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「仕返しは悪いこと?」この問いに答えられますか。親子で思考力、言語力を身につける「哲学対話」とは?

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アカデミックだけでなく、企業やクリエイティブの現場、さらには学校の授業にも取り入れられている哲学対話。 哲学対話とは、ものごとの本質を言葉にして編み上げていく哲学の思考法の一つ「本質観取」のことだ。なぜ、今「親子で哲学対 […]

アカデミックだけでなく、企業やクリエイティブの現場、さらには学校の授業にも取り入れられている哲学対話。 哲学対話とは、ものごとの本質を言葉にして編み上げていく哲学の思考法の一つ「本質観取」のことだ。なぜ、今「親子で哲学対話」が注目を浴びているのだろうか?

【図解】親子で哲学対話のメリット

著書『親子で哲学対話ー10分からはじめる「本質を考える」レッスン』を上梓したばかりの哲学者・苫野一徳氏。教育学者でもあり熊本大学准教授として教鞭を取る2児の父。そんな苫野氏が小学校5年生の長女と行った哲学対話とは?

「友達ってさあ」何気ない子どもの哲学的問い

哲学対話とは別名・ソクラテス式対話とも言われ、ものごとの本質を言葉にして編み上げていく思考法。設定した問いに対して、それぞれの具体的な実体験を出し合う。そして、互いが「なるほど、確かそうだ!」と納得が得られる定義を言葉にしていく。そのプロセスそのものが哲学的思考につながる。

例えば

・仕返しは悪いこと?
・勉強するのは何のため?
・よい社会とは?
・優しさって?
・神様の神様は誰?
・友達って何?
・恥ずかしさとは?

こんな問いに、子どもと一緒に哲学的思考をめぐらせるのだ。 

「友達ってさあ、何だと思う?」と、突然子どもから話しかけられたことがあるかもしれない。苫野氏は、それを「立派な哲学的問い」と言う。

しかし、キャリア層のママ、パパは忙しい。つい、「友達? 友達は友達でしょ、早く宿題やって」と軽く流してはいないだろうか? 我が子の哲学的思考の芽を摘む前に、少し考えてほしい。

哲学対話は、たとえば「友達とは何か?」という問いを立てて、

・一緒に遊ぶと楽しい
・困った時に助けてくれる
・私の悪口を言わない
・安心できる
・いいことがあったら教えてあげたい
・悪いことをしたら注意してくれる

といった具合に、具体的な体験や経験を出して「友達とは何か?」を定義するというものだ。

哲学対話のポイントは、最初から正解があるわけではないということ。哲学には絶対的な真理はないので、互いにそれぞれの考えを持ち寄り、みんなが「納得できる」定義を探す、という点にある。つまり、親や子どもの一方的な考えを「正解」にしないという点にある。

哲学対話のメリットー思考力、言語力、コミュ力

そんな哲学対話を通して、得られるものは

・思考力が高まる
・言語力が身につく
・コミュニケーションが高まる
・自分を深く知る
・本質を見抜ける
・民主主義を経験できる

などが挙げられる。

確かにこのプロセスを丁寧に繰り返せば、本質を考える力が鍛えられるだけでなく、互いの「共通了解」を探すというコミュニケーションの基本が身につくだけでなく、民主主義そのものを経験できる。

いいことづくめの哲学対話だが、親子で哲学対話をする際には、ちょっとしたコツも必要という。

「早くしなさい」を我慢する、親にとっても深い学び

つい、子どもが話し出すのを急かしたり、親の考えを提示したくなるのを、ぐっと我慢しなければならない。哲学対話は親にとっても深い学びにつながるのだ。

問いは、「友達って?」「勉強するのは何のため?」「友情って?」から始めると、子どもも興味を持ちやすいかもしれない。

とはいっても忙しい子育て世代、子どもとゆっくり対話する時間がないかもしれない。たった10分だけでいいという。毎日でなくても週に1回だけでも、10分だけ子どもと向き合う時間を作ることで、思考力や言語力が一生身につくと思えば、10分はいとも短いのではないだろうか。

文/長谷川恵子

この記事を書いた人

長谷川恵子
長谷川恵子編集長
猫と食べることが大好き。将来は猫カフェを作りたい(本気)。書籍編集者歴が長い。強み:思い付きで行動できる。勝手に人のプロデュースをしたり、コンサルティングをする癖がある。弱み:数字に弱い。おおざっぱなので細かい作業が苦手。

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