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副業の致命的ミスは「本業で手抜き」と思われること。副業公務員が徹底する業績アップのための3つの仕事術

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東京都職員が役員報酬つきの副業を認められた磯部健太さん。職場の人間だけでなく都民からも「手抜きしている」と思われないために、ある仕事術を徹底している。

副業社員、副業公務員、これから副業を考えているすべての人が、絶対に踏みたくない地雷が「本業の手を抜いていると思われる」ことだろう。どれほど些細なミスでも「副業をしているから」となるのは副業あるあるの定番だろう。

【写真】都庁を背に今日もコスパのいい職員を目指す磯部健太さん

会社員の副業は国も大々的に推進していることもあり、市民権を得てきた。しかし公務員の副業は職務の性質上、難しい側面もある。そこで東京都の職員でありながら副業をしている磯部健太さん(39歳)に話を聞いた。

都職員の中でも異例の役員報酬つきの副業

公務員でも作家や講演活動を認められている副業は案外多い。しかし磯部さんは一般社団法人の理事として役員報酬を得るというスタイルだ。「東京都庁の職員としては初めてだと思います」というようにかなりのレアケース。

それだけに税金を払っている都民としては、都職員が副業にうつつをぬかしていては困る。だからこそ「絶対に手を抜いていると思われないように細心の注意を払っている」と磯部さんは言う。副業では社団法人の理事という立場でマーケティングコンサルティングを行っている。一体どうやって本業に専念しているのか、話を聞いた。

副業で鍛えたマーケティングスキルを本業に活かす

「僕の仕事は春から異動になります。でも3月末までは戦略広報部にいました」とした上で、職員としての仕事を話してくれた。

東京都庁は全28局からなる。磯部さんが配属されていたのは都政を担う政策企画局の戦略広報部報道課で、全28局で作成されたプレスリリースが集約される場だ。

プレスリリースはイベント開催から記者会見など、年間で約6〜7千件ほどになる。それを全部チェックして修正し、報道機関やメディアに配信するのだ。ただ配信すれば仕事が終わるわけではなく、いかにしてメディアに取り上げてもらえるか、が肝になる。

それらのプレスリリースのチェックに加え、小池百合子都政の記者会見の数の多さは想像に難くないだろう。会場運営から、メディア対応、当日の小池知事の動線など、全方位に気を配らなければいけない。28局の中には記者会見に慣れていない広報担当も少なからずいる。必然的に総括する政策企画局・戦略広報部に質問や問い合わせが集まることになる。

多忙を極める職員が理事として副業して大丈夫なのか?

「毎日まいにち、やることが山ほどあるんです」と磯部さんは言う。新型コロナウイルスのパンデミックの際は、東京都の感染者集の発表、小池都知事の記者会見などに忙殺されたという。コロナが治ったからといって東京都が暇になることなどない。毎日まいにちプレスリリースのチェックとメディア対応に追われる。

そんな激務で副業など可能なのだろうか? 「もともとプライベートでマーケティングを勉強してきたので、プレスリリースの書き方には自信があります」と磯部さんはキッパリこたえた。

「マーケティングの基本は、ターゲッティング・市場の見極め・ベネフィット。この3つなんです」。つまり副業のマーケティングコンサルのスキルが本業のプレスリリースのブラッシュアップに大いに役立つという。

コスパのいい職員の3条件を徹底実践

その上で、さらに「手を抜いていると思われないために、徹底的に気をつけていること」が3つあるという。これは「とにかくコスパのいい職員と思われることが大事だと思っています」としながら、自分一人だけの効率化ではなく、部署全体の効率化を図ってきたという。

1.残業しない、させない

2.勝手にコンサルでスピードアップ

3.業務の効率化

1.残業しない、させない

無駄な残業はしない。部下にも残業をさせない。休みを取らせることを心掛けたと言う。

「僕も残業はしたくありません。だから先に部下を帰らせる。先に自分だけ帰るわけにはいかないので」。

残業は新型コロナウイルスのときは常態化していたが、今もまだなんとなく残業の名残が残っているという。しかし、「無駄な残業はコストがかかるので、残業をしないことでコスパがいい職員のアピールをしています」と磯部さん。残業すれば残業代が発生する。つまり残業せずに時間内に業務を終わらせることはコスパのいい職員になるということだ。

同様に休みもどんどん部下に取らせる。「最近、サーフィン行ってないんですよね」と部下が言うと、「三連休にして行ってきなよ」という感じで、バンバン休みを取らせるそうだ。

「マインドセットは必要だと思います。仕事だけやって、一年後に死ぬとしたら、好きなことしますよね。僕の父は49歳で死にました。だからやりたいことをやる必要があるんです」。

2.勝手にコンサルでスピードアップ

磯部さんは「勝手にコンサル」をしているという。副業のマーケティングコンサルを職場でも活かすことで、仕事のスピード化が図れるというのだ。

「マーケティングは課題の発見」と磯部さんは言う。だから、本業の業務でも課題を見つけるのが早くなったというのだ。それを部下や同僚の職員に伝えることで業務のスピードが上がるという。

さらにスピード重視のために、口頭コミュニケーションを徹底している。「部下や同僚との情報共有、庁内の日々の調整はPCをみれば相手が今取り込み中か応対可能かがわかります」。口頭や電話連絡を原則としている。メールは文字で残すべき特に重要な調整や対外的なやりとりだけに使い分けを徹底。

3.業務の効率化

最後に業務の効率化としてはデジタル化の推進。今でも都政に関する報道はすべて記録されているというが、ペーパーレスが可能なことはどんどんデジタル化していったという。

データ化と同時に紙のファイリング作業の廃止も行った。紙とデータが二重保存となっているものや、データの格納場所が分散されているものを洗い出し、一本化した。

「使い道のないデータを手作業で入力していたんです。反発もありましたが、無駄を省くことができたと思います」。

時代背景の変化などにより、現在は活用されていない分析用の数値の積み上げ作業の廃止。業務効率をあげるため複数ある共用PCの配置場所を一か所に集めるなど、不便さや非効率を生まない執務室レイアウトに変更したという。

公務員でなくとも、副業をしていなくとも、副業公務員の仕事術は参考になる点が多いといえる。

*2024年4月からは東京都政策企画局の企画・計理に関わる総務部に異動となりました。

この記事を書いた人

長谷川恵子
長谷川恵子編集長
猫と食べることが大好き。将来は猫カフェを作りたい(本気)。書籍編集者歴が長い。強み:思い付きで行動できる。勝手に人のプロデュースをしたり、コンサルティングをする癖がある。弱み:数字に弱い。おおざっぱなので細かい作業が苦手。

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