100 Questions
経験を仕事

経験を仕事仕事を通して「前に進めず、立ち止まっている人たちに『ひとりじゃない』というメッセージを届けたい」(映画監督/岸本景子さん)

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「働く意味」や「働く喜び」は人それぞれ。仕事の意味、仕事を通して自分がどうありたいか? 家族の喪失と再生をテーマに、関わりのできた地域に根差した作品を撮り続ける映画監督の岸本景子さんに聞きました。

プロフィール

映画監督岸本景子

1979年大阪府出身。監督作として『ある夏の送り火』『家族の肖像』などがある。家族の喪失と再生というテーマを中心に、地域に根ざした映画制作に取り組む。また、子ども向けの映画ワークショップを行ったり、大人の映研部を立ち上げたりなど、映画の裾野を広げる活動もしている。

Be 仕事とはなんですか? 仕事を通して何を目指しますか?

あなたの仕事は「天職」だと思いますか? その理由は?

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もしかしたら、作品によって、いろんなひとにとっての救いや彩りになるならと思うと、この仕事で良かったと思います。

仕事の困難さが感じられなくなる瞬間は?

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私たちの映画は、大切な人の死によって前に進めない人などが登場します。そこには必ず当事者がいます。まずはそこに届けたい。そう思いながら制作しています。

私自身、自死してしまった親友の死がきっかけで前に進めなかった時期がありました。だからこそ、ひとりじゃないという思いを込めて映画を制作しているので、そこに届いた時が一番苦労が吹っ飛びます。

あなたの仕事を通じて、どのように社会に貢献したいですか?

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私も、なかなか社会の流れに適応できずに立ち止まった時期がありました。きっと同じような思いをしている人たちがいると思うので、だからこそ、映画を通じて誰も取り残さない社会や未来づくりに貢献したいです。

顧客から感謝される瞬間は?

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受注の映像制作の際、相手が必要と思っていることになるべく早く気づいて、提案する時です。そのためには、相手の話から何を伝えようとしているかを汲み取ること。何より、当事者意識を持つということが大切なんだと気付かされます。

仕事を始めた時の夢は実現しましたか?

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上を見ればキリがないですが、映像制作ワークショップや、映像制作のスキルを活かした受注映像制作、そして何より映画をつくるということは、ずっと描いていた夢だったので、実現していると思います。

新しい働き方で時間的な余裕はありますか?

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ほぼ在宅ワークなので、この時間からこの時間までという区切りがなく、時間的な余裕はあまりなくなったような気がします。

新しい働き方で経済的な変化はありますか?

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上を見ればキリがないですが、始めたときはほんとうに余裕すらなかったので、その時のことを思うと、少しずつ安定してきていると思います。きっと、続けていることで少しずつ信用を獲得してきているのだと思います。

現在、仕事で一番情熱を注いでいることは何ですか?

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精神的に余裕がなくなってくるとなかなかそう思えないことも多いですが、なるべく心のスポンジをカラカラに乾かさないことです。あらゆる物事に対して、自分が何に感動して、自分が何に怒ったのか。自分の気持ちと正直に対峙する時間を大切にしています。きっとそれが制作活動に活かされていると思います。

人生と仕事においてやりたくないことは何ですか?

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自分の信念を曲げることです。なるべく自身の行いが、人々にとって何かプラスになることに取り組んでいたいです。それは映画制作や受注映像制作などにおいても、そう思います。

あなたの仕事を諦めかけたことはありますか?

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何のためにしているのだろうと立ち止まった時に、諦めかけたことがあります。それは、地域のため、周りの人のために、としてきているけれど、「自分」というものがそこに上回ったときでした。きっと、今まで信じていた物事の優先順位を見失ったんだと思います。ですので、継続を断念するときはそういう時だと思います。

あなたの原動力は何ですか?

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「何のためにこの活動を続けているんだろう?」という、原点に立ち返る。また、立ち返らせてもらった時です。そのために、初心を忘れないようにするというのを大切にしています。

仕事とやりがいの関係について、どう考えてますか?

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やりがいがあるから、仕事を継続できるというのもあると思います。私の場合は、人と結んでくれるためのものが仕事なんだと思っています。

仕事とお金の関係について、どう考えていますか?

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人が生きていくためには、お金というものは必要ですが、仕事をする優先順位がまずお金にならないようには気をつけています。やっぱり何のために取り組んでいるのかを見失わないことが大事だと言い聞かせています。

仕事と住まい(居住地)の関係について、どう考えていますか?

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たしかに、何をするにも東京に一極集中している現状があるので、居住地が関係ないとは言い切れないと思います。でも、今いる場所でもきっとできることがあると思って、信じています。

今の仕事で得られた最大のものは何ですか?

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映画の物語を考えるときに、一つの方向からではなく、なるべく多角的・多面的に物事をとらえたいと思えるようになったことだと思います。一つの出来事でも、当事者と受け手とでは感じることが異なることが往々にしてあるからです。

忙しい中でも確保している時間は何ですか?

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両親とご飯を食べに行ったりおでかけをする時間です。学生のときは、不登校になって高校を辞めたりして本当に苦労をかけたので、少しずつお返しが出来ればと思っています。

自分らしく生きて働くために大切なことは何ですか?

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忙しくなりすぎると、心を失くしてしまいがちになります。ですので、そのような時には作業などの手を止めて、立ち止まって自分を見つめる時間が必要だと感じています。だからこそ、また歩めるのだと思っています。

ITやDX化にどう対応していますか?

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映像制作の場合はリモートになりました。やりとりは、メールにLINE。仕事はパソコンで。外に出なくても、人と会わなくても、仕事ができてしまうようになりました。

AIの進化により、あなたの仕事が残る自信はありますか?

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している仕事の全体を担うのは不可能だとは思いますが、細かい仕事は逆に担ってくれた方が、どこに力を注ぎたいのかと向き合えるような気がします。

あなたにとって、仕事とは何ですか?

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社会と交わるきっかけを与えてくれるもの。また、「人々の困った」に寄り添えるものだと思います。

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