やりたいことがなくてもなんとかなる! 筋肉をビジネスにした筋肉紳士集団ALLOUT代表・AKIHITOインタビュー第2話
「日本の筋肉人口が増えればGDPが上がる」が信条。ノープランで起業し、数々の失敗を重ねながらも、筋肉美を活かした日本初の筋肉ビジネスが大ウケ!筋肉触り放題イベント、マッチョフリー素材、企業コラボなど、筋肉ニーズを掘り起こしました。
プロフィール
筋肉紳士集団ALLOUT代表 / 株式会社スマイルアカデミーCOOAKIHITO
「やりたいこととニーズがマッチするかわからない」方に朗報。
テレビ出演をはじめ、「マッチョフリー素材」がTwitterで話題の筋肉紳士集団AKIHITOさん。やることが決まっていないのに会社を辞めて、会社を設立したあと、どうやってビジネスを作ったのか? マッチョマニアな本人でさえも思いつかなかったところに、意外なニーズがあったといいます。第1話に引き続き、株式会社スマイルアカデミー(以下スマイルアカデミー)のCOOであり、「筋肉紳士集団ALLOUT」の一員でもあるマッチョ起業家に「ニーズの見つけ方」「ニーズへの応え方」と「モチベーションの見つけ方」の秘訣を伺いました。
全2話、前編はこちらからどうぞ。
目次
需要はどこにあるかわからない「筋肉触り放題」イベントに手ごたえ
ただ、それまで筋肉ビジネスというものが世の中になかったので、どうしたら世の中に受け入れられ、筋肉を広められるかを、イベントの企画をしながら模索し続けました。
そんな中、福岡で「マッスルカフェ」という、“筋肉触り放題&熱狂し放題!”をコンセプトにした自社のイベントを開催したところ、想像以上に集客があり、実際に筋肉に触れたお客さんが予想以上に喜んでくれたのです。そのときに、「筋肉にはニーズがある」と改めて感じました。多くの人にとって、あれだけ美しく作り上げた肉体の集団を見たり、触れたりできる機会ってそれほどありませんから。
そこで、東京でもマッスルカフェを開催しようとリリースを出すと、数時間でチケットが完売。その次の回もすぐに完売となり、徐々にクライアントのついたイベントを行えるようになりました。お客さんだけでなく、接客するメンバー、クライアントの3者すべてにとって満足度が高いイベントになってきていることに手応えを感じ、今はそれを少しずつ広めていっている状態です。
筋肉ビジネスを始めた頃は、懐疑的、批判的な意見もありました。ところがメディアに取り上げられるようになってから世間の目が変わり始め、営業に行っても、「面白いことを展開しているね」と反応がもらえるようになりました。とくに、筋肉と関係性がないものとコラボすることで非日常感が出せ、インパクトのあるプロモーションが打ち出せるということで、興味を持ってくれる会社が多くなってきました。
ただ、せっかくマッスルカフェが軌道に乗り始めたところで、まさかコロナの流行。今まで収益が多かったイベント系のキャスティングや、リアルイベント関係がストップ状態になってしまいましたが、CMやMV、YouTuberからの出演依頼など、映像関係をはじめ、幅広い案件の依頼をいただくようにもなりました。
また、コロナ禍でも体を鍛えたいという需要はありながら、スポーツクラブには行きづらいという方が増えたことにより、福岡で8店舗展開しているパーソナルトレーニングジムの利用者が増加。コロナ禍でも筋肉はきちんと収益をあげられるビジネスモデルに成長しました。
ポテンシャルに違いはない、違いをうむのは気持ち
起業したものの、何を行うかが決まらず迷走した地獄の1年半。あの紆余曲折の時期があるからこそ、筋肉をビジネスできた今は、毎日が楽しく、好きなことを仕事にできたという実感があります。
もちろん物理的、時間的にキツイと感じることは多々あります。例えば、マッチョフリー素材の撮影は、1枚1枚体を力ませてポージングするので、1日中行うともうヘロヘロ状態ですが、撮影を終えてもその画像のアップや事務作業など、やらなければいけないことは山ほどあります。でも、自分がやりたいことの一環だから「やって当たり前」と思え、辛いと感じたことはありません。会社員時代は、“やらされている感”が強く、「その役目は自分じゃなくてもいいんじゃないか」という気持ちがどこかにありました。だからやる気が起こらず、成績につながらなかったのだと思います。
人のポテンシャルは気持ちで大きく左右されるので、仕事ができる人とできない人の違いは、それほど大きくないと僕は考えています。では、その違いは何かというと、どれだけ“情熱”を持ってその仕事に取り組めるか、ということです。
会社員時代には、仕事に対しての情熱が足りず、逆に今はそれが常に持てているから、同じような事務作業でも以前はイヤイヤでしたが、今は事業を円滑に進める手段だから苦にならないのだと思います。
しかも、今、うちのオフィスはジム仕様になっていて、きっちりしたオフィスエリアがありません。だから、PC作業で疲れたらちょっと横に移動して筋トレをしたり、筋トレのインターバルの間にZoom会議したり。そういう意味では筋トレや事務作業の境目がなくなって、仕事の一部としてできる環境になっていることも、苦にならない一因なのかもしれません。
人を楽しませるために“無理”はしない
会社の方針は“無理をしない”です。「筋トレで自分を追い込むトレーニー(トレーニングする人)なのに?」と思われるかもしれませんが、無理と追い込みは違います。追い込みは自分の体の状態を冷静に見極めて行いますが、無理は理由や道理がないのに行うので、能力以上の負荷が精神や肉体にかかってしまい、余裕がなくなってしまいます。自分たちが楽しくないと、僕たちと関わるいろんな方々にも楽しんでもらえないので、精神的にキツさを感じる状態は作らないようにしています。
例えば、社員はほとんどがトレーナーで、お客様に対するトレーニング本数を増やせば売り上げが伸びるシステムになっていますが、彼らには本数を増やすよりも、自分の成長を優先してほしいと言っています。
もちろん本数をこなした方が売り上げは増え、会社は安定しますが、売上金額を一番の目標に置いてしまうと、自分たちが追い求めているものが不明瞭になり、意志の統一がとれなくなってしまう。だから常に、自分達がどういう事業をやるべきなのか、やりたいことは何なのかを考え、それを一番に置くようにしています。
運命的な職業との出会いをするために
好きなことがある人は、まずそのことをそのまま突き詰めていくといいと思います。さらに、それを仕事にしたいのであれば、その魅力や必要性を、より多くの人に知ってもらう、伝えるということを始めると、それがビジネスや事業につながっていくと思います。僕も筋トレが好きで、その筋トレや筋肉の魅力を発信したい、伝えたいという思いが、こういう形になって広まってきていますから。
だから、やりたいこと、好きなことがある人は、それをどんどんやり進めていったらいいと思います。まだ好きなことがみつからない人は、とにかくいろんなことをやるしかない。チャレンジを恐れず、いろんなことをやってみたり、いろんな人に会ってみる。そうすれば、すぐに答えはでなくても、やり続けた先に何かしら見えてくると僕は思います。
全2話、前編はこちらからどうぞ。
取材/I am編集部
写真/AKIHITO
文/岡田マキ
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この記事を書いた人
- ノリで音大を受験、進学して以来、「迷ったら面白い方へ」をモットーに、専門性を持たない行き当たりばったりのライターとして活動。強み:人の行動や言動の分析と対応。とくに世間から奇人と呼ばれる人が好物。弱み:気が乗らないと動けない、動かない。