タニタ研究員の「ダイエットで人生変える」授業本番に強い人は何を食べている? タニタ研究員が教える「落ち着きと集中力をサポートする食べ物」
面接や試験、大事なプレゼンなど「ここ一番!」で成果を出したい時に、落ち着きと集中力をサポートする食べ物・飲み物について紹介します。
目次
食べ物の力を借りて落ち着きと集中力をアップ
春はさまざまな試験やプロジェクトの節目などがありますよね。
今回は面接や試験、大事なプレゼンなど「ここ一番!」で成果を出したい時に、落ち着きと集中力をサポートする食べ物について紹介します。
不安な気持ちになりそうなときの気分の切り替えや「これを食べてきたから大丈夫!」と、もうひと押しポジティブスイッチを入れるためにも有効なので、ぜひお役立てくださいね。
前日から食べよう!不安を減らし心の安定をサポートする食べ物
気持ちを落ち着かせ、心の土台をしっかり安定させるにはなんといっても幸せホルモン「セロトニン」が大切!セロトニンは暗くなると安定した質の良い眠りを導く「メラトニン」にも変化します。
前夜からドキドキ不安で眠れない……なんて事態を避けるためにも、前日からセロトニンの材料となるトリプトファンとセロトニン合成を助けるビタミンB6が多く含まれる食材を摂ることをおすすめします。
【図1】のように、脳内のセロトニン分泌には食事からトリプトファンを摂ることが重要であることがわかります。
【図1】トリプトファン欠乏が脳内セロトニンに与える影響(ラットによる実験)
トリプトファンとビタミンB6が摂れる食材を紹介します。試験やプレゼンなど、後に控えた大切なことの準備に時間をかけたいと思いますので、手間をかけずに簡単に食べられるものをセレクトしました。
おかず・おつまみ系、フルーツ・デザート系、飲み物の中から好きなものを選んで組み合わせてください。
おかず・おつまみ系
〇豆腐、とうふバー、納豆、枝豆など大豆製品〇鮭、サーモン、鶏ささみ、サラダチキン、ゆでたまご、温泉卵、茶わん蒸し
〇チーズ、ナッツ(ピーナツ、カシューナッツ、アーモンド)
フルーツ・デザート系
〇バナナ、バナナクレープ、バナナスムージー
〇ヨーグルト、フルーツヨーグルト
〇プリン、レアチーズケーキ
飲み物
〇飲むヨーグルト
〇豆乳
〇ホットミルク(甘味が欲しい時はハチミツで)
〇ミルクココア
〇ミルクティー
当日、「ここ一番!」の集中力とポジティブエネルギーを生む食べ物
さあ、本番当日です。本番に向けて集中力とポジティブエネルギーをチャージしましょう!
前日から摂ることをおすすめしている「心を安定させる食べ物」は、当日の落ち着きを維持するためにも有効ですので、引き続き摂っていきましょう。
当日はさらに、神経伝達をスムーズにして脳の血流を良くするDHAやマグネシウムを摂りたいですね。
そして本番直前には覚醒感をアップ&集中力を高めるカフェインやテオブロミン、糖分と水分補給をしっかり意識した飲み物を摂ることをおすすめします。
【図2】はカフェイン摂取と反応時間、言語記憶などの認知機能の関係を示したグラフです。
【図2】カフェイン摂取と認知機能(横断調査)2)
それでは、当日シャキッと気分を上げるために一役かってくれそうな食材と飲み物をご紹介します。
神経伝達&脳の血流のために
〇サバ、アジ、イワシ、マグロなどの魚(DHAが豊富)
〇豆腐、昆布、アーモンド、カシューナッツ、バナナ(マグネシウム)
※豆腐やナッツ、バナナは心の安定の作用もあり、手軽に食べられるので特におすすめ!
直前にもおすすめ!集中力UPの飲み物
〇コーヒー(カフェイン、クロロゲン酸)
〇ホットチョコレート、ココア(カカオカフェイン、ポリフェノール、テオブロミン)
〇レモネード(クエン酸、糖分)
〇緑茶(カフェイン、カテキン、テアニン)
皆さんの大切なタイミングの時に、こうした食べ物・飲み物が最後の頑張りをもうひと押しして、体調も気持ちもバッチリで望めることを祈っています!
参考文献
- Tryptophan-Free Diets: A Physiological Tool to Study Brain Serotonin Function
chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://journals.physiology.org/doi/pdf/10.1152/physiologyonline.2000.15.5.260
- Nestlé, Coffee & Health (Vol.10) 2015 Nov.
執筆/西澤美幸
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この記事を書いた人
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1968年生まれ。横浜国立大学在学中よりタニタの体脂肪計のプロジェクトチームに参加。入社後は、世界初の乗るだけではかれる体脂肪計や体組成計、活動量計などの開発に携わり、機器の要となる計測の回帰式や判定アルゴリズム作成を担う。
29歳で社内初の技術系女性課長に就任し38歳で出産。栄養士の資格も有し文部科学省の食育有識者会議委員を務めるなど、さまざまな計測データを健康づくりに活かす提案を行い、栄養士と技術者の2つの視点から多数のセミナーの講師も担当している。