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タニタ研究員の「ダイエットで人生変える」授業週末は太る! でも原因は老廃物がほとんど。タニタ研究員が教える、老廃物をドバーッと排出してくれる食材9選

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長期の休暇だけではなく、週末に体重が増加し、毎週月曜日がピークになる傾向があることが研究によりわかっています。しかし「そのほとんどは脂肪でなく、余分に溜め込みすぎた水分や便の重さ」だと、タニタ研究員の西澤さんはいいます。そこで今回は、水分の排出と便通の改善に役立つ食材をご紹介します。「休日に増えすぎた体重をもとに戻したい」と思う人はぜひ参考にしてみてください。

長期の休暇だけではなく、1週間でも週末の休日に体重が増加し、毎週月曜日がピークになる傾向があることが研究によりわかっています。しかも日本だけでなく、アメリカやドイツなどでも休暇明けの体重増加が万国共通ようです。 

そこで今回はそんな体重の急増を「てっとり早く」しかも「効果的に」元に戻して行く方法について考えます。実は数日間で急激に体重が増えた場合、そのほとんどが余分な水分や便として排出しきれていない成分の重さでかさ増しされていることが多いのです。

体脂肪は短期間で急激に増えない

みなさん、体脂肪1㎏のカロリーをご存じですか?純粋な油(脂)は1gで9kcalです。これをそのまま1㎏にすると9,000kcalになってしまいますが、脂肪細胞として考えると、2割ほど水分や他の成分がありますので、体脂肪1㎏のカロリーはおよそ7,000~7,200kcalほどと言われています。

よく「体脂肪1㎏を燃焼させるにはフルマラソン2回半走るほどのエネルギーが必要である」と言われますが、脂肪というのはそれほどまでに高エネルギーな組織なのです。

週末の2日間で1㎏程度体重が増えることはよくあることですが、増えた重さ分がすべて体脂肪と考えると2日間で少なくとも7000kcal、一日あたり3500kcalも食べ過ぎていなければなりません。いつもの食事に加えて、ご飯なら15~16杯、ラーメンなら8~9杯も余分に食べなければこのエネルギーにはなりません。いくらなんでもそんなに食べ過ぎているわけありませんよね。

休日は「食べ過ぎ」&「動かな過ぎ」の合わせ技(笑)になりやすい傾向があるのはたしかなのですが、週末2日程度の余剰エネルギーが全部脂肪になって身体に蓄えられたとしても、脂肪に換算するとせいぜい0.1kg程度。休暇が続いてある程度、長期間になると脂肪もじわじわ蓄積しますが、通常の週末の重量増加なら、そのうちの脂肪はほんのわずかなはずです。

【図1】脂肪1㎏分(7,200kcal)が2日間で増える場合、エネルギー換算するといつもの食事に下記分の「食べ過ぎ」追加が必要

このように1〜2日程度の体重増加は脂肪だけでなく、余分な水分や体内にたまった食物の廃棄分(便)の影響も大きいのです。

まずは余分な水分排出&むくみ改善でスッキリ体重減少を

休日短期間で体重が増えてしまった場合、まずはこの余分なものをとにかく排出させましょう!塩分の多いものを食べ過ぎた場合は特に身体に余分な水が溜まっています。

ここではこうした余分な水分や便を排出するのに役立つ食べ物をご紹介します。カリウムやマグネシウムは余分な水分を排出する作用があることで知られています。また、食物繊維はナトリウムを吸着して食べ過ぎをおさえ、便通を良くしてスッキリ排出させる作用が期待できます。

急な体重増加で身体が重くむくみを感じる時は、こうした栄養素を多く含む食材を役立ててください。

水分の排出&便通改善に役立つおすすめ食材

カリウム、マグネシウム、食物繊維を豊富に含む食べ物・飲み物の中から、特に手軽にプラスして食べやすいものを紹介します。

1.気軽に「つまめるもの」

〇フルーツ(バナナ、キウイフルーツ、みかん、りんごなど)
〇ドライフルーツ(干しあんず、ドライマンゴー、ドライいちじくなど。砂糖不使用のものがおすすめ)〇ナッツ(アーモンド、カシューナッツなど。食塩不使用のものがおすすめ)

2.気軽に「飲めるもの」

〇硬度高めのミネラルウオーター(エビアン、コントレックスなど)
〇コーヒー(無糖)
〇ウーロン茶

3.つけあわせにちょっと「プラスできるもの」

〇海藻(ひじき、こんぶ、わかめ、めかぶなど)
〇野菜(きゅうり、ブロッコリー、パセリ、枝豆など)
〇いも類(さといも、じゃがいも、さつまいもなど)

むくんでいるからと水分の摂取を控えてしまうと逆に代謝が悪くなり排出されず滞ってしまいます。ミネラルウォーターやお茶など排出作用のある水分をいつもよりこまめに摂ることで「水の代謝」を良くすることができますので意識して摂ってみてください。水の代謝UP&食物繊維をしっかり摂れば、むくみスッキリ&お腹もスッキリに効果的ですよ!

余分なものを排出したら、脂肪燃焼UPを目指そう

余分なものの排出がある程度できたら、それだけでも体重は減少に向かい見た目もスッキリしてきますが……頑張れる人はもうひと押し。引き締まったBodyを目指して「脂肪燃焼」を促してみても良いですね。ただし無理は禁物ですよ。下記のことをちょっと意識して実践するだけです。

1.甘いものを控える

2.おやつをヘルシーなものに置き換える

ドライフルーツやグミ、ハイカカオチョコ、ナッツやチーズがおすすめ

3.主食を少し減らす

少しでOK!下記の工夫をするだけでも効果的です。

・ご飯に豆や葉物野菜を混ぜる
・白米を玄米や五穀米、麦飯にする
・白パンを全粒粉のパンにする
・麺は蕎麦や春雨、豆腐麺を利用する(混ぜてかさ増しするだけでもOK)

4.脂質控えめたんぱく質をたっぷり摂る

高たんぱくヨーグルト、豆、豆製品、脂の少ない肉・魚など。

* * *

ストレスなくできる範囲で、少し意識するだけでも効果は出ます。ここまでできたら「急激な体重増加になってしまった前よりも、もっとスッキリスリム!」が叶うはず……私も頑張ります!

執筆/タニタ研究員 西澤美幸

この記事を書いた人

西澤美幸
西澤美幸株式会社タニタ 開発部主席研究員 栄養士
1968年生まれ。横浜国立大学在学中よりタニタの体脂肪計のプロジェクトチームに参加。入社後は、世界初の乗るだけではかれる体脂肪計や体組成計、活動量計などの開発に携わり、機器の要となる計測の回帰式や判定アルゴリズム作成を担う。
29歳で社内初の技術系女性課長に就任し38歳で出産。栄養士の資格も有し文部科学省の食育有識者会議委員を務めるなど、さまざまな計測データを健康づくりに活かす提案を行い、栄養士と技術者の2つの視点から多数のセミナーの講師も担当している。

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