Interview
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全国515カ所にある商工会議所とは?商工会議所って何をしてくれるところか突撃取材してみたら、起業・創業の無料相談の手厚さに驚いた〈日本商工会議所・杉健太郎さん/第1話〉

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知ってるけど、実はよく知らない商工会議所。起業や創業するなら知っておいた方がお得?でも一体、商工会議所って何を会議するところ?I am が取材してきました。

グローバル企業でさえもリストラのニュースが流れる時代。一つの会社だけに寄りかかって働くのは、もはや安心とはいえなくなりました。そうした中で会社員が起業を考えたとき、手厚いサポートをしてくれるのが全国515カ所にある商工会議所です。そこで今回は商工会議所がどんな支援を行っているのか、さらには会員になるメリットについて全国の商工会議所の総合調整機関である日本商工会議所の中小企業振興部 杉健太郎さんにお話を伺いました。

商工会議所とは?

商工会議所って何をするところですか?

名前は聞いたことがあっても「何をやっているかよくわからない」という方が多いのではないでしょうか。

商工会議所は各地域の発展を目的に、商工業者(会員企業)の意見を集約した政策提言・要望活動や、中小企業の経営支援、人材育成、地域振興事業など、幅広い活動を展開しています。こうした活動の一つに、起業・創業したい人向けのサポートなどもあります。

商工会議所は全国に515。そんなに多いと地域によって違いがありますよね?

ものづくりの町、金属産業が盛んな町、観光資源や自然が豊かな町など、それぞれの商工会議所が地域の特徴を生かした様々な活動に取り組んでいます。一例として、地域資源を活用した特産品の開発・販路拡大、中心市街地活性化のためのイベント、業種別の交流会、経営課題を解決するセミナーなど多岐にわたります。地域のお祭りや花火大会なども、商工会議所が携わっていることが多いです。

起業・創業を考えた時の最初の相談先として

全国の商工会議所には、税務、労務、経理など経営に関するさまざまな相談が無料でできる窓口があります。起業・創業についても、何から始めれば良いかといった最初の段階から相談に乗ってもらうことが可能です。例えば創業時の資金繰りや事業計画、補助金の活用、さらには創業後の販路開拓や各種手続きなどもサポートしています。

また、商工会議所を通じて人脈を広げることもできるため、事業者にはさまざまなメリットがあります。

ここまでお話を伺い、商工会議所の手厚いフォローに私も驚きました。

創業セミナーが充実している

各地の商工会議所は、それぞれの地域で創業を検討している方を対象に、さまざまな創業セミナーを開催しています。

コンサルタントや中小企業診断士など専門分野の講師から、最初のステップである開業の手続きや税務申告、事業計画作成、地域の融資制度の紹介など必要な情報を学べます。

また、次のステップである、売れる商品の作り方や顧客の見つけ方、さらにSNSを使った情報発信、DMやチラシの作り方など、販路開拓に不可欠なノウハウまで指導してくれる講座もあります。

ちなみに、商工会議所が実施する創業セミナーを通しで受講し完了となった場合、市など自治体の創業支援補助金が受けられるケースもあります。

以下は商工会議所が行っているセミナーの例です。参加費は無料の場合から数千円程度のものまでありますので、詳細は最寄りの商工会議所にお問い合わせください。

創業の心構えからビジネスプラン作成までサポート

A商工会議所

マーケティング戦略やITツールの活用、会計・税務の基礎など各分野に精通する講師が、創業に必要な知識の習得を伴走サポート。6日間の集中講座を通じ、創業を目指す仲間づくりや人脈形成も

創業から軌道に乗るまでのノウハウを学べるスクール

B商工会議所

計画・資金・集客・手続・広告といった、失敗しない創業、売上を伸ばしていくために必要なノウハウを学べるスクール。2回の集中講座に加え、経営・財務・販売促進など12の動画セミナーが自由に受講可能

創業に必要な知識を短期間で習得

C商工会議所

経営戦略・マーケティング・資金計画など、12回の講座を通じ幅広い分野の講師から学べるセミナー。事業計画策定の個別相談もあり、最終回は参加者による発表会も実施

創業経験者から起業の心構えを直接聞く

D商工会議所

地元で実際に起業した人から、体験談を通じ創業の心構えを学ぶことができる、座談会形式のサロン。創業経験者から生の声や心構え、失敗談まで聴ける貴重な機会に

起業を考えている人にとって、商工会議所は「使える」と感じますが、入会するメリットはなんでしょうか?

「今は起業・創業に関する情報は、インターネットや動画からいくらでも手に入る」そう思われる方もいらっしゃるでしょう。しかし、商工会議所では創業希望者に必要な最新の情報がまとまって入手できますし、個々の実情に応じた相談に乗ってもらえるというメリットがあります。

ネット検索で起業に必要な情報を調べようとすると1からリサーチしなければならず、思いの外時間がかかります。必要な情報を集めるためにはどうしたらよいのでしょうか?

本気で起業を考えているのに、古い情報を見て遠回りしたり、創業を断念したりすることを防ぐためにも、商工会議所にコンタクトするのが最善策でしょう。創業時だけでなく、創業した後も、日々の経営相談はもちろん、取引拡大のための商談会や交流会、人材採用支援など、伴走型の支援・各種サポートが充実している商工会議所を利用しない手はありません。

どうやって商工会議所に入ればいいのでしょうか?

商工会議所は原則その地区内(主に市)の商工業者であれば個人・法人問わず入会いただけます。

最寄りの商工会議所はHPより確認できます(https://www5.cin.or.jp/ccilist)。 地元の商工会議所のHPにアクセスし、一度現地で相談してみてはいかがでしょうか?きっと商工会議所があなたの力になってくれるはずです。


「教えてくれる情報が最新である」

「今のトレンドに沿った情報がある」

「新しい知見が得られる」

などがあるともっと嬉しいなと思いました。

多種多様な起業コンサルやオンラインサロンがある中で、何を基準に選んでいいかわからない人にとっては「安心感」が商工会議所の一番のメリットでしょう。今から

2話に続く。

この記事を書いた人

I am 編集部
I am 編集部
「好きや得意」を仕事に――新しい働き方、自分らしい働き方を目指すバブル(の香りを少し知ってる)、ミレニアム、Z世代の女性3人の編集部です。これからは仕事の対価として給与をもらうだけでなく「自分の価値をお金に変える」という、「こんなことがあったらいいな!」を実現するためのナレッジを発信していきます。

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