Interview
インタビュー

「好きなことで、お金を稼ぐ」の落とし穴って?夢があればお金はいらないなんて嘘! 好きなことでしっかり稼ぐためには?〈Chapters代表・森本萌乃/第2話〉

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ずっとやってみたかったことや、思いついた素敵なアイディアを夢だけで終わらせない心のあり方と、成し遂げるために必要な行動とは?

プロフィール

株式会社MISSION ROMANTIC代表/Chapters書店主人 森本萌乃森本萌乃

株式会社MISSION ROMANTIC代表/Chapters書店主人。1990年東京生まれ。書店×マッチングのプロトタイプとなるマッチングサービスをアナログで立ち上げ、「本棚で手と手が重なるように出会えるオンライン書店・Chapters bookstore」を21年6月にオープン。現在20〜30代の独身男女に本を通じた出会いを提供。

本を通じた出会いを提供する、マッチングサービス「Chapters」を立ち上げた、MISSION ROMANTICの代表、森本萌乃さん。

大手広告代理店に入社した後、外資系起業とスタートアップの会社への二度の転職を経験した森本さん。2つめの転職先で働きながら、「『耳をすませば』のようなロマンチックな出会いを提供したい」と、起業に踏み切り、「Chapters bookstore(以後チャプターズ)」をリリース。

夢をカタチにする方法を伺いながら、その裏側にある日々の苦労、課題を今まさに乗り越えて邁進する姿に触れました。

*全3話 3話はこちらからどうぞ

チャプターズの事業軸は本と人、2つの偶然の出会い

ライター顔写真

改めて、マッチングサービス・チャプターズについて教えてください。

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はい、私たちは主に2つの出会いを提供しています。まず、タイトルと著者名が隠され、代わりにイメージしたビジュアルやテーマ、推薦文だけが提示された4冊の選書の中から、ピンとくる本をお客様にそれぞれ1冊選んでもらいます。これがひとつめの出会いです。

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本との出会いですね。もうひとつは?

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本を読んだら、ビデオチャットを使って、同じ本を読んだ人同士で感想をシェアします。これが2つめの出会い。感想をシェアした相手が未来の親友や恋人になることをイメージしています。

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本のタイトルを隠す理由は何ですか?

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その後の出会いも含め、デジタル化した社会の中で失われてきている「偶然」を大切にしているからです。いつも自分では手に取らないような本にふいに出会えたりすると、楽しいじゃないですか。
ちなみにビデオチャットに入るまでは、相手の顔もわからないようにしています。わかっているのは「同じ本を読んだ人」ということだけです。

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あからさまに出会いを目的としていない感じがいいですね。本好きな人と出会えそうですし

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はい。出会うために使うサービスではなくて、使っていたら出会えちゃった、という感覚を大切にしています。だから、書店なんです。実際にユーザーの7割は「これをきっかけにして離れていた読書を再開したい」という人たちです。

「今の自分に満足してない」ときにやるべきこと

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Iam読者の中には「今の自分に満足していないけれど、やりたいことが見つからない」っていう人も多くいるのですが。

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「現状が何か違う」と思うようだったら、その場所は自分にとってベストの場所ではないのだから、動く準備ははじめたほうがいいと思います。

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そっか。やりたいことが決まってなくても、未来に向かって準備をはじめるんですね。

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そうですね。準備が具体的に何なのかは人それぞれだし、「これって準備かな」って半信半疑でもいい。ただ、何かしらの準備をしていないとチャンスってやってこないと思うんです。
さらに言うと、チャンスって準備万端で訪れるものではないです。

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ええ?できれば、準備万端ではじめたい!

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チャンスって、準備しているときに突然コンコンってやってきて、「まだ準備できてないけど、これはチャンスだからやるしかない」ってなることがほとんどだと思うんですよね。わかりやすい例でいくと、アイドルだって準備万端でデビューするのではなくて、人前に出て意識が変わって、だんだんとプロになっていきません?そしてその過程に人は魅了されるんですよね、だからチャンスをチャンスって気づくために、準備を始めることが必要なんです。

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確かに。準備とチャンスは同時進行でやってくるということですね。突然コンコンってきたものが、チャンスかどうかはどう見分けるんですか?

