コンテンツを売るビジネスモデル《コンテンツを売るビジネスモデル》絵も描けない、文才もない人でもマネタイズする方法
「コンテンツ」とは絵や文才、音楽など特別なスキルが必要と思いがちです。しかし多様化するニーズによって、今はあらゆることが「コンテンツ」になります。スキルがない人でもコンテンツを作り、マネタイズしていくことはできるのでしょうか。
今の収入をもう少し増やしたい。自分の経験やスキルを活したい。
会社だけの収入、一つの収入だけに頼るのは不安な人に。
絵が描ける、文章がうまい…など、特別なスキルや才能がなくても、誰でも自分の中にあるものを「コンテンツ化」して売ることができます。何を誰にどうやって自分の「コンテンツ」でマネタイズするのか、「コンテンツを売る」ビジネスモデルを紹介します。
「自分の稼ぐ力」を身に付け、自己資金ゼロ、身一つ、腕一本、自分の頭と経験で作るビジネスモデルをつくるノウハウを発信。「自分のビジネスモデル」を作って、一つの会社だけに頼らない、一つの収入源だけに頼らない生き方の情報を発信するWebメディアです。
目次
誰でもコンテンツを持っている
一昔前、コンテンツはTVや新聞、出版社などのマスメディア、個人ではミュージシャンや小説家、漫画家やイラストレーターなど、特別な才能をもつプロフェッショナルが作るものでした。
しかしインターネットが普及、プラットフォームの出現によって誰でも気軽に自分のコンテンツを発信することができるようになりました。
そして今、人々の生活や趣向は多様化し、あらゆるニーズが日々生まれ、「コンテンツ」はエンタメだけでなく、情報やノウハウも「コンテンツ」として消費されています。
スキルや能力、才能がなくても、ニーズに応えられれば、あらゆることが、自分にしか語れない独自の視点で切り取ることでオリジナルの「コンテンツ」を作ることができます。
いまや「コンテンツを売る」というビジネスは、その道のプロフェッショナルでなくてもだれでも気軽に始められるビジネスモデルの一つとなりました。
今回は「絵がうまい」「小説が書ける」など特別なスキルや能力がない人が「コンテンツを売る」ビジネスモデルをどのように作るのか解説していきます。
【モデルケース①】映像作家・YouTuber 北村秀人さん
愛車との何気ない日常をコンテンツ化
愛車のローバーミニとの日常を切り取った動画をYouTubeで配信した北村秀人さん。それをきっかけに動画編集の依頼が殺到しました。その後、会社を辞めて映像作家として独立し、会社員時代の給与を上回る収入を得ているといいます。
【モデルケース②】YouTuber すうれろさん
コンプレックスで磨いたメイク術をコンテンツ化
余命宣告されるほど持病が悪化し、長期入院を余儀なくされ、自分の顔に驚愕したことをきっかけにメイクを研究したすうれろさん。「詐欺メイク」と言われるほど劇的before‐afterのメイク術を独学で磨きます。
そのメイク術をYouTubeにUPしチャンネル登録数18.6万人の人気YouTuberになります。YouTubeの広告収入だけでなく、企業とのタイアップなど活躍とマネタイズの場を広げています。
2人とも編集依頼や人気に火が付くまでの間にはたゆまぬ努力がありました。
しかし、最初のきっかけとしては特別なことではなく、日常を切り取ったり、自分にとってマイナスなコンプレックスだったりと、誰もが持っているようなものからコンテンツ化に成功した事例です。
何をコンテンツにする?
