100 Questions
課題解決を仕事

課題解決を仕事双子が乗れる自転車の企画開発・販売の出発点は、自分自身が直面した課題。多くの人にも役立てたいと起業〈社会起業家/中原美智子さん〉

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きれいごとじゃない起業のリアル。どんな思いでビジネスを立ち上げたのか? 起業後の気になるお金のリアルについて中原美智子さんに聞きました。

プロフィール

「命の誕生を当たり前に喜べる社会」をつくる社会起業家中原美智子

社会福祉士。株式会社ふたごじてんしゃ代表取締役。特定非営利活動法人(NPO法人)つなげる代表理事。1971年、大阪府生まれ。2003年に長男、10年に双子(次男三男)を出産。多胎育児の難しさに直面した経験から双子同乗自転車を発案、メーカーへの企画提案・営業活動を自ら行い、16年に株式会社ふたごじてんしゃを設立。

どんな仕事をしていますか?

今の仕事はなんですか?

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子どもができたことで、これまでの生活を諦めるしかなかった人たちへ、別の手段を提示したりサポートしたりすることで、「自分らしく出来ること」を届けるのが仕事です。具体的には現在、双子が乗れる自転車の企画開発・販売等を行う株式会社ふたごじてんしゃと、双子や多胎児の子育て支援を行うNPO法人つなげるを立ち上げて取り組んでいます。

いきなり起業しましたか?

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もともとは、自分の課題(双子を育てていく中で感じた、疎外感、ひきこもり、閉そく感にマイノリティ。心だけではなく行動までも制限する移動問題に着目。それに立ち向かうべく、はじまりは双子が乗せられる自転車をつくりたかった)を解決したくて活動していました。それが、多くの人にも役立てたいと考え起業しました。さまざまな職種経験あり。

起業したきっかけは?

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双子が乗せられる自転車「ふたごじてんしゃ」を製品化するにあたり、個人活動では信用が得られないこと、困難が予想される事業になるので、責任をもって事業化し継続することを約束する気持ちから2016年に設立しました。準備期間は約3年程度。NPO法人はそれから2年後に設立。

起業して「きついな…」と思うことがある?

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ものづくりが予定どおりあがってこないとき。事業拡大に資金的余裕がないとき。同じレベル感で話せる人がみつからないとき。

起業して「よかった!」ことは?

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実現したい社会を、自分の手で創り上げていけること。チャレンジしたければ即実行できること。

起業して気づいた「自分の甘さ」は?

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新しいチャレンジに尻込みしてしまうとき、まだまだ覚悟が足りないなと思うことがある。

起業する前にどんな準備をした?

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起業するためではないけれど、考えの整理や前進するために「創業スクール」へ通ったことがありました。また、独身のころに法律系の予備校で学んでいた経験は、新事業立ち上げや契約書を読むときに気をつけるべきポイントのアンテナが立つのでよかったです。

「起業の壁」トップ3を教えてください!

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3位 人を雇う側の大変さを知る、2位 理念をとことん追及してしまうため一筋縄でいかなくなる、1位 自分の弱さに飲み込まれないようにすることがいかに大変か。

今の仕事で「一番、頭にきたこと」はなに?

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事業化について相談へ行った先で、こちらが言語化できていないところをくみ取ることもせず表面的な対応しかされなかったときは、まともに相手にされていないんだと感じてとても悔しかった。

起業前の自分に言いたいことは?

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必要としてくれる人のムーブメントがこんなに広がったよ。信じて進めてきてよかったねと言ってやりたいです。

お金のリアルを教えてください

最初に稼いだ金額はいくらですか?

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300万はなかったと思います。しかも、ふたごじてんしゃを販売して得たものではなく、法人とは別に掛け持ちの仕事をしてその売上を充てていました。お金も時間もなく、とても苦しい時期でした。ただ、絶対に事業化できるんだと自分が一番信じていたとおもいます。

「思っていたほど稼げなかった」?「思った以上に稼げた」?

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稼ぐという言葉が、あまりそぐわないので言い換えたいのですが、ふたごじてんしゃのユーザーさんが増えるという意味で伝えると、ユーザーさんが爆発的に増えたわけではありません。製造が滞り機会損失があったのは痛かったです。

過去最高の売り上げは?

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発売当初は、入荷後に即完売しました。

起業資金はどれくらい貯めた?

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もともと、独身時代に貯めていたものを使いました。起業資金は300万程度でした。

値付け、価格設定の悩みは?

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法人化して数年は販売できるものがなかったのでとても苦しく、当初は会社が存続できるよう報酬額を決めていました。現在もそうたいして変わらないです。

「コレができたら」もっと稼げる?

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稼げるというか、自分がやっていることが社会全体に広がるようにするにはどうしたらよいのか常に考えています。自転車が移動手段ではなく、子育て支援や養育支援のカテゴリーとして認知されたら、いま車両をつくっている企業さんに様々な提案やコンサルティングができるようになり、多くの人の「嬉しい」をつくれると考えています。

お金より、休みやゆとりが欲しい?

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そもそも、お金とお休みを天秤にかけることがないので思ったことはありません。お金があることで、自分が苦手なところやもっと素敵に仕上げたいところを、人に任せたいと考えることはあります。

軌道に乗るまでの期間は?

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常に、事業継続について危機感をもっているので答えづらいですが、会社がなんとかやっていけそうだなとおもえたのは、設立してから3年目くらいからです。

お金のトラブル、未払いなどの経験は?

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いまのところはありませんね。

法人化していますか?

インタビュアー顔写真

法人化しています。

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