冷凍餃子の無人自動販売機・ジュワット餃子さんを勝手にコンサルしてみました【第2回】冷凍餃子のストーリーはどこにある?
“I am編集部の勝手にコンサル”とは編集部が読者と同じ目線にたつため、体当たりでコンサル・実働を行う企画です。
コロナ禍の苦境を脱しようとイタリアンのオーナーシェフが取り組んだ冷凍餃子の無人自動販売“ジュワット餃子”。TVでも紹介された話題の冷凍餃子の無人販売店です。その勢いに乗り、地元から飛び出し、全国区の冷凍餃子店を目指すためⅠ amも一緒に知恵を絞ります。その戦略会議の様子をリポート。第一回はこちら。
目次
ジュワット餃子とは?
ジュワット餃子は、イタリアンのオーナーシェフ石原明さんがコロナ禍で厳しい現状を打開するため、新規事業として始めた、無接触・24時間無人販売の冷凍餃子の店です。
直近ではNTV「バケット」でも紹介され味はお墨付き。21年4月にオープン。わずか1年で直営とフランチャイズ含めて4店舗展開中。(22年4月現在)
地元密着型の店舗から全国区を目指しています。
ミッションは、お家餃子の定番を「ジュワット餃子」に!
そもそも餃子とは老若男女、誰もが好きな食べ物である。
ご飯のおかずにも、ビールのつまみにもなる。みんなで作れば楽しい餃子パーティーもできる。
どんなシーンでも使い勝手の良い、活躍する1品です。
スーパーでは安価で焼くのも簡単な大手食品会社の冷凍餃子がひしめいています。
保存がきいていつでもどこでも手に入り、味のクオリティも高い。
一方でジュワット餃子は、地元密着型の店舗です。
スーパーやコンビニなどどこでも手に入る大手商品とは異なります。
お店は24時間オープンで買いやすさはあるにせよ、立地も人通りが多い駅前のような好立地でもありません。
「ついで買い」は見込めず、「今日はジュワット餃子を買おう」という明確に意思を持った人に限られます。
餃子を食べたい人にとっての選択肢は多く、「ジュワット餃子」でなければならない理由、強い動機が必要になります。
いつものお家餃子の定番を「ジュワット餃子」にしなければならない。
すでに味はお墨付き。
1度食べてもらえさえすれば、リピート間違いなし。
私たちのミッションは餃子を食べたい人に「ジュワット餃子」の優先順位を上げること。
それにはまず、「ジュワット餃子」を認識してはいるものの購入をしたことがない、
新規のお客さんにどうアピールするのか、I am編集部で作戦会議してみました。
立地から紐解いてみる
戦略会議の前に、まずは立地をリサーチ。
お店は駅から徒歩5分程度歩く、住宅街のちょうど入口。
駅前には大型スーパーがあり、たいていの人はそこで買い物をする。スーパーで買い物し、自宅に帰る中間地点、つまり食品購入後、家路に向かう人が行き交う地点にお店があります。
またここを通る人の多くは近隣住人で一見さんは多くはありません。
近隣には小学校と中学校があり、まさに通学路です。隣に床屋さんとコインランドリーがあります。
床屋さんは男性客が多いでしょうし、コインランドリーは単身者の利用が多いはず。
お酒のつまみに餃子を購入する方が多いかもしれません。
この辺りも打ち手のヒントとなりそうです。
ターゲットを絞ってみたら?
立地からまず考えたのは近隣に小学校があること。
オープン時、小学生が物珍しそうにお店に入ってきたという話を取材で伺っていました。
登下校で通る小学生にはなんだか面白い餃子のお店が出来たということはなんとなく印象に残ったはず。
確かに冷凍餃子は忙しいママには有難い時短おかず。
フライパンに並べて焼くだけでご飯のおかずが出来上がり。とても助かる1品です。
そこで閃いたのが、ターゲットを子どもに絞った打ち手。
子どもに「ママ~、ジュワット餃子買って~」と言わせられないか…。
子ども食いつく→お母さん購入、この図式に絞った打ち手も検討してみる価値はありそうです。
ストーリーを引き出すには新商品も検討?
当初イタリアンと冷凍餃子の新規事業は完全に切り離して始めようと考えていたこともあり、
「ジュワット餃子」がイタリアンシェフが考案した餃子ということをあえて宣伝せずにきたという。
しかしテレビで取材を申し込もまれたきっかけとなったのは、イタリアンシェフが作った餃子という点でした。
テレビで紹介されたときも「イタリアンシェフ考案の冷凍餃子」と紹介されていました。
石原さんもやはりここに競合との差別化があるのかもしれないと薄々感じてはいたとのこと。
食べることが大好きな編集長の目の色がかわり、どうせなら新商品を一緒に作りたい!と、
イタリアンならでは食材を使用してのオリジナル餃子開発も打ち手のひとつとなるかもしれません。
新商品の提案も検討することになりました。
キャラクター戦略で定着か?
以前Instagramでキャラ餃子がバズッていたことがある。
餃子をとある人気キャラクターに見立てて作り話題を集めていました。
地方創生に一躍かったゆるキャラ戦略を参照し、キャラクター戦略は、お子様ターゲットの打ち手としても、親近感がわけばファンもついてくるかもしれません。
「ジュワット餃子」さんのインパクトに載せて「ジュワット君」なるキャラクターを作るという打ち手もあるかもしれない。
様々アイデアが出た結果、いくつかに絞った形で提案をまとめることにしました。
次回I am編集部が具体的にどんな打ち手を提案するのか。
具体的な提案内容とその結果のフィードバックについてレポートします。
取材・文・写真/I am 編集部
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この記事を書いた人
- 猫と食べることが大好き。将来は猫カフェを作りたい(本気)。書籍編集者歴が長い。強み:思い付きで行動できる。勝手に人のプロデュースをしたり、コンサルティングをする癖がある。弱み:数字に弱い。おおざっぱなので細かい作業が苦手。