自分の中にあるコンテンツを見つけよう
「コンテンツを売る」ビジネスモデルとは、「誰か」の「楽しみ」や「必要」を「コンテンツ」にして発信しマネタイズしていくビジネスモデルです。
よくあるのがエンタメ系のコンテンツです。イラストや漫画、小説、音楽など、出版や製作会社などを介さず、ネット上で気軽に売買できるようになりました。
本記事ではそんなスキルがないという方がどのようにコンテンツを作るのかについて書いていきます。
例えば、
•趣味や推し活
•日常生活
•成功体験
•現在進行形で取り組んでいること
•コンプレックスや悩み
専門的な知識や特別な出来事ではないので驚くかもしれません。
しかし、人々の生活や趣向は多様化し、細分化したニーズが求められる今、あらゆることを知識や情報、ノウハウとして欲している人はいます。
ノウハウだけでなく、同じ境遇の悩みやコンプレックスを抱える人もいます。そんな人の声を代弁し、発信していくことで共感しあなたの顧客になってくれる人はいるでしょう。
まずは、自分の持っている経験を書き出してみましょう。
今までの自分の経験を棚卸
・過去の経験
・現在取り組んでいること
・悩んでいること/解決したいこと
・これからやってみたい事
書き出してみると何かきっとあるはずです。
その中からすでに別の誰か(競合)が「コンテンツ」として配信している可能性があるので、競合も合わせてリサーチします。
リサーチする際には、競合にはない、自分にしか語れないオリジナルの独自性は何かも書き出してみましょう。
【実例】どんなコンテンツがある?
では具体的に紹介していきます。
好きなこと、趣味や推し活がある
例えば、KPOPなどアイドルにハマっているとします。
グループの「誰推し」なのか、その推しに特化し、とことん推しについての情報を網羅しまとめたり、最新情報を発信することで同じメンバーを推す仲間にとって貴重な情報源となります。
ダンスの解説動画、踊ってみた動画、貴重なファンMTGの体験レポートなどを発信することもできます。
日常風景でVlog
一時期ブログでミニマリストのノウハウをブログで発信するのが流行りました。
今はブログだけでなく、自分のこだわりの部屋で日常生活を切り取った動画、いわゆるVlogがYouTubeでも人気コンテンツです。
動画であれば文章が苦手な人でもできます。
また、わざわざカメラを購入せずとも、スマホで撮って無料の動画編集アプリを使えば、スマホ1台で気軽にVlogを発信できます。
「できない」ことが「できるようになった」ギャップある成功体験
・営業成績ビリからトップセールスマンになった営業マン
・-20キロのダイエットを成功させた 等
あなたが「できるようになった」ギャップのある成功体験は需要の高いコンテンツになります。
ギャップがあると、「〇〇〇ができない」ネガティブなキーワードはネット上で検索されやすいと言われています。
同じように困っている人や悩んでいる人に見つけてもらいやすくなります。
同じ境遇だった人がどのように克服したのか、というのは有益な情報です。
投資・節約、ポイ活、など今取り組んでいること
「投資・節約」や「ポイ活」なども需要のあるコンテンツです。
調べる時間がない人やより効率的にしたい人にとって、誰かが実践している方法を知りたいと思う人は多いはず。
「投資・節約」は金額まで具体に上げて行くことで、同じ程度の収入・貯蓄の人にとって再現性のある有益な情報になります。
「ポイ活」もあらゆるポイントカードのサービスが溢れる中で、ポイントUPのタイミングや自分の生活によりフィットして溜まりやすい組み合わせなどを比較してみたいという人も多いです。
コンプレックスや苦手
外見のコンプレックスだけでなく、「コミュ症」など自分のマイナスと感じる苦手分野もコンテンツ化することができます。
