資格を仕事父親の死をきっかけに、残りの人生を自分らしく生きるためにシフト(行政書士・ドローンインストラクター/野澤成裕)
プロフィール
元公務員行政書士ドローンインストラクター野澤成裕
仕事内容と自分らしいビジネスアイデアの見つけ方
どんな仕事をしていますか?
ドローンで笑顔を作る仕事です。
今の仕事のキャリアは?
2021(令和3)年4月に個人事業主として創業し、今年で3年目です。ドローンを知って関わるようになったのは前職(岡崎市役所)時代の2017(平成29)年から。まったくの趣味でした。
なぜ今の仕事を「自分の仕事」にしたのですか?
一生公務員のつもりでしたが、父の死をきっかけに、残りの自分の人生を考えました。同僚や後輩の躍進を見て、自分が公務員を辞めても岡崎市はいいほうへ行く!と確信し、別の方法で地域に役立とうと思ったからです。
今の仕事は好きや得意なことですか?
知り合いの電気屋さんに「一緒にドローンのライセンスを取りにいかない?」と誘われたことがきっかけです。おもしろそうと興味本位でスクールへ通いました。当時は公務員を辞める気もなく、まったくの趣味でした。
なぜ、今の仕事がビジネスとして成り立つと思ったのですか?
公務員時代にボランティアで中山間地域のドローン散布やセミナー講師を務めていたときに「来年もよろしく」と依頼が増えて、今後の可能性が見えました。また、行政職員として法令に強い点も活かせるのではと。
「自分の仕事」としてやっていくと決めてから、やったことはなんですか?
市役所の係長でしたので、仕事に迷惑をかけないよう、自分の仕事を同僚後輩に覚えてもらい、トラブルなく旅立てるようにしました。担当業務が2部署に別れるタイミングなので、退職を悟られずに進められました(笑)
あなたの「強み」「弱み」は?
強み:ネガティブ思考
弱み:八方美人
自分の強みをどう仕事に活かしてますか?
ネガティブ思考で、いつも「失敗したらどうしよう」を考えているので、大きな失敗を回避できているのではないでしょうか。
自分の弱みをどう克服していますか?
ずっと八方美人でしたが、最近嫌われてもはっきりと伝えられるようになってきたと思います。その昔、市役所の採用試験の願書に「短所:八方美人」と書いて、面接で突っ込まれたことを今でも覚えています。
ビジネスを立ち上げる時の最大の壁は?
家族を養えるかどうかというところです。自分で仕事をしないと稼げませんが、いきなり前職時代の収入額は難しいだろうと思いました。そのため、退職前に2年間無収入でも暮らせるように貯蓄を増やしました。
ビジネスを立ち上げる前に何を準備した?
事業資金は退職前に日本政策金融公庫から融資を。前職でビジネスサポートセンターの立ち上げをしており、事業・資金計画は比較的立てやすかったかもしれません。またお世話になったかたへ挨拶して仕事繋がりました。
ビジネスを立ち上げてぶつかった壁は?
経理と資金繰り。機材初期投資がかかり、正直回収できる気がしませんでした。手持ち資金がどんどん目減りしていくなか、半年後には貯蓄を切り崩しながら回していく状態に。今はなんとか収入がついてきました。
私のように個人事業だと、正攻法だけでは対応できないだろうと思い、中古などを集めて活用することや、手間はかかるが安価で効果的な活用すること、そして今あるものを活用するこをで、本来の10分の1以下で準備ができるようになってきたと思います。また、古物商の資格を取って中古品の活用もはじめました。資格と知識、他の人が手を出さない分野を活かすことが見えました。資金繰りは楽ではないですね、いまでも。
1人社長ですか? それともチームですか?
個人事業主なので1人運営ですが、仕事は仲間とシェアしながら進めています。なんでもできるスーパーマンではないので、仲間と持ちつ持たれつ。収入が安定したら、雇用してさらなる拡大をしていきたいです。
仕事に求める優先順位は?
第一にやりがい。その仕事をやる意味があり、それによって誰かの人生が豊かになったらうれしいです。次に収入。やはり家族を養っていかないといけません。「楽しみながら、まず、やってみる!」を体現したいです。
法人化してますか?
創業2年で法人化を目標に取り組みました。しかし、まだ法人化するほどの収益やメリットが見込めませんでしたので、個人事業主を継続しています。法人化の予定はもちつつ、よりよい方法を税理士と考えています。
会社員を辞めてから今の仕事をはじめましたか?
公務員は副業が認められていませんでしたので、辞めないと今の事業はできませんでした。3月31日に退職辞令をもらうも、部署の引っ越しの陣頭指揮のため時間後まで業務に従事。翌4月1日にそのまま創業しました。
はじめての仕事はどのように獲得しましたか?
ドローンスクールのインストラクター資格を活かし、パートナースクールからすぐに業務委託をいただきました。また、知り合いから「仕事ないだろうから」と多くの友人からドローン講座や撮影業務をいただけました。
最初に自分の力で稼いだお金を得たときの感想は?またその額はいくら?
退職前に話をいただいた子ども向けセミナーが、最初の現金収入でした。半日で3,000円(笑)。アルバイトのほうが高いかもしれませんでしたが、喜んでもらえた姿が印象的でした。親子向け講座の原点になりました。
価格はどのように決めましたか? 価格設定で悩んだことは?
自分の技術をいくらにするか、今でも悩んでおります。資料を作成する時間、機材や手続きの費用など、積算して料金表は作成しました。
とはいうものの「初回はお断りしない」という方針で、安価でも受けております。
モノであれば仕入れや加工などの原価が見えているのですが、コンサルを含めたサービスって、その価値が見えにくいですよね。いきなり想定以上の金額を提示されて「やめます」「やっぱりいいです」となったら、それ以上の発展はありません。もしかすると、私が提供したもので、その後大きく変わるかも、という考えが根底にあります。まず、一度体験してみてもらうことは、どの業界でも無料体験などで提供されていますよね。無料は絶対プラスにならないので、自分が得るものがなければ受けません。ただ、相手も1円でも払うことで契約がしっかり成立すると考えています。相手を見極められます。もちもん、私も自身が稼ぐ必要があるので、私に納得いただいたら、次回以降は当方の希望価格との調整ですね。
ビジネスが軌道に乗るまでの期間とその間のやりくりは?
2年目の売上げが公務員時代の給与を超えましたが、経費を差し引いて手元に残る金額を考えると、まだ軌道に乗ったとはいえないのかもしれません。まずは「売上げ1,000万円」を目標に創業したので、耐えている最中です。