タニタ研究員の「ダイエットで人生変える」授業お酒は飲んだ後が肝心!タニタ研究員が教える、手軽にできる「二日酔い対策・対処法」
クリスマス、忘年会、新年会、打ち上げなど、仕事のお付き合いやプライベートでお酒を飲む機会が増える季節。そこで今回は、簡単にできる二日酔い対策・対処法をご紹介します。
気がつけばもうそろそろ年末!急に冬がやってきた感じですよね。冬といえば……そうです!クリスマス、忘年会、新年会、打ち上げなど、仕事やプライベートで「飲む」機会が増えるシーズンです。
ちょっとだけのつもりが盛り上がって飲んでしまって翌日ひどい頭痛……。「どうしよう、今日は重要な仕事があるのに!」……なんてこと、ありませんか?(はい、私はちょくちょくあります……。スミマセン)
どうせ飲むなら楽しく飲みたい!でも、翌日も元気に頑張りたい……ですよね!そして面倒なことはしたくない(というより、できない)、そんなあなたと私のために(このパターン多いですね)、今回は手軽にできる「二日酔い対策・対処法」をご紹介します。
目次
二日酔いは複数の要因により複合的に起こる
お酒は適量で済ませば、リラックス効果やストレス解消、動脈硬化のリスク低減など良い作用も期待できますが、アルコールの代謝の過程で出てくる「アセトアルデヒド」には毒性があり、分解が追いつかない量やスピードで飲んでしまうと身体にダメージを与えてしまいます。
二日酔いはこれまで、このアセトアルデヒドの体内蓄積によって起こるものされてきました。しかし、最近ではアセトアルデヒドだけではなく、アルコール代謝によるホルモン分泌状態の急変や、利尿作用による脱水、胃壁へのダメージや低血糖状態など、さまざまな要因が複合的に絡み合い「二日酔い」を引き起こしている、という説が有力です。
このように二日酔いは複数の要因で引き起こされるため「たくさん飲まなければ大丈夫!」という問題ではありません。お酒に強いという方でも、ほどほどの量にとどめたとしても、その時の体調や状況によっては翌日つらい症状が出てしまうことがあります。
二日酔い対策は「飲む前」が効果的ですが、それができていればそもそも二日酔いにならないわけで……。そこで今回は、飲んだ後の帰り道、コンビニで用意できるものリストから翌日の対処法までご紹介します!
二日酔いプレ対策〜帰り道のコンビニで買える!おすすめリスト編〜
楽しく飲んだ帰り道。この楽しい気持ちのまま翌朝へのダメージを最小限にし、気持ちよく過ごしたいですよね。帰り道のコンビニで買えるおすすめリストをご紹介します。
※重要度・おすすめ度の高さを★でマークしています。
① 水分補給の飲み物 ★★★★★
アセトアルデヒドの分解のためにも、脱水対策のためにも水分補給は大変重要です。
できれば寝る前用と翌朝用の両方用意しましょう。
=寝る前用=
〇糖分控えめなイオン飲料、麦茶、ミネラルウオーターなど
糖質は少なめでミネラルを補給でき、カフェインを含まないもので、水分補給してから寝られるように
=翌朝用=
〇イオン飲料、お茶、ヨーグルトドリンク
〇トマトジュース、野菜ジュース、フルーツジュースなど
翌朝、食欲が無くても水分・ビタミン・ミネラルをしっかり摂れるように甘すぎない程度に糖分が入っているものがおすすめ(体内への水分吸収が良くなります。
② みそ汁・スープ(インスタントでOK)★★★★★
特に肝機能を助けるオルニチン、たんぱく質、ビタミンB1が摂れる「しじみ」「豆腐」の入ったお味噌汁や、ビタミンが補給できておなかにやさしい「ポタージュスープ」がおすすめです。
③ カットフルーツ&ヨーグルト ★★★★
アルコール代謝で失われたビタミン・ミネラル補給と胃腸を整えるフルーツも用意すると良いですね。
④ 二日酔い対策用胃薬やサプリメント ★★
液体タイプのものなどコンビニでも売られています。胃薬によってはアルコール代謝を遅らせてしまう場合があるので、「二日酔い対策」として売られているものを選びましょう。お酒を飲む前に飲んでおければベストですが、飲んだ後でも肝機能を助けたり、胃を守ったりする効果は期待できます。
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二日酔いプレ対策〜寝るとき編〜
- 糖分控えめ&ノンカフェインの飲み物をたくさん飲む
- 必要であれば二日酔い対策用のサプリメントや漢方薬などを飲む
- 右のお腹を下にして左向きで寝る
リンパの流れと胃から食道への消化物の流れを良くするため、枕を使って少し頭を高めにし、右側のおなかを下側にして横向きに寝るのも良いとされています。これは、心臓が上に来て、胃から食道への入り口が圧迫されない向きになるためです。
理論上は「なるほど」と思いますが、自分が気持ちよく寝られる程度に意識すれば大丈夫です。ただし「うつぶせ寝」はNG。おなかが圧迫されて内臓に負荷をかけてしまうだけでなく、逆流性胃腸炎になる可能性もあるためです。
二日酔い対処法①:翌朝「しまった!二日酔いだ……」という時の対処法
寝る前に対策しておくことをおすすめしますが、帰ってそのまま寝てしまったり、対策してやはり二日酔いになってしまうことはありますよね。そんな時の対処法をお伝えします。
1)まずは吸収が早い水分をとる!