克服していなくても、その境遇の人から見た日常を独自の視点で切り取ってコンテンツ化することで、同じコンプレックスを抱えている人に共感されやすくなります。
どんなコンテンツにするにせよ、それを求めている人の需要に答えるように作り込むことが必要です。
誰に売る?-そのコンテンツを必要としている人
知名度があっても「誰に」を明確にしないと売れない
人々のニーズが多様化する中で、「誰に」発信しているのかという点も重要になってきています。
世の知名度が高く、メジャーなものから生まれたコンテンツでも「誰に」というターゲットが明確になっていないものは売れなくなっています。
つまり「誰に」というターゲットを明確化し、そのターゲットのニーズを満たしたコンテンツであれば、無名であっても売れるということです。
売れっ子のYouTuberの中にはメディアにほとんど出ていなくても、狙ったターゲットに届くようなコンテンツを作ることで、その界隈で知られる存在として活躍している人は多いです。
逆を言えば、その界隈でない人には全く知られていなくても、一部で爆売れする可能性はあります。
①「自分ならどうしたい?」自問してターゲットを明確化する
「誰に」というターゲットを明確にしない限り、そのターゲットに届くコンテンツを作ることはできません。
ターゲットはそのコンテンツを必要としている人になるので、「自分ならどうしたい?」と自問することでターゲット像が見えてきます。
「自分なら何が知りたい?」
「自分ならどういうポイントをクローズアップする?」
「自分はこういうところでつまづいた」
それが競合との差別化に繋がり、独自の視点からどう切り取って「コンテンツ」を作るのか、という重要なポイントにもなってきます。
映像作家・YouTuberの北村さんのターゲットは
・ローバーミニ愛好家
をメインとして、
・田舎暮らしの日常
を組み合わせた独自の視点で世界観ある映像を作りました。
チャンネル開設当時、すでにローバーミニに関するYouTubeチャンネルはいくつか存在していたそうです。
しかしそこに「田舎暮らし」に溶け込んだローバーミニのVlogというジャンルはなかったそうです。
またローバーミニ愛好家はこだわりを持つ方が多いであろうと、ほかのチャンネルにはないおしゃれな映像に仕上げたといいます。
どこで発信する?-PC、スマホ1台で気軽にできる
コンテンツを配信するプラットフォームを紹介します。有料化して販売できるものから、YouTubeのようにある程度条件をクリアしないとマネタイズできないものもあります。
YouTube
言わずと知れた動画コンテンツを配信する代表格です。
誰でも簡単にアカウント開設ができ、チャンネル開設できますが、収益化するまでにいくつかの条件があり、達成できるまではマネタイズできません。
note
コロナ禍で会員を伸ばし、誰でもすぐに書いたコンテンツを有料で販売することができます。
ただし、アフィリエイトリンクはできません。
唯一のアフィリエイトできるのはAmazonアソシエイトのみと限定されています。
kindle出版
kindleで自分のコンテンツを電子書籍化して販売することができます。
原稿をAmazonのkindle direct publishing(KDP)に登録し、kindle上でセルフ出版をおこなうことができます。
Wordで作った原稿も入校することができ、販売額は99円~20,000円までで自分で自由に価格を設定することができます。
NFT
NFTとは(Non-Fungible Token:非代替性トークン)のことでブロックチェーンの技術を使った「替えが効かない、唯一無二の」暗号資産のことをいいます。
この技術を使ってイラストレーターさんが自身の作品をNFT化して販売し、高値がついたりと今注目のデジタルコンテンツです。
どうやって知ってもらう?―「顧客に認知してもらう」には?
