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「描くことが好き」以外に必要なものとは?イラストで副業してみてわかったこと。知っておくべきポイントと未経験からイラストレーターになる方法

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イラストレーターの仕事や特徴・やりがい 仕事内容ークライアントワークのこと イラストレーターはクライアントからの要望を聞き取り、その要望に応えたり、課題を解決したりするイラストを描くことがお仕事です。「絵を描く」という仕 […]

イラストレーターの仕事や特徴・やりがい

写真/shutterstock

仕事内容ークライアントワークのこと

イラストレーターはクライアントからの要望を聞き取り、その要望に応えたり、課題を解決したりするイラストを描くことがお仕事です。「絵を描く」という仕事の内容から、画家やアーティストと似た仕事だとみられがちですが実際の内容は大きく異なります。

大きな違いとして画家・アーティストとイラストレーターは絵を描く目的が挙げられます。前者が自分自身の表現したいことを描くのに対し、イラストレーターには明確なクライアントがおり、その依頼された内容に応えるイラストを描きます。

そのため、自分の好きな絵を好きなように描くわけではなく、いかに相手の要望に応えられるかを考えながら描いていく必要があります。 イラストレーターになるために特別な資格などは必要ありませんが、純粋なイラストスキルに加え、クライアントの要望を的確に汲み取り、形にできる能力が求められます。

特徴ー資格不要・自由・多様

イラストレーターが活躍する場所については多岐に渡ります。雑誌やチラシ、ポスターなどの紙媒体はもちろん、WebサイトやSNS、ネット広告などのデジタル媒体でも仕事のチャンスが多くあります。描くイラストの種類も、ゲームなどによく使用されるリッチなキャラクターイラストから、解説用のイラストやゆるキャラ、地図の作成など求められる場所は幅広くあります。

最近では動画が一般的になってきたことから、アニメーションイラストの需要も増えています。

また、イラストレーターの仕事は前述のとおり特別な資格などは必要ありません。クライアントの要望に応えるイラストを描くことができればOKのため、フリーランスであれば働く場所や時間、服装・生活スタイルなどを比較的自由に選ぶことが出来ます。ただし逆をいえば、全て自分の自己責任となりますので、体調管理やスケジュール管理が大事になってきます。

やりがいー多くの人に見てもらえる

イラストレーターとしての大きなやりがいの1つは、成果が分かりやすく目に見えることです。

自身が描いたイラストは多くの場合、たくさんの方の目に触れることになります。雑誌や街の広告、Web媒体など、みなさんが目にする場所で自身の描いたイラストが使われることは大きなモチベーションになります。自身のイラストが人の感情や行動にダイレクトに影響を与えることになりますので、そういった成果が見えやすい点も大きな魅力です。

仕事として行いますので、相手の意図を汲み取ったイラストを描く必要がありますが、自分のオリジナルの「色」を出すことで、他の人では代替のできない存在になることができます。「〇〇さんだからお願いしたい」と言ってもらえる仕事ができることは、大きなやりがいを感じられることだと思います。

また、絵は万国共通ですので、発信を続けていると言葉の壁を超えて予期しない場所で自分の絵が広がっていく可能性もあります。そういった世界と繋がる可能性を秘めているという点も面白い部分ではないでしょうか。

イラストレーターに必要な知識・スキル

必要な知識、スキルーまずは描くことが好き

1番はやはり「イラストを描くことが好き」という気持ちではないでしょうか。イラストレーターを目指す人の多くは、もともと絵を描くことが好きという人が多いです。大変な中でも継続的に続けていくには、やはり好きという気持ちは欠かせません。

「好き」の気持ちは、仕事として行っていく中で辛いこと、大変なことがあった際にも自分自身の支えになってくれます。そうした意味でも、イラストを描くということに対するプラスの気持ちが根底にあるということは重要です。

さらに、好きから発展させ仕事にするためにも日々の勉強・スキル習得が欠かせません。

習得するべきスキルは大きく分けると「イラストスキル」、「ツールスキル」、「コミュニケーションスキル」の3つがあります。

写真/shutterstock

イラストスキル

イラストスキルは、デッサンであったり色彩表現であったり、イラストの良し悪しに直接関わるスキルです。クライアントからの要望に応えるためであったり、自身のテイストを獲得するためにも常にイラスト力の向上が必要になります。

