課題解決を仕事ビジネスを続けるコツ。心が揺れた時は、自分の専門を学び直したり専門外の新しい勉強をしたり。歩みを進める〈社会派料理コンサルタント・小鉢ひろかさん〉
多様な働き方のリアルを聞きました!仕事を自分らしく続けるコツとは? 独立後どうやって安定を継続していくか? 一つの仕事を次につなげるコツ、ブランディングについて小鉢ひろかさんに聞きました。
プロフィール
社会派料理コンサルタント、通称「捨てない料理人」小鉢ひろか
京料理を専門に講師として活躍。2016年、青果店独自の食品ロスを解決する飲食店を天王洲アイルに立ち上げる。その後、昨年実績で決まるMD計画にメスを入れ、百貨店や大手スーパーマーケットのコンサル事業に従事。2020年独立。商品開発や新規事業立ち上げ、講演など、社会問題を料理で解決するコンサルタントとして活躍している。
仕事を次につなげるコツ
仕事で一番大切にしている「心構え」は?
「よいことをして、忘れよう」
「新規顧客」と「リピーター」どっちが多い?
1:1です。
「新規顧客」はどうやって獲得してる?
人からご紹介いただくことが多いです。
「リピーター」を増やすための工夫は?
丁寧に、早く納品し、ご意見を聞く。23歳の時、京都・祇園白川の料亭での研修中、時間に追われ急ぐことを優先してしまった私に、「ひろ、早くても雑ではダメや。心を込めて丁寧にやることが先」と大将にご指導いただきました。何よりも自分の心を集中させた結果(=丁寧)を納品できること、でもプロとして仕事は素早くするよう意識しています。
どんな時に感謝されましたか?
業界が消費を諦めた食材や課題に、解決の道標を作れた時。例えば、米は新米ができると前年分は古米となり販売が難しく、最悪廃棄になります。でも、実は古米の方が粘りと甘みが減るため、炒飯に最適な食材になるんです。料理人だからできる提案と販路を見つけ、必要な人に届ける道が開いた時、大きな感謝をいただきます。
仕事が途切れないコツは?
SNSで何を発信するかを意識しています。対外的に成果物は結果しか見えないので、過程で「なぜそう考えたか?」を自分の言葉で発信し、見える化することで安心してご依頼いただける環境を作っています。
もし辞めるとしたら、どんな時?
2日お腹を下し続けたら、流石にやめます。
顧客とのコミュニケーションの秘訣は?
人間らしい、私の弱みを見せること。
飛び込み営業や広告を出したことは?
まだありません。
仕事の倦怠期はありましたか?
倦怠する時は、自分に自信がないか、傲慢になった時だと思います。心が揺れた時には、改めて自分の専門を学び直したり専門外の新しい勉強をしたりするなど、歩みを進めることで自分を律しています。
コンセプトを教えてください
ロゴ、屋号、肩書はどのように作りましたか?
「小鉢ひろか」という名前は、フィリピンで野菜不足に悩んだ経験から日本の副菜文化の魅力を再認識し、小鉢ひとつ分の野菜を困っている方に届けられる人になりたいと願いを込めて使っています。
コンセプトを教えてください
栄養不足や食品ロス、耕作放棄地など食の社会問題に対し、料理で解決するコンサルティング業をしています。商品開発や新規事業立ち上げ、講演などの依頼が多いです。特に現在は、捨てられてしまう食材を扱うことが多く、「捨てない料理人」と呼んでいただいています。食材がどんな状態でも魅力を引き出し、輝かせるのが私の仕事です。
「コレだけはやらない」ことは?
広告など、料理撮影のお仕事。どうしても、廃棄が多く耐えられませんでした。
どんなトライ&エラーがありましたか?
料理研究家を目指した時期がありました。レシピだけではなく、社会問題の根本解決ができる仕事を作りたいと、独立2年目に「コンサルタント」という肩書きに変え、プロフィール・写真など個人ブランディングを一新しました。
仕事に活かしている自分の強みは?
ITベンチャーで新規事業の立ち上げを2回経験した経歴を活かし、料理だけではなくマーケティングも含めた戦略的な商品設計ができる料理人として経歴を活かしています。
インターネット上に顔出しをしていますか?
はい、しています。
顔出しを「する」もしくは「しない」、メリットデメリットを教えてください
顔出しをする方がビジネス上の信頼度は高まりますが、反面デジタル上に消すことのできない個人情報が残ります。そのせいで将来子供に迷惑がかかることを心配しました。私の場合、デジタル上はビジネスネームを使う、家族が特定できる話はしないなどの工夫をしています。
ブランディングの悩みは?
売れるためのブランディングをして、自分らしさを失ったことがあります。自分が売れるためではなく、相手に正しく伝わるためのブランディングであるという意思を持ち、自分の軸をぶらさないよう意識しています。
100文字でビジネスプロフィール
2016年青果店独自の食品ロスを解決する飲食店を天王洲アイルに立ち上げ、廃棄予定の野菜3トンを料理に変える。2019年独立。社会問題を料理で解決するコンサルタントとして、商品開発・講演などを行う。
プロフィール作り、ココが苦しかった!
私らしさが最も伝わる具体的な固有名詞や数字を取捨選択すること。