発信者は誰か?プロフィールをしっかり作る
無名でもターゲットに刺さるコンテンツが作ればマネタイズできるということをお伝えしてきました。
本名でなくビジネスネームでコンテンツを配信する人もいます。
しかし全く素性が分からない人ではユーザーもそのコンテンツに信頼がおけず、見てもらうことができません。
そのためこのコンテンツを信頼たるものかどうかはプロフィールの作り方によって決まります。
例えば事例にもあったようにプロフィールに
「営業成績ビリの営業マンが半年でトップ営業マンになれた」
「-20キロ㎏痩せたダイエットのコツ」等
そのコンテンツを発信する納得の理由がプロフィールできちんと語られるかどうかは重要です。
SNSで情報発信する
ターゲットに自分のコンテンツを知ってもらうためにはやはりSNSで発信することが必要です。
まずはコンテンツ専用のアカウントを作りましょう。
最初は闇雲にSNSを複数併用するのではなく、ターゲットの属性が使用する頻度の高いSNS1つに絞ります。
コンテンツに準じた情報以外は投稿せず、関連した有益な情報を投稿します。
また同じコンテンツを発信する競合のアカウントもリサーチしてフォローしましょう。
コンテンツに興味がありそうなユーザーをSNS内でキーワード検索し、上がってきたユーザーもフォローしていきましょう。
最低でも1日1投稿、新しいコンテンツを配信したら投稿といったようにフォロワーがある程度増えるまで頻度を落とさずに投稿しましょう。
顧客(ユーザー)の刺さるキーワードを考える
ターゲットに情報を届けるために、ターゲット像をより深堀りしていきましょう。
そこでターゲットに刺さるキーワードは何かを決めましょう。
自分のコンテンツを必要とするターゲットはそもそも自分に近しい存在です。
「自分ならどういうキーワードが気になる?」というところから掘り下げてキーワードを固めていきましょう。
サムネイル、タイトルにキーワードを盛り込む
キーワードを決めたら、コンテンツのタイトルやサムネイル、SNSの発信にキーワードを織り込んでいきましょう。
それぞれのプラットフォーム上でアルゴリズムが存在し、キーワードを多用することでユーザーが検索する時にヒットしやすくなります。
コンテンツから広がるビジネスモデル
コンテンツを売るビジネスモデルはあらゆる可能性が秘めています。
YouTubeをきっかけに出版社から書籍発売のオファーを受けたり、フォロワーに向けて自分の商品をおすすめしたり、実際に商品開発し物販事業をしたり、フォロワーを集めてオンラインサロンを主催することもできます。
「コンテンツを売る」をきっかけに収益の柱を増やしていくことができる、あらゆる可能性を秘めたビジネスモデルです。
YouTubeもあらゆるジャンルが激戦区となる中、コンテンツを売るというビジネスモデル1本では厳しいという話もあります。
今からコンテンツを売るという場合、顧客となるターゲットをより細かくセグメントし、狙いどころを小さくし、よりニッチな情報発信から始めてスケールアップしていく形がいいでしょう。
超初心者編ビジネスモデルキャンバスの使い方
実際に自分のスキルを売る際のプランを可視化できるフレームワークで、自分の強みを再認識することをお勧めします。
世界中で使われているリーンキャンバスって?
もしかしたら見たことある人も多いかもしれません。世界中で使われているスタートアップのビジネスモデルを可視化するためのフレームワークで、シリコンバレーの起業家、アッシュ・マウリャによるものです。詳しくは著書『Running Lean ―実践リーンスタートアップ』をお勧めします。
半径5メートルにフィットしたキャンバス
I am 編集部が半径5メートルのビジネスモデルにおすすめするのは、超シンプルにしたこちらの図です。
1 価値の提案=自分のスキル
2 顧客の課題=誰かの困りごと
3 顧客との接点=どこで売るか
4 ソリューション=価値
もう少し具体的に見ていくと、このようになります。
肝心なのは5の「稼げるかどうか?」です。
自分のスキルに対して需要があっても、10000円を稼ぐのに1週間もかかるようであれば仕事としては成り立たないので慎重に。
おまけ:半径5メートルのフレームワーク
早速、自分のスキルを可視化してみたい方はこちらのI am の半径5メートル自分で作るビジネスモデルフレームワークをどうぞ。PDFとエクセルでダウンロードできます。
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この記事を書いた人
- 「好きや得意」を仕事に――新しい働き方、自分らしい働き方を目指すバブル(の香りを少し知ってる)、ミレニアム、Z世代の女性3人の編集部です。これからは仕事の対価として給与をもらうだけでなく「自分の価値をお金に変える」という、「こんなことがあったらいいな!」を実現するためのナレッジを発信していきます。