タニタ研究員の「ダイエットで人生変える」授業タニタ研究員の「食べながら痩せる」ダイエット。食べる前に水を飲むだけで効果5倍超? 食べ方を変えるだけの健康ダイエットとは?
見た目を変え、仕事に役立つ!毎日の小さな積み重ねで 1 ヶ月後の身体が変わる!タニタ研究員が実践してみて効果のあった、痩せる食べ方をチェックしよう。
プロフィール
インタビュアー、スタートアップ広報中村優子
前回の記事「タニタ研究員の「チリツモ」ダイエット。忙しくても背筋を伸ばすだけ。無意識レベルで 1 ヶ月後に体が変わる!」から引き続き、「面倒くさくなく」「時間をかけず」迫力ドスコイボディまで行かないよう、なんとか踏みとどまり、引き戻す方法をご紹介します。ダイエットもビジネスも「継続は力なり」!
目次
食事の前のひと工夫でからだが変わる!
食前に無糖の飲みものを多めに飲んでおく
国際的な医学誌「OBESITY」にバーミンガム大学の研究として「食前に水を飲むことによる減量効果」に関する論文が掲載されています。毎食、食事の 30 分前に 500ml のミネラルウオーターを飲んだグループは、試験をはじめてから12週間後、体重が平均で4.3kg減少しました。論文を書いたHelen M. Parretti先生(行動医学の先生)は、「水で胃がふくれるためにある程度の食欲が落ち、食べ過ぎを防止できるからではないか」と考察しています。
無糖で0kcal の飲みものであれば効果は同様と思われますが、とくにカリウムやマグネシウムを多く含む硬度が高めのミネラルウオーターや脂肪燃焼作用の機能性のあるお茶などは、よりいっそう代謝を高めるのでおすすめです。
食前に水を飲むことによる減量効果(12週間継続した結果)
食事の「順番」を見直そう
野菜や海藻など「繊維のあるもの」や「ヨーグルト」を先に食べる
野菜やヨーグルトを先に食べることで、血糖値の上昇を抑える効果が確認されています。糖を脂肪として取り込むインスリンの分泌を抑制できるだけでなく血管のダメージを抑えられるので、アンチエイジング効果も期待できるといわれています。ヨーグルトを先に食べるとカルシウムの摂取・吸収という面でも利点があります。
同じ食事内容で食べる順番だけを変えた場合の血糖値変化
食べる順番指導の有無によるHba1c(高血糖の指標)の推移
食事の「内容」を見直そう
食べながら燃やす「たんぱく質」を組み合わせる
たんぱく質は食べた後、消化吸収の過程でたくさんのエネルギー(カロリ―)を使います。いわば「食べながら燃やしている」という状態に。しかも、たんぱく質は筋肉を作る材料です。筋肉を増やして代謝を上げたり、血行を促してお肌をきれいに保ったりする効果も期待できます。
豆、野菜、キノコ、海藻を中心に
豆や野菜、キノコ、海藻のように、食物繊維が多く低カロリーなものをたくさん組み合わせることで、満足感がUP。食べ過ぎを防ぎ、腸内環境を整え、余分なものを排出する作用を高めることができます。さらにビタミンやミネラルも豊富なので、美肌やメンタルの安定、体調を整える効果もあります。
良質な「糖質」「脂質」を選択
主食(糖質)は「野性に近いもの」を選ぶ
・ご飯なら:玄米、麦、五穀米など
・パンなら:ライ麦パンや全粒粉のパン
・麺なら:そば(できれば色の濃いもの)
主食を野性に近いものに置き換えると血糖値の上昇が抑えられ、少量で満腹感が得られるだけでなく、ビタミンやミネラルも摂取できます。
油を摂るならオメガ3系オイルや中鎖脂肪酸で満足感をUP
・オメガ3系オイル:亜麻仁油やエゴマ油、クルミ
・中鎖脂肪酸:MCTオイル、ココナッツミルク
油を摂るときは、できるだけオメガ3系オイルやMCTオイルを選びましょう。クルミやココナッツミルクを少量プラスしてもいいですね。血液の流れをよくしたり、脂肪燃焼を促進させたりする効果が発表されています。少量でもおいしくて満足感が格段にUPします!
食事の後は、軽くからだを動かして
食後はついゆっくり休みたくなりますが、そこはグッと我慢。少しだけでもいいので歩き回ったり、階段を上ったり下りたりしてからだを動かしましょう。それだけで、血糖値の上昇がかなり抑えられることが分かっています。
食後の血糖値の推移
痩せる「食べ方」をおさらい
- 食べる前に無糖の飲みものを多めに飲む
- 野菜や海藻orヨーグルトから食べる
- たんぱく質&野菜・キノコ・海藻を組み合わせる
- 主食は「野性に近いもの」を選ぶ
- クルミやココナナッツミルクで満足感UP
- 食後は少しでも動く!
これらはズボラで面倒くさがりな私(笑)でも比較的かんたんにできていて、どれもちょっとだけ意識すればできることばかり。全部を毎食しっかりやらなくてもよいので、ご自身のやりやすいものから取り入れてみてはいかがでしょうか。選択を少し変えるだけでからだが変わっていくことをぜひ楽しんでくださいね。
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この記事を書いた人
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1968年生まれ。横浜国立大学在学中よりタニタの体脂肪計のプロジェクトチームに参加。入社後は、世界初の乗るだけではかれる体脂肪計や体組成計、活動量計などの開発に携わり、機器の要となる計測の回帰式や判定アルゴリズム作成を担う。
29歳で社内初の技術系女性課長に就任し38歳で出産。栄養士の資格も有し文部科学省の食育有識者会議委員を務めるなど、さまざまな計測データを健康づくりに活かす提案を行い、栄養士と技術者の2つの視点から多数のセミナーの講師も担当している。