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タニタ研究員の「ダイエットで人生変える」授業食欲を抑えたいときは「日光を浴びる⁉︎」 タニタ研究員が教える「年末年始の食欲をおさえる3つの方法」

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食欲を我慢する猫

「食欲の秋」が終われば、クリスマスにお正月とイベントが盛りだくさんの冬がやってきます。統計的にも日本人がもっとも太る傾向の強い冬に向けて、手軽に食欲をおさえる3つの方法をご紹介します。

いつでも食べ物が手に入り、季節が変わっても温度や環境を快適に調整できてしまう現代の私たちは、昔に比べるとどうしても太りやすい状況にはまってしまいます。

統計的にも日本人がもっとも太る傾向の強い冬に向けて「食欲をおさえられる方法」(しかもササっとできて面倒でないもの)をご紹介します。

①「Happyホルモン=セロトニン」で食欲をおさえる!

不安を和らげ、心を安定させるセロトニンは、実は食欲を抑制する作用があることでも知られています。

セロトニン分泌が増えれば無駄に食べずに済むうえ、落ち着いた朗らかな気分でいることができます。ポッチャリ化を防ぐだけでなく、プライベートや職場で気分良く過ごすためにも下記の行動はおすすめです!

  1. 日光にあたる(くもりや雨の日でもOK!窓越しでもOK!)

 セロトニンは日光にあたることで分泌が増えるので、できるだけ長時間日の光を浴びたいもの。しかし、実は目の網膜に光が入ることが重要で「日光を全身に浴びなくてはいけない」というわけではないのです。

カーテンを開けて窓越しに光を入れることでも十分効果が期待できます。日焼けが気になる人もこれなら大丈夫ですよね!

光が重要、というならば室内の電気の明かりでも効果はあるの?とよく質問を受けます。

実は、電気の明かりは自然の日光と比較すると光の種類が異なることもあり、わずか250分の1の明るさしか無く、曇りの日や雨の日よりも明るさとしてはかなり低いのです(図1)。

体内時計の調整や覚醒効果の機能として、人工的な光でも強力な明るさを出せる装置も開発されていますが、そうした効果を標榜していない通常の電灯ではほとんど効果は期待できません。夜中に明るく電気をつけて起きていてもダメなことがよくわかりますね。

朝になったら、たとえ曇っていても雨が降っていても、とにかくカーテンを開けて光を入れましょう。できれば外に出て明るさを目で感じることをおすすめします。

外に出ることで気分転換にもなりセロトニン分泌の効果以上に気持ちが明るくなると思います。雲越しでも良いので太陽を感じて味方につけましょう!

【図1】自然の日光と明るい室内の明るさの比較(※JIS照明基準等を参考に作成)

  1. リズミカルな足踏みや、ゆっくり首を回してみる

以前「チリツモダイエット」のコラム(https://iam-iam.jp/23841/)でもご紹介しましたが、「その場で足踏み」などのごくカンタンな等速運動でも脳内のセロトニン分泌が高まることが知られています。

ゆっくり首を回すだけでも脳内でセロトニンを作り出す「縫線核(ほうせんかく)」に良い刺激を与えると言われています。ちょっとイラっとして何か食べたくなったら、まずはひと呼吸おいて、足踏みしたり歩き回ったり、気持ちよく感じるレベルで首や肩を回してみてください。

  1. ガムを噛む

ガムを噛むことでもセロトニンが増えることが報告されています。集中力を高める効果も期待できますし、様々なフレーバーのものが出ていて楽しめますよね。

噛むことで顔の筋肉も使いますし低カロリーですからガムはダイエットの強い味方!虫歯予防や口臭予防になるものもありますし、その時のシチュエーションやシーンに合わせて上手く活用しましょう!

 ※参考:Prolonged rhythmic gum chewing suppresses nociceptive response via serotonergic descending inhibitory pathway in humans

  1. バナナ、乳製品、大豆製品のおやつを食べる

 セロトニンをつくる材料となる「トリプトファン」を含み、すぐに食べられるバナナや乳製品、大豆のヘルシーなおやつを用意しておくのも良いですね。たんぱく質やビタミン、ミネラルも摂れるのでアンチエイジングや美容にも効果的です!

②「手軽にお腹に入れられる食材」で食欲をおさえる!

無性に食べたくなった時、イライラしながら我慢したり、我慢できずについ食べてしまって落ち込むよりは、食べ物を少しお腹に入れることもおすすめです。かえって食欲をおさえられたり肥満を抑制する効果が期待できる食材を紹介します。

  1. 無糖の飲み物をたっぷり飲む(炭酸水、お茶、コーヒー、etc.)
  2. ヨーグルトを食べる(無糖のものにカロリー0の甘味料利用をお勧めします)
  3. ココアを飲む(純ココアがお勧め)
  4. 質の良いチョコレートを食べる(ハイカカオのものがお勧め)
  5. ドライフルーツやナッツを食べる(砂糖や塩が添加されていないものがお勧め
  6. チーズを食べる(少量)

③「その時にできる行動」で食欲をおさえる!

  1. 食欲をおさえるツボを押す

東洋医学(漢方医学)で「食欲をおさえることに効果あり」とされているツボがいくつかありますが、気になった時にすぐに刺激できる手のツボをご紹介します。

手のひらの生命線に沿って広がる「胃・脾・大腸区」と呼ばれる場所がダイエットや食欲抑制に効果があるとされていますので、気になった時に押したりマッサージしたりしてみると良いかもしれません。中指を内側に曲げた時に手のひらにくっつくところも「胃腸点」と呼ばれていて、こちらもダイエットに良いとされています。

こうしたツボが劇的に効果をもたらすとは思いませんが、優しく刺激すると抹消の血流も良くなりますし、気が紛れる効果はありそうですよね。

ほかにも食欲をおさえたり、ドカ食い・食べ過ぎを防いだりすることに効果的とされている行動を紹介します。

  1. 好きな音楽を聴く(できれば合わせて踊る!)
  2. 歯を磨く
  3. 熱めのお風呂に入るor 熱いシャワーを浴びる(短時間)
  4. いろいろ考えず、もう寝る!

こうして並べてみると「自分にもできそう」「自分にはこれが合いそう」というものが見つかるのではないでしょうか。

数ある対策の中から相性の良い方法を見つけていただき意識して続けることができれば、この冬を越えて春を迎えるころには「いつもよりポッチャリ化してない!」ちょっとシュッとした自分に気づくかもしれません。(私も頑張ります!)

(執筆/タニタ研究員・西澤美幸)

この記事を書いた人

西澤美幸
西澤美幸株式会社タニタ 開発部主席研究員 栄養士
1968年生まれ。横浜国立大学在学中よりタニタの体脂肪計のプロジェクトチームに参加。入社後は、世界初の乗るだけではかれる体脂肪計や体組成計、活動量計などの開発に携わり、機器の要となる計測の回帰式や判定アルゴリズム作成を担う。
29歳で社内初の技術系女性課長に就任し38歳で出産。栄養士の資格も有し文部科学省の食育有識者会議委員を務めるなど、さまざまな計測データを健康づくりに活かす提案を行い、栄養士と技術者の2つの視点から多数のセミナーの講師も担当している。

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