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準備をしていればそれがチャンスだってことが、必ずわかるようになります!

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それって、多くの成功している人が過去を振り返って、「なんか、たまたまそうなっちゃった」「流れで・・・」とか言うやつですね!「いやいや絶対たまたまなんかじゃないでしょ」っていう(笑)

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何かしら動いているから、流れができてきて、チャンスに乗っかるから「たまたまそうなる」という表現になるのかもしれませんよね。

株式会社を立ち上げるのは意外と簡単?

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森本さんは、2つめの転職で入った契約社員時代にマッチングサービスをスタートしたんですよね。いきなり株式会社を立ち上げたのはどうしてですか?

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私の性格として、選択肢があるときまずは難しそうなものからやりたい、やったことがないことをって心が動くんです。株式会社立ち上げてみるの巻、って感じです(笑)。それに、株式会社って必要な資金17万円程度が準備できれば、立ち上げられちゃうので。

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とはいえ、起業して、社長になるってすごいことのように思えてしまいます。

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起業することで、メリットがあればそうしたらいい、くらいの感じですね。例えば法人を設立すると、企業さんとのお取り組みがフリーランスよりも断然しやくすなる反面、売上がマイナスでも毎年7万円程度の税金はかかります。
しくみを調べてから挑戦するのが良いかもしれませんね。ただ、調べ過ぎちゃうと身動き取れなくなっちゃうので、ある程度直感を信じた出たとこ勝負も大切です。

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「やってみよう」って動き出せるのが素晴らしいですね。夢を叶えるために必要なことってなんでしょうか?

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一度に夢をいくつも描くから、難しくなるんだと思います。
「好きなことを仕事にして、お金持ちになりたい」って、これもう、2つの夢を語っていますよね。

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最初に「好きなことをやって、お金稼ぎたい」と2つ欲しがるのは欲張りなんですね。

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「好きなことを仕事にしたい」と「お金持ちになりたい」は最初の段階では共存しないことって、往々にしてあるじゃないですか。
好きなことを仕事にしたいならすぐにそうすればいいし、お金持ちになりたいならお金を稼げる事業をやればいいけれど、最初からふたつ同時に叶えるっていうのはなかなか難しいですよね。

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ひとつずつ、優先順位を決めて順番に叶えるのが大事?

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たとえば、私の場合、「ロマンチックな出会いを提供してお金持ちになりたい」だと、お金のことも考えながらロマンチックなことをするって、一気にハードルがあがっていまいます。でも、「ロマンチックな出会いを提供したい」だけだと、それを、ひたすらやればいいだけじゃないですか。

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同時に叶えようとするから「無理」ってあきらめちゃうんですね。

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両方を一度に叶えようとすると、とたんに行き詰まってしまう気がします。だから、自分が夢を語っているときに、2つ以上言っていないかどうかを確認してみるって結構大事。

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まずは1個に絞って動き出せ、と。

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順番にひとつずつ叶えていく感じですかね。私は自分の今の状態を「夢が叶った状態」だと思っているんです。なぜなら、「手と手が重なる出会いを見たい」っていうのが叶っているから。
だから次は、これでお金を稼ぐこと。ロマンチックをビジネスにする、の巻です(笑)。

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お金が、これから叶える2つめの夢ということですね!

インタビュアー顔写真

そういうことです!

取材/I am 編集部、MARU

文/MARU

写真/田尻陽子

この記事を書いた人

MARU
MARU編集・ライティング
猫を愛する物書き。独立して20年。文章で大事にしているのはリズム感。人生の選択の基準は、楽しいか、面白いかどうか。強み:ノンジャンルで媒体を問わずに書けること、編集もできること。弱み:大雑把で細かい作業が苦手。

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