イオン飲料、トマトジュース、フルーツジュース、お茶など水分を多めに摂りましょう。とにかく水分をたくさん摂って「アセトアルデヒド」の排出を促し、脱水を防ぎましょう。
2) 肝機能の回復を助ける、消化の良い食べ物を!
味噌汁やスープで肝機能の回復と栄養補給をしましょう。食べられるようなら、おかゆや雑炊、おでんの大根など、消化が良い温かいものがおなかに入れられると良いですね。
3) フルーツ&ヨーグルトで代謝を促しビタミンを補いお腹の保護を
二日酔い対処法②:翌朝「顔がむくんでる!」という時の対処法
アルコールの代謝には水分が必要なため、飲酒すると脱水が起こります。しかし、実はその前段階で、身体が水分を用意し血管が拡張するため、顔にむくみが出てしまうという人も多いのです。
脱水するのにむくむなんてすごく理不尽な気がしますが、これは、もう飲んだ代償の生理現象。そうなってしまったら仕方がありません!少しでも顔をスッキリさせるべく、以下の対処がおすすめです。
蒸し&冷やしタオルで顔の血流UP!
顔の血流が良くなり滞っていたリンパなどの流れも良くなりますので、フェイスラインのむくみには効果的です。この後、皮膚の乾燥を防ぐため、必ず化粧水や保湿クリームでケアしましょう。
二日酔い対処法③:自分に合う「漢方」や「ビタミン剤」などを見つけておく
薬局などで相談して自分に合う漢方やビタミン剤などを常備しておくととても心強く、実際に体調回復も早いのです。
下記のようなものが代表的です。
私は50代になってから、飲むと翌日に一度顔がはれぼったくむくみ、急激に脱水がおきて頭痛がひどくなるようになってしまいました。そのため、漢方(五苓散)を常備し、仕事で遠方に出張するときや旅行にも必ず持って行きます。自分の体質や特性に合う物を用意できればかなり楽になると思います。
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「飲み過ぎは禁物ですよ」と言うけれど……
私も栄養士のはしくれですので、栄養指導の際には、お酒を飲む量が多い方へ「どうかアルコールはほどほどにしてください」「飲み過ぎは禁物ですよ!」と伝えています。それは自分への言葉でもあります。
……し、しかーし!そうは言っても、その時の状況によっては、つい想定していたレベルより多めに飲んでしまったり、疲れていてアルコールが思いのほか体調に響いてしまうことってありますよね!
そんな時のために、今回のコラムがお役に立てば幸いです。皆さん、この年末年始も楽しく元気に乗り切りましょう!
(執筆/タニタ研究員・西澤美幸)
<参考>
「eヘルスネット<二日酔いのメカニズム>」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-03-005.html
「公益社団法人アルコール健康医学協会」サイト
https://www.arukenkyo.or.jp/health/base/
「東洋医学の基本講座」(佐藤浩/吉川信 著:成美堂出版)
「漢方210処方 生薬解説」(じほう)
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この記事を書いた人
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1968年生まれ。横浜国立大学在学中よりタニタの体脂肪計のプロジェクトチームに参加。入社後は、世界初の乗るだけではかれる体脂肪計や体組成計、活動量計などの開発に携わり、機器の要となる計測の回帰式や判定アルゴリズム作成を担う。
29歳で社内初の技術系女性課長に就任し38歳で出産。栄養士の資格も有し文部科学省の食育有識者会議委員を務めるなど、さまざまな計測データを健康づくりに活かす提案を行い、栄養士と技術者の2つの視点から多数のセミナーの講師も担当している。