好きを仕事

好きを仕事自分らしい生き方の実践として、公務員を続けながら「複業」の道を模索(東京都職員+シンガーソングライター/磯部健太さん)

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どうやって自分の仕事を確立したのか。本業は公務員、複業としてシンガーソングライター「誰か私に名前を。」(活動名)で活動する磯部健太さんに聞きました。

プロフィール

公務員/シンガーソングライター、ボイストレーナー磯部健太/活動名「誰か私に名前を。」

現役の都庁職員。複業でシンガーソングライター、ボイストレーナー、マーケッター、事業コンサルタントとして活動。イベントや起業家のテーマソング・PVの制作やオリジナル、カバー曲を発信している。また、自身の運営・クリエイションチーム「TEAM_D」を立ち上げ、多様性の実現をテーマにチームとしての活動も行なっている。

仕事内容と自分らしいビジネスアイデアの見つけ方

どんな仕事をしていますか?

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本業は公務員、複業(報酬を得る副業ではなく)はシンガーソングライター・ボイストレーナー「誰か私に名前を。」の活動名で活動しています。音楽作品の発信をする中で感じたのは、SNSが普及し、情報(作品も含め)が溢れるこの時代に、漫然と発信するだけでは多くの人に届けられないことに気付きました。そこで、マーケティングやライティング等のビジネスに関するスキルを勉強するようになり、今では、ビジネス支援という側面でも頼っていただけるようにもなりました。

今の仕事のキャリアは?

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2010年に東京都に入庁し、入庁9年目となる2019年からパラレルキャリアとしてのシンガーソングライターの活動を始め、丸4年が経ちました。また、2023年3月には、今まで継続して行ってきたボイストレーニングの技術や手法を自分以外の方にも還元できるよう、ボイストレーナーとしての活動を開始しました。「自分の能力を活用して、もっと誰かの力になれることはないだろうか?」ということを考え続けてきた中で、活動の幅を広げて行こうと決意した瞬間でもありました。

なぜ今の仕事を「自分の仕事」にしたのですか?

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公務員の仕事では、「ありがとう」を言われる機会が少なく、やりがいを感じるシーンが限られていましたが、趣味として行っていた音楽発信では聴き手からポジティブな反応が頻繁にあり、好きを仕事にできる!と思ったんです。好きなことを仕事にする方法を考える中で、公務員にはパラレルキャリアという考え方が全く浸透していないと感じていたことにたどり着きました。その背景には、本業の他に報酬を得て行う「副業」が公務員の制度上、ものすごく高いハードルがあるからだと思います。ですが近年、民間企業では特に副業のマインドが定着してきていたり、「人生100年時代」で自分らしい生き方が重要視されている中で、公務員でも堂々と新しい働き方や生き方を実践する職員がいても良いんじゃないかと思い、「複業」としての活動・発信を行おうと考えておりました。

今の仕事は好きや得意なことですか?

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好きで得意なことではありましたが、社会人となり、音楽から離れていた期間が長くありましたので、リハビリに数年を掛けて感覚を取り戻しました。

なぜ、今の仕事がビジネスとして成り立つと思ったのですか?

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作品を聴いて喜んで下さる方や応援して下さる方が増えていったことと、音楽の発信に関連して、マーケティングや事業構築などの分野を学んだことで、ビジネス面でも頼られる場面が増えたからです。

「自分の仕事」としてやっていくと決めてから、やったことはなんですか?

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オリジナル曲を毎週のように作り、短期間で作品を発信し続けました。

あなたの「強み」「弱み」は?

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「強み」は、継続する力、やり切る力があるというところ。「弱み」は、一人で何でもやろうとするところです。

自分の強みをどう仕事に活かしてますか?

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認知度の向上や活動の幅を広げるためにSNS上での継続的な発信や、より良いものにするための試行錯誤・挑戦の繰り返しは不可欠なのでとても活きています。

自分の弱みをどう克服していますか?

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一緒に活動する仲間(運営クリエイションチーム「TEAM_D」)を作り、役割分担をすることで、一人で全てのことをやらないようにしています。

ビジネスを立ち上げる時の最大の壁は?

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公務員の職場に前例がなかったことで、周囲の人から前向きな意見がほとんどありませんでした。「自分が前例になればいい」と思い、活動を続けることでそれを体現し、乗り越えてきました。

ビジネスを立ち上げる前に何を準備した?

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歌のブランクがあったので、毎日カラオケに通い練習を続けました。

ビジネスを立ち上げてぶつかった壁は?

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SNS発信の難しさです。思うように認知が広まらず苦労しました。歌以外にも、自分の考えや活動の理念なども発信するようになって、少しずつ応援してくれる方が増えてきました。

1人社長ですか? それともチームですか?

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チーム運営です。自分とマネージャー、プロデューサー、広報担当の4名で活動しています。チーム運営にしようと思った理由は、活動の幅を広げていこうと考える中で、作品制作のスピード感を維持しつつ、企画立案や実施、コラボ相手との調整などが一人ではこなせなくなってきたからです。信頼できる近しい仲間に声を掛けたのと、広報担当については、公募により希望者を募りました。

仕事に求める優先順位は?

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公務員であるため、収入を得ることができません。優先度の高い順に、スキルの定着・向上、生きがいを感じること、人脈の形成です。

法人化してますか?

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この活動で学んだものや繋がりから、将来的には事業化、法人化も視野に入れておりますが、現状では、公務員の制度の中で試験的に活動しています。

いずれは独立・起業を考えていますか?

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考えています。ビジネス視点での学習と実践を続け、在職中にその基盤を固めようと計画しております。自分の人生を描く際にベストな生き方を選択するつもりです。

はじめての仕事はどのように獲得しましたか?

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作品を共同で制作してほしいと、SNSでダイレクトメールをいただきました。それ以降、沢山のコラボや制作依頼をいただいております。本当に嬉しいです。

最初に自分の力で稼いだお金を得たときの感想は? またその額はいくら?

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無償での音楽活動のため報酬は得られませんが、イベントや起業家様等のテーマソングを制作させていただき、その際にいただく「ありがとう」が何より嬉しいです。

価格はどのように決めましたか? 価格設定で悩んだことは?

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常に0円での受注となりますが、依頼者やボイストレーニングの生徒様から「お金を払います!」と言っていただけるので、そのお気持ちを活動の糧にしております。

ビジネスが軌道に乗るまでの期間とその間のやりくりは?

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活動が安定するまで3年は掛かったように思います。