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50代が対人関係のストレスを減らすには? 我慢を手放し本音で生きよう

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50歳の分岐点~差がつく「思秋期」の過ごし方

和田秀樹氏の著書『50歳の分岐点~差がつく「思秋期」の過ごし方』(大和書房刊)から対人関係のストレスを減らす方法について学びます。

和田秀樹

プロフィール

高齢者専門の精神科医和田秀樹

精神科医、ルネクリニック東京院院長、立命館大学生命科学特任教授、川崎幸病院精神科顧問、一橋大学経済学部・東京医科歯科大学非常勤講師、和田秀樹こころと体のクリニック院長など。著書に『75歳からやめて幸せになること』(大和書房)や『アドラー流「自分から勉強する子」の親の言葉』(大和書房)などがある。

私たちは若い頃から常に対人関係で我慢をしています。しかし50代となったら対人関係で我慢をする必要はありません。我慢によって生じたストレスはうつ病をはじめとしたさまざまな病気の原因になってしまいます。

和田秀樹氏の『50歳の分岐点~差がつく「思秋期」の過ごし方』(大和書房刊)では、高齢期専門医、心の専門医としての経験より、脳の老化を防ぐ方法について解説。50代がストレスなく、よりよい人生を送るためにはどうするべきなのでしょうか?

対人関係の我慢は寿命を縮める

 人が大きなストレスを感じるのは対人関係です。ストレスを受けると自律神経のバランスが崩れ、副交感神経がうまく働かなくなり免疫機能も低下する、と和田氏は言います。対人関係でストレスを抱え、リセット症候群になる人もいるほどです。

 ストレスは心身ともに負担をかけ、老化を促進させたり、がんなどの病気につながったりします。若返りや健康長寿のためにも、50代になったら建前を減らし、本音で生きることが重要になります。ここで和田氏が問題としているのは「対人関係の我慢」です。

 なぜ私たちはそのような我慢をしてしまうのでしょうか? 世間体という「社会の無言の圧力」によって、私たちはどうしても我慢をしてしまいます。会社に我慢をしたり、家族に我慢をしたり、本当の気持ちを押し殺して生きているのではないでしょうか。
他人の視線をどうしても気にしてしまう私たちに対し、和田氏はこのように述べています。

「他人からどう見えるかではなく、自分はどうしたいのかと考えてみると、意外にもすっきりとした答えが得られたりする。さらに言うと、会社の人間から多少嫌われたところで、これからの会社人生は短く、辞めてからのほうが長いのだ。要は、他人の視線など気にせず、そのとき自分にとって一番合理的だと思える行動をとればいいだけなのだ」

 私たちにできることは、残りの人生のためにも、悔いが残らない選択をすることではないでしょうか。

対人関係のストレスを減らすには?

【対人関係のストレスを減らす①】良好な人間関係を築ける場をつくる

 50代は子どもが成長し、親を必要としなくなる世代。年功序列が崩壊した現代の会社では、上司が部下から尊敬されるわけではありません。場合によっては年下の上司の下で働くことも必要です。そのため、自己愛を満たす場が少なくなると和田氏は言います。

 自己愛とは、他人から承認されることで満たされるものであり、自己愛を満たす場が減ってしまう50代は精神的に不安定になりがちです。では、どのようにして自己愛を満たせばいいのでしょうか?

 大切なのは、仕事以外の場で、必要とされる場を多く作ることです。ストレスの溜まる人間関係を避け、趣味のサークルや地域社会の役員、PTAの役員など、居場所を多くすることで、楽しく健康的な人生を過ごすことができます。

【対人関係のストレスを減らす②】職場の人間関係を考える

 50代は会社で管理職を任され、多くの部下を持ちます。しかし、管理職以前のクセが抜けず、下の者を「駒」としてしか見ず、上司にばかり気を遣う管理職も。晩年のことを考えると、部下に慕われる人間になった方がいいと和田氏は言います。

 たとえば、退職後に病気で入院したときのことを想定してみましょう。部下に慕われる人は、退職後であっても、部下がお見舞いに来ることが多いそうです。一方、現役時代にそれなりの地位を築いた人でも、部下に慕われていない人は、部下がお見舞いに来ないそうです。

 晩年に幸せな人生を送るためにも、上司の機嫌を取るのではなく、部下をかわいがりましょう。

【対人関係のストレスを減らす③】親子関係を見直す

 人間関係というと他人に目がいきがちです。しかし、最もストレスを感じるのは親子関係ではないでしょうか。大きく分けると「子どもの自立」と「介護の問題」があります。

 まずは、「子どもの自立」を考えてみましょう。50代になると子どもはすでに独り立ちをしているか、独り立ちを迎えるところ。親は子供の自立を認め、あれこれと子どもの心配をするのはやめるべきです。

 いつまで経っても子どもが親のお金を当てにしていると、ニートになる可能性もあります。例え親子関係であっても甘えを断ち切り、適度な距離を保つことで、子どもの幸せにもつながります。

 和田氏は次のように、子どもとの関係は新たな関係として捉え直すことをおすすめしています。

「まずは、親が子どもへの依存心をきっぱり捨てること。子どもには子どもの人生がある」

 次に子どもの立場から「介護の問題」を考えてみます。日本では、「親の介護は子どもがすべき」という価値観があり、施設に預けるのではなく子どもが面倒をみるのが良しとされています。そのため、親の面倒をみなかったり、施設に入れたりすると非難される可能性がありました。

 そのような風潮に対し、和田氏は「在宅介護の幸せは単なる幻想にすぎない」と言います。在宅介護でなくても、施設では効率的に介護ができ、医療が必要な場合でも素早く対応できます。

「親の介護をするのが孝行」という既成概念からは脱却し、施設を利用し、介護ストレスを解消しましょう。

 この記事では、和田秀樹氏の『50歳の分岐点~差がつく「思秋期」の過ごし方』から、50代の対人関係のストレスについて要約・抜粋してご紹介しました。

この記事を書いた人

今崎ひとみ
今崎ひとみIT人文好きライター
うさぎと北欧を愛するライター。元Webデザイナー。インタビュー取材やコラムを執筆。強み:好奇心旺盛なところ。失敗してもへこたれないところ。弱み:事務作業が苦手。確定申告の時期はブルーに。

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