国をめぐる旅に出かけた日本人がいます。
その人の名は、堂原有美さん。会社を辞めてまで旅を敢行し、帰国後は「幸福を感じられる日本人を増やしたい」と、教育関連のビジネスを立ち上げました。
堂原さんの起業にまつわるエピソードには、これからスモールビジネスを始めようとする人に役立つ知見がいくつもあります。そこで、詳しい話をうかがいました。

プロフィール

インタビュアー、スタートアップ広報中村優子

(なかむら・ゆうこ)元テレビ局アナウンサー、インタビュアー、スタートアップ広報。作家・林真理子さんのYouTubeチャンネル「マリコ書房」、および著者インタビューサイト「本TUBE」を運営。インタビュー動画の企画から出演、編集まで一人でこなす。年100本以上の動画制作に関わる。2022年、スタートアップ広報の会社を設立。

「売り上げをあげるためだけの日々」に疲れて会社を辞める

堂原さんは、幼い頃から学級新聞を作り、劇の台本を書くなど、クリエイティブな方面で才能を発揮。作ったもので周囲の人を「あっと言わせること」が好きだったそうです。


長じて、大学でマーケティングを学び、卒業後は広告代理店に入社。クリエイティブ関連の部局に配属され、コピーライティングから CM の絵コンテ制作といった仕事だけでなく、「名古屋おもてなし武将隊」でまちおこしといった、大きなプロジェクトにも参画しました。


しかし、キャリアを積み重ねるにつれ、だんだんと心の澱が溜まっていくのを堂原さんは、感じます。


「当たり前と言えば当たり前なんですが、お客さんの言われるとおりに、やらないといけないことが多く、売上を出すためにやるべきことを淡々とこなす日々に、疑問を感じるようになりました。仕事自体も激務で、夜遅くまで帰れないこともままありました。


やがて、『しんどいなぁ、この状態が続くのは今後つらいなぁ』という抑えきれない感情が出てきました。そして、『自分の生きがいは、たくさんの人を幸せにすることだ』と改めて実感しました。同時に、『世界でも幸福度の高い国の人は、どうして幸せなんだろう』という疑問も湧いてきました。そこで、思い切って会社を辞め、世界を巡りました」

本人提供

世界 27 カ国を旅して気づいた大事なこと

堂原さんは、世界幸福度ランキング 1 位のフィンランドを皮切りに、スウェーデンやデンマークといった北欧の国々、アフリカ大陸、中東、アメリカ大陸などを訪れました。そうして、幸福の秘密をおぼろげながら理解します。


「北欧が特にそうですが、理想的な社会制度があることに感激しました。働き方を例に挙げると、個人が働きやすいように転職がしやすく、仕事をしてない期間でも国が補助してくれたり。教育では、子どもたちが学校や学びたい教科を選べます。一番驚いたのが選挙制度です。国民が政治家を信頼しているという事実があって、選挙の投票率が 7、8 割とか……今の日本ではちょっと考えられないですけど」


世界を回ることで日本の問題に気づいたと堂原さんは言います。


「1 人 1 人の多様性を認め、生きやすいように生きていける社会ができているからこそ、幸せなんだろうなと、つくづく思いました。こういった国の人たちは、他者をあまり気にしないマインドなんですね。日本だと、隣の人の顔色をうかがったりとか普通にあるでしょう。そういう感覚が向こうにないのは、新鮮な驚きでした。


それで、日本に帰ってくると、すごく窮屈な気持ちになるのです。ここは、他人をすごく意識して気にする社会だと、海外に行ってからあらためてわかりました。


それとは別に、日本がやばいなっていう思いを、めちゃくちゃ持って帰ってきたんですよね。
経済面は落ち込んでいて、日本の物価は他国に比べると、かなり安くなってたりするし……
社会の風潮として、出る杭は打たれるで、新しい意見や個性がつぶされてしまう……いろいろと、『日本は大丈夫か!?』という気持ちが大きいので、『何とかしないと』と思っていました」

本人提供

帰国して直面した現実「お金はどうするんだ?」

堂原さんは、広告会社を辞めるとき、次はどんな仕事をしたいかは、特に決めていなかったそうです。決めていたのはただ1つ―「絶対自分の好きなことしかやらない」でした。そして、会社勤めではなく、フリーランス・個人事業主の生き方がしたいとも。


しかし、帰国してから、現実という名の壁に突き当たります。その頃のことを堂原さんは、次のように語ります。

「個人事業主としてやっていくとして、当面のお金はどうするんだって話になります。ウェブメディアに海外の旅の記事も書いたりしましたが、安定的な収入は厳しいです。


柱になる事業を形作るまでの間は、食べていかないといけないという切羽詰まったなかで、いろいろ探しました。

切羽詰まって Facebook に「仕事ありませんか?」

とにかく、つてを頼って、『何か仕事ないかな』みたいな感じで模索しました。


最後は意を決し、Facebook で『何か仕事ください』的な発信をしてみたところ、何人かから『こういうのあるよ』っていうのを教えてもらえたんですね。めっちゃ嬉しいなと思って、お話を聞いて、一番自分が面白そうだなって思ったところと仕事が実現しました。それで毎月食べてはいけるようになった感じです。


今思うと、Facebook には結構助けられていますね。それを見た学校の先生から、現在の仕事の依頼を受けたこともありますし。今、特に若い人たちのなかではFacebook離れがあり、Instagram や Twitter が主流になっていますが、自分たちの世代では Facebook はまだまだ使えるツールだと感じています。世代によって違いはあると思いますが、SNS はどんどん使っていくべきだと思います。そういうのが上手な人が、たくみに世の中をわたり歩いてるんじゃないかな。


去年の 6 月、著書『脱!しあわせ迷子』を出しました。世界で見てきたことを、絶対伝えたいって思いはあり、多くの出版社にアプローチしていたんですよね。


最終的に京都のいろは出版に決まりました。そこは、世界各地を巡った人の本を結構出していて、たまたま友人に、そこから本を出している人がいたのが大きかったです。企画持ち込みしたら、歓迎されて、そこからスムーズに刊行されました。本を出したいときは、最近の出版傾向とマッチしている出版社がいいと思います」

最後に、WTOC の事業をご一緒してくれる方、おもしろがってくださる方、ぜひご連絡ください! 一緒にワクワクしてもらえるとうれしいです」


株式会社 WTOC 『脱!しあわせ迷子』

この記事を書いた人

I am 編集部
I am 編集部
「好きや得意」を仕事に――新しい働き方、自分らしい働き方を目指すバブル(の香りを少し知ってる)、ミレニアム、Z世代の女性3人の編集部です。これからは仕事の対価として給与をもらうだけでなく「自分の価値をお金に変える」という、「こんなことがあったらいいな!」を実現するためのナレッジを発信していきます。

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