本で勉強してもいいですし、メンターになってもらえそうな先輩イラストレーターさんにお話を聞いたり、動画で学ぶことも良いかと思います。

ツールスキル

2つ目のツールスキルも重要な要素です。使用するツールによって描けるイラストのテイストは変化しますので、自身にあったツールを見つけるようにしましょう。

アナログであれば鉛筆、水彩絵の具、アクリル絵の具などをあげることができます。また、デジタルであればAdobe Illustrator、Adobe Photoshop、CLIP STUDIO PAINT、ペイントツールSAI、アイビスペイントなど多くの描画ソフトがあります。ソフトの費用や描けるテイストも様々ですので、ご自身の描きたいイラストによって選ぶ必要があります。道具についてはマウスやペンタブレッドに加え、最近はiPadで描く人も増えている印象です。

デジタルで描く場合には、ソフトの使い方が分かっていないと絵が描けませんので、自身の描きたいものを表現するためにも積極的に習得していく必要があります。

最近は動画や3Dなど新たな表現の需要も高まっていますので、それらのツールも興味があれば触っていくことをおすすめします。

コミュニケーションスキル

3つ目はコミュニケーションスキルです。絵を描く仕事なので「人とのコミュニケーションはそこまで必要ないのでは?」と思われることも多いですが、実際は非常に重要です。

相手の要望を的確に理解し、イラストに反映させるヒアリング力であったり、案件途中の進行方法であったり、重要な場面が多々あります。

また、多くの場合は自身が経験したことのない別業界のクライアントと仕事をすることがほとんどですので、そうした業界背景の違う人と上手くコミュニケーションを取る必要があります。

そうした意味では、未経験でもイラスト以外の業界を経験している人は、より自身の実体験から異業種の方の伝えたいことや、分かりづらく感じるポイントなどが理解しやすいのではないかと思います。また、別業界での経験がある場合、その業界に関するイラストには説得力も生まれやすいですし、クライアントともコミュニケーションも取りやすいはずです。自身の詳しい業界・分野でイラストスキルを伸ばすというのも、未経験から活躍するための1つの方法です。

上記以外にもフリーランスとして活動していく場合であれば、お金周りやその他の業界の知識など幅広い理解が必要になってきます。

新しい知識や経験を積極的に吸収していける好奇心があることも、イラストレーターにとっては大きな武器になります。

イラストレーターになる方法

ここから具体的な勉強方法を紹介していきます。

よく言われるのが「名乗った日からクリエーター」。SNSで自己表現した結果、イラストレーターとして、アーティストとして世界に羽ばたく人はたくさんします。しかし好きな絵を描いて発信した人がすべてイラストレーターとして活躍できるわけではありません。仕事としてイラストを描くことができるようになるためには、基礎を身に付けておくことも必要です。

勉強方法① 専門学校・大学にいく

ここから具体的な勉強方法を紹介していきます。

1つは専門的なスキルを身に付けるために学校に行くことです。

基礎スキルの向上、考え方の土台を作る意味でも、学校で勉強する意味は大きいかと思います。

同じ目標を持った仲間に出会えることも学校に通う大きなメリットです。

ただ、必ずしも仕事では「上手い絵」が必要とされるわけではなく、あくまで見る側の要望にあったイラストが必要とされます。

純粋な絵のスキルを学ぶと同時に、相手の要望を汲み取る力や、円滑なやりとりのためのビジネスコミュニケーションも積極的に学んでいく必要があります。

勉強方法② 独学で学ぶ

イラストで最も必要な勉強として、「とにかく手を動かす」を挙げるイラストレーターは多いです。何よりも枚数を重ねてきたイラストレーターはやはり強いです。

本から知識を得る、活躍している先輩に直接話しを聞きに行く…方法は様々です。

そうした中でも、やはり実践してみることが何よりも勉強になります。知り合いになにか描かせてもらえるように頼んでみたり、クラウドソーシングを活用するなどして、実際の案件の中で覚えていくことがおすすめです。

相手の要望に応えてイラストを描く機会を少しでも多く作っていくと良いかと思います。

以上、勉強する方法についてお伝えしましたが、勉強する上でイメージカットと説明カットの違いを理解しておくことも重要です。

イメージカットは名前の通り、そのイラストによって見る人にイメージを伝えます。イラストレーターの持つタッチとクライアントの求めるコンセプトが合致し、さらにイラストレーターのキャラクターが合致すれば発注につながります。

このイラストには、相手の感情を動かす独自性や訴えかけるものがより重要になってきます。

説明カットは、ある事柄の解説をするためのイラストです。この場合、感情を動かすよりも事実がちゃんと相手に伝わることが優先されます。例えば、ヨガのポーズのイラストを描く場合、人体の構造を理解した上でデフォルメしていくという作業が必要になります。そのため、現実に存在するものの形をよく観察し、勉強しておく必要があります。

自身がどんなイラストを描いていきたいのかを考え、そして常に勉強やスキルアップを欠かさないことが大切です。

多くのイラストレーターは、昔の自分の絵を見るのが恥ずかしいと言います。なぜなら、どんどんスキルが上がるので毎日上達しているからではないでしょうか。もちろん自分の仕事には自信と責任を持っていても、毎日スキルアップするのがプロなのでそういう感覚に陥る人が多いといえます。

〈経験談〉未経験の私がやったこと

ここからは、実際にイラストレーターとしても活動している筆者が、イラストで収入を得られるようになるまでにしたことをご紹介したいと思います。

自分自身の経歴を簡単にお話すると、元々印刷のメーカーで8年、営業職をしていました。イラストを描くこと自体は小さい頃から好きでしたが、仕事にできるとは思っておらず、就職の道を選びました。ただどうしても絵を描くことを諦めきれず、営業の傍ら、イラストやデザインの仕事を副業で行うことにしました。

その後転職し、Webデザイナーを1年経験した後に、フリーランスとして独立。現在はイラスト制作やWeb制作の仕事を中心に行っています。

営業職をしていた副業期間中に、どのようにイラストの仕事を増やしていったかについて書きたいと思います。

知り合いに頼んで描かせてもらう

「イラストを仕事にしよう!」と思ったときにまず行ったことは、知り合いに頼んで描かせてもらうことでした。

この段階では、まだスキルや実績がほぼない状態でしたので、あくまでこちらから頼んで描かせてもらう段階でした。そのため、実績として紹介させてもらうという条件で金額は無償・もしくはかなりの低単価で受けていました。

知り合いがカフェイベントをやると聞けば、メニュー表をイラストで描かせてもらったり、SNSの似顔絵がほしいと言われればそれを作成しました。

そうした中で、クライアントの要望に合わせたタッチの開発であったり、ツールの使い方を都度覚えていきました。「必要性」を感じないことはなかなか覚えられないと思ったので、ただ絵を描く練習をするのではなく、描かざるを得ない状況を作り、実践の中で経験値を増やしていくことを意識していました。

実際、小さい頃から趣味で描いていたとはいえ、「お客さん」がいる状態で描くのは全く勝手が違いました。例えば似顔絵を描く場合、絵がうまい・下手以前にモデルになった人や周りの人に「似てる!」という感情を持ってもらう必要があります。ただモデルの見た目をそのままに描くのではなく、いかに特徴を捉えつつ、それをプラスに感じてもらえるようにするかといった、単純な絵の良し悪し以外の部分も大事になってきます。

案件として描く際には、そうした相手にどう感じ取ってほしいのか、を意識することが必要だと分かりました。

下記のイラストは、実際にお客さんを相手にイラストを描き始めて1〜2年の頃です。描き始めたのが2015年くらいからでしたので、年齢としては大体28歳の頃になります。

福井氏がイラストを描き始めてから5〜7年経ったときのイラスト
イラストの仕事をはじめて1、2年の頃の作品

「イラスト教室」に通う

1とほぼ並行して1年ほど社会人向けのイラスト教室にも通いました。今まで美大に行った経験があったわけでもなく、ずっと独学で描いてきていたため、一度教えてくれる人がいる場所で学びたいと思ったからです。

私が通った社会人スクールは約8ヶ月のコースで、週1回2~3時間程度の授業がありました。

授業料は概ね20万ほどで、決して安いとは言えない金額でしたので、学びに来る方も皆真剣です。

あらかじめ出された課題を授業までに仕上げてきて、当日講師の方から講評を受けます。ほぼ毎週課題が出るようなカリキュラムで仕上げることが大変でしたが、好きなだけイラストを描ける環境は非常に刺激的でした。

他の人の講評も合わせて見ることができ、同じテーマでも人によって様々な表現があり、且つ他の生徒が受けているアドバイスも自分の作品に生かすことができ、学びの多い1年となりました。

その後もクラスのメンバーとは、一緒にグループ展をするなどで交流が続いています。

クラウドソーシングに登録

ある程度実績ができた段階で、クラウドソーシングに登録しました。軽い気持ちで登録していましたが、低単価だったこともあってか様々なイラストのご依頼をいただくことができました。

はじめは最低価格の500円で受注(現在は最低単価も上がっているようです)し、徐々に1,000円、2,000円と上げていきました。

クラウドソーシングの良いところは誰でも始められるところと、様々な業種からご依頼をいただくことができ、イラストの経験値をどんどん増やすことができます。

実際、クラウドソーシングでの受注は副業として、4年ほど積極的に行っていました。

ただ手数料が発生することと、業界的な慣習からどうしても低単価になりがちです。

依頼する側は、多くのクリエイターの中から選択しますので、「あちらのイラストレーターはもっと安かった」という話にもなる場合があります。

活用方法は人それぞれかと思いますが、まずは実績作りのつもりで活用すると良いかと思います。

もし長く活用していく場合には、明確な付加価値を付け、他のクリエイターと比較される状況でも選んでもらえるような工夫が必要となります。

そういった意味では、同時にマーケティングの勉強にもなるかもしれません。

デザインを勉強する

イラストとは別になりますが、独学でデザインの勉強も行いました。昔からデザインにも興味があったことと、イラストを描く上でも活かせる要素が多いのではないかと思ったからです。知り合いづてで名刺やロゴの依頼を受けたりしつつ、実践の中でレイアウトの組み方やツールの使い方を覚えていきました。また、計1年ほどデザインスクールでの勉強も行いました。イラストと同様、教えてもらえる環境に一度身を置きたいと思い、グラフィックデザインを半年、コーディングを半年勉強しました。

結果、Webサイトの制作に付加価値としてイラストを作成したり、イラスト制作にデザインの経験を取り入れたりするなど仕事の幅を大きく広げることができました。

下記はWebのデザインやイラストなどを全て自分で作成しています。

2020〜現在までの作品なので、実際に案件でイラストを描き始めてから5〜7年経ったときのイラストとなります。

福井氏がイラストを描き始めてから5〜7年経ったときのイラスト
イラストの仕事をはじめて5〜7年後の作品

以上、私自身が行ったことをご紹介しました。自分自身、イラストを仕事で描き始めたのは20代の終わりくらいからでした。スタートは遅かったですが、その分異業種で仕事をしていた経験が強みとしてイラスト制作に活かせていると感じます。スケジュール調整の方法や、クライアントとのやり取りにおいても、異業種で得た経験は確実に活かせていると感じます。

また、営業としての経験や元々人と関わることが好きというのもあり、コミュニケーション手段としてのイラストに昔から興味がありました。「上手な絵を描きたい」よりも「相手に情報を伝えるための絵が描きたい」という想いが根幹にあります。

そのため、図解やインフォグラフィック・マインドマップなどの分野には必然的に興味が湧きました。参加したイベントの内容をマインドマップでまとめてみたり、Pinterestなどで分かりやすいと思ったインフォグラフィックを常に収集したりしています。

そういった分野は、純粋なイラストスキルよりもコミュニケーションとしての要素が強いため、今までの経験を活かして活躍しやすいのではないかと考えています。

未経験からでも、それまでに得た経験や、自身の興味と掛け合わせることで、他のイラストレーターにない強みを作ることができると思っています。

美大卒じゃなくてもイラストレーターになれる

未経験からイラストレーターになられた方の記事をご紹介したいと思います。

イラストレーターの「えんぴつ座」さんは大学卒業後、約10年間食品メーカーで会社員として働かれていました。仕事内容も食品の分析・検査をされていたということで、イラストとは全く関係のないものであったとのこと。

イラストレーターに転身後はSNSの活用やポートフォリオ、モックアップの作成など、見る人にとって分かりやすくなる工夫を常にされているえんぴつ座さん。

未経験から仕事を広げていくためにできること・考え方がたっぷり詰まった記事ですので、ご興味ああればぜひ読んでみてください。

〈まとめ〉未経験からイラストレーターを目指すには

今回は未経験でイラストレーターになるために何をすればよいのか?を自身の経験も交えてお伝えしました。

イラストレーターは資格が必要でない仕事である分、キャリアの重ね方は千差万別です。

少し大きな話しにはなりますが、AI技術の急速な発達により、仕事のあり方は今大きく変わっている最中です。

様々な仕事が自動化される中、イラストを瞬時に制作するツールなども出てきています。

イラストのお仕事がなくなっていくのでは? と言われることもありますが、実際はそうはならないと個人的には感じています。

イラストレーターの仕事は、相手の要望や課題を汲み取り、それを解決できるイラストを提案することです。

AIの力で綺麗なイラストが簡単に作成できるようになったとしても、相手の要望を汲み取り、適切な提案をすることは人の手でしかできません。

今後、手を動かすだけのイラストレーターは仕事が少なくなっていくかも知れませんが、相手とコミュニケーションをとり、その課題を解決するために一緒に考えられるイラストレーターは、未経験からはじめても間違いなく需要があると思います。

今回の記事が、未経験からイラストレーターを目指される方の参考になりましたら嬉しいです。

文/福井 克彦

この記事を書いた人

I am 編集部
I am 編集部
「好きや得意」を仕事に――新しい働き方、自分らしい働き方を目指すバブル(の香りを少し知ってる)、ミレニアム、Z世代の女性3人の編集部です。これからは仕事の対価として給与をもらうだけでなく「自分の価値をお金に変える」という、「こんなことがあったらいいな!」を実現するためのナレッジを発信していきます。

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