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タニタ研究員の「ダイエットで人生変える」授業タニタ研究員が教える、年越しそばの「ちょっと得する、おいしい食べ方」ダイエットやアンチエイジングにも効く!?

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年末の心と身体に区切りをつける「年越しそば」。実はそばは縁起が良いだけでなく、さまざまな「ちょっと身体に良いこと」が期待できる、とても優秀な食材です。今回はそばが「ダイエットにいい」とされる理由や、健康にもいい、おすすめの食べ方をご紹介します。

早いもので、2023年もあとわずか!「私のまわり、時空のゆがみが生じてるよね……!?」と本気でうろたえるほど、時が経つのが早すぎてちょっと慌てております。正直言って、私、いろいろやり残してます(トホホ……)。

しかし、慌てていても何も進まないし、うろえたままでいるのも精神衛生上良くない。こうなったらもう腹をくくり、決死の覚悟で年内に終わらせることと来年に持ち越すことを分類し、対応策を練って、平和な冬季休暇を獲得するべく年末に向かって全力投球しようと思います!

今回は年末の心と身体に区切りをつける「年越しそば」がテーマです。実はそばは縁起が良いだけでなく、さまざまな「ちょっと身体に良いこと」が期待できる、とても優秀な食材です(信州出身でそばが大好物の私……張り切って紹介しちゃいます!)。

なぜ年越しに「そば」を食べるのか

年越しにそばをたべる習慣は江戸時代に定着した文化だそう。そばの麺が細く長いことから「長寿」や「家族の縁が長く続くこと」を願い、縁起かつぎで食べられてきたとされています。さらに、他の麺類に比べて切れやすいことから「今年1年の災厄を断ち切る」という意味が込められている、という説もあるようです。

こうした意味があることから、「年をまたいで食べていること」はあまり良くないとされており、大晦日「年が明ける前に食べきってしまう」方が良いようですね。

そばはダイエットの強い味方!

そばはごはんやパンよりも比較的カロリーが低く、糖質量も少ない(図1、2)ので、ポッチャリ化を防ぎたい人にはおすすめの主食です。

【図1】主食のエネルギー(カロリー)比較

出典:「文部科学省食品成分データベース」より

【図2】主食の糖質量比較

出典:「文部科学省食品成分データベース」より

私はダイエットしたい人への簡単なアドバイスとして、食物繊維を味方につけてほしくて「主食は“野性に近い茶色っぽいもの”を選びましょう」とよくお伝えするのですが、そばはまさにコレです!

そばには食物繊維がなんとごはんの2~3倍も含まれています。

食物繊維のダイエットにとってうれしい作用

  1. 便秘を防ぎ、糖質や脂質を吸着して体外への排出を促す
  2. 水分を吸収して膨らみ、満腹感を出して食べ過ぎを防ぐ
  3. 血糖値・インスリンの急上昇を防ぐ→血管のダメージが抑えられる上、脂肪の蓄積を抑制する作用も期待できる

そばはアンチエイジングや疲労回復にも効果的!

そばには食物繊維以外にも下記のような成分が含まれているので、お肌の健康を保ち、老化予防など若々しさを後押しする効果も期待できます。

  1. ルチン:抗酸化作用(細胞の老化を抑える作用)、血管の強化、炎症の抑制
  2. ビタミンB1:疲労回復、アルコール分解、粘膜保護
  3. ビタミンB2:皮膚や粘膜、髪、爪などの細胞の再生、健康維持
  4. マグネシウム:筋肉のもとになるたんぱく質の合成、神経伝達、ホルモンバランス維持

カッコイイ身体を目指したい人へ、おすすめの食べ方

そばの持つうれしい健康作用がわかったところで……さらにダメ押し!ポッチャリ化を防いでカッコいい身体を目指す人に、その効果をパワーアップさせる食べ方の組み合わせをご紹介します。

長ネギやショウガ、海苔など、定番の薬味やトッピングも代謝の促進や抗菌作用などの機能が加わる「理にかなった」もの。ぜひたくさんのせて食べてください。ここではそうした定番の薬味に加えて、さらにプラスすることをおすすめしたい食べ方をご紹介いたします。

大根おろしをプラス!

ピリッと辛くさっぱりおいしくなる大根おろし。私のお気に入りの組み合わせのひとつです。

大根には胃を保護するジアスターゼが含まれているので、無理しがちな年末の胃を守るためにもおすすめ。また、そばに含まれるルチンが大根のビタミンCの吸収を促進し、美肌効果や抗酸化作用がよりパワーアップ!

さらに辛み成分のイソチオシアネートは抗菌作用、デトックス効果も期待できます。大根おろしはそもそも低カロリーなのでそれだけでもダイエット食として優秀で、おいしく美しくポッチャリ化を防ぎたい人にとってはまさに最適な組み合わせなのです!

茹でて刻んだ大根の葉も添えれば、βカロテンやカルシウム、カリウムや葉酸がプラスされ、栄養価がいっそう高まります。

くるみ、ごま(炒ってから砕くかすり潰す)をプラス!

くるみやゴマをすり潰したものに味噌と出汁を加えたくるみダレやゴマダレでいただくおそばは、本当においしいので、ぜひぜひ試していただきたいです!通常のつゆに砕いたくるみやすり潰したゴマを入れるだけでも香ばしくてとてもおいしくなります。

くるみに多く含まれるオメガ3脂肪酸は、血中脂質を下げ、血管を若々しく保つ効果があり、肥満やメタボなど生活習慣病のリスクを下げる作用があります。

ごまのゴマリグナンも肝臓の働きを助け、二日酔いを防止するうえ、コレステロール代謝を促進し、血圧低下作用があるとされていますので飲む機会が多い年末にピッタリですね!

香ばしくおいしくなるだけでなく、ポッチャリ化を防ぎたい身体にとってもお得な効果があるこの組み合わせ、どうぞ試してみてください。

年越しそばを食べてホッと一息

コロナによる行動制限が解除された2023年。働き方でもプライベートでもさまざまな面で大きな変化が起きた方が多かったのではないでしょうか。

変化のうねりに一生懸命対応してこられた皆さま、本当にお疲れさまでした!年末くらいは、どうかご自身を褒めてあげてください。

おいしいおそばで年越しをして少しでもゆっくりホッとできる時間が皆さまにありますように……どうかよいお年をお迎えください!2023年も読んでくださり、ありがとうございました!

(執筆/タニタ研究員・西澤美幸)

この記事を書いた人

西澤美幸
西澤美幸株式会社タニタ 開発部主席研究員 栄養士
1968年生まれ。横浜国立大学在学中よりタニタの体脂肪計のプロジェクトチームに参加。入社後は、世界初の乗るだけではかれる体脂肪計や体組成計、活動量計などの開発に携わり、機器の要となる計測の回帰式や判定アルゴリズム作成を担う。
29歳で社内初の技術系女性課長に就任し38歳で出産。栄養士の資格も有し文部科学省の食育有識者会議委員を務めるなど、さまざまな計測データを健康づくりに活かす提案を行い、栄養士と技術者の2つの視点から多数のセミナーの講師も担当している。

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