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過剰な期待や理想を手放し、ほどよく諦めて気楽に! 「期待しないリスト」

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「もっとこうできるはず」「がんばれるはず」など、過剰な期待や理想を自分に背負わせていませんか? 京大卒・元「日本一有名なニート」のphaさん伝授! ほどよく諦めながら生きていく「期待しないリスト」。

プロフィール

作家pha

1978 年生まれ。大阪府出身。現在、東京都内に在住。京都大学総合人間学部を24歳で卒業し、25歳で就職。できるだけ働きたくなくて社内ニートになるものの、28歳のときにインターネットとプログラミングに出会った衝撃で会社を辞める。以来、毎日ふらふらしながら暮らしている。シェアハウス「ギークハウスプロジェクト」発起人。著書に、『しないことリスト』『人生にゆとりを生み出す 知の整理術』(大和書房)、『ニートの歩き方』(技術評論社)、『ひきこもらない』『持たない幸福論』『パーティーが終わって、中年が始まる』(幻冬舎)、『フルサトをつくる』(ちくま文庫)がある。

「いわゆる『しなきゃいけないこと』の99%は『本当は別にしなくてもいいこと』だ」と断言する、京大卒・元「日本一有名なニート」のphaさん。著書の『しないことリスト』(大和書房刊)では、私たちが「しなきゃいけない」と思っていることが、本当に必要なことなのかどうかを問いかけています。今回は同書「第4章 人生をラクにする 期待しないリスト」から、過剰な期待や理想を捨てて、ほどよく諦めながら生きていくヒントやアイデアを紹介します。

「こうなったらいいな」という希望が「こうしなくては」という縛りになる前に! 適度に諦める

「人生で苦しみを感じることが多いのは、世界が自分の思うように動いてくれないからだ。『こうなってほしい』とか『こんな現状はおかしい』とか、そういったこだわりが多いほど苦しみも多い。だから、期待はできるだけ諦めるようにすれば生きるのがラクになる」とphaさん。

目標や理想、希望さえも、掲げた当初はキラキラと輝くように見えていたとしても、そこにたどり着けない日々が続けば続くほどに、現実と理想とのギャップで苦しくなるなど、足かせになってくることがあります。

「できるだけ正確に現実を認識して、妄想を膨らませすぎないようにしよう」とphaさん。目標や理想、希望を持つこと自体はいいのですが、“少しの諦めや受容を取り入れる”ことで気持ちが楽になると言うのです。

思いが強ければ強いほど、「こうでなくてはならない」「こうなるほうがいいに決まっている」といった思い込みやこだわりも強くなります。しかし、世界や他人は、自分の期待通りに動くわけではありません。自分のその世界観や価値観が、必ずしも誰かやみんなを幸せにするわけでもありません。

過剰な期待や理想を捨てて、ほどよく諦めながら生きていくためのヒントやアイデアとして、phaさんは次の9項目をリストアップしています。

1.閉鎖的にならない
2.何かのためにしない
3.最後まで我慢しない
4.仕事に身を捧げない
5.人の意見を気にしない
6.議論しない
7.あえて何もしない
8.長生きしない
9.完璧を目指さない

今回は
 ●何かのためにしない
 ●最後まで我慢しない
 ●長生きしない

の3つの項目について、ポイントを紹介します。

「何かのためにしない」。素直にやりたいことをして、“今”を満たす

たとえば、本を読んだり、スポーツをしたりするとき、「何のために本を読むのか、スポーツをするのか」を考えた上で行動していますか?

phaさんは「何かをするときは、『それが何の役に立つか』を考えるよりも、そのこと自体を楽しむのが健全だ」と言います。「本を読むことで知識が増えるとか、スポーツをやると健康になるとか、そういうのはそれ自体に夢中になってやっていれば自然と後からついてくるオマケみたいなもの」とも。

アメリカの社会学者のタルコット・パーソンズさんが提案した「コンサマトリー=自己充足的」という概念を引用し、豊かさが達成されて成長が頭打ちになってきた現代社会においては「今を犠牲にして未来のためにがんばる」ではなく、「今の時間自体を楽しもう」という行動原理で動くほうが幸せを感じられるのではないかと分析。

だから、「何の役に立つかとかややこしいことは考えずに、素直にやりたいと思えることをやろう」とphaさん。日々のささやかなことからでいいのです。自分の心に素直になって、やりたいと思えることをやっていますか?

「最後まで我慢しない」。他人のペースではなく、自分のペースで生きていい

本を読むとき、どう読みますか? 「初めから順番に読んで、最後まできっちりと読み切らなければならない」と思っていませんか? 法律などで「絶対にそうしなければならない」と決められているわけでもないのに、自分で縛ってしまっていることは意外と多いものです。

イベントや飲み会でもそう。「最初から最後までいたほうがいい」など思い込んでいませんか? 「『なんかビミョー』と思ったら、早めに抜け出そう。他人のペースに合わせる必要はない」と話すphaさんは、「人と長時間、一緒にいるのが苦手なので、長いイベントのときは途中でよく抜け出す」「またイベントに出る気力が回復したら会場に戻る」など、自分のペースで楽しんでいるようです。

気遣いをしてしまう人ほど、「途中で抜け出すなんて無理」と思うかもしれませんが、ときには自分の心のままに動いてみること。他人ではなく、自分のペースを見出す1つの体験になるかもしれません。

「長生きしない」。「今は余生だ~」という気持ちで生きてみる

phaさんは、歴史上の著名人の享年を見て、「自分は長生きをしているほうだ」と思うようにしているそうです。ゆえに、30歳からは「もうこれからは余生だな~」と思って生きていると言います。

phaさんが会社を辞めるときも、「辞めるなら早いほうがいい。この先何十年もこの会社で働き続けるなんて自分には無理だし、そんな先まで生きているかわからない。来月死んだら死ぬ間際に、今仕事を辞めなかったことを後悔するだろう」と考えたことが決め手になったと振り返ります。

人間誰しも、いつ死ぬかなんてわかりません。そう改めて思うと、後悔しないように生きていこうという気持ちが湧いてきませんか?

今回紹介した「人生をラクにする 期待しないリスト」のまとめ

●「何かのためにしない」。素直にやりたいことをして、“今”を満たす
●「最後まで我慢しない」。他人のペースではなく、自分のペースで生きていい
●「長生きしない」。「今は余生だ~」という気持ちで生きてみる

この記事を書いた人

小森利絵
小森利絵
趣味はお手紙を書くこと。ライターとして人物インタビューをメインに活動。強み:浅くだが、広く、いろんなことに興味を持てるほう。弱み:即時に要点をまとめる・アイデアを出すなどが苦手で、時間を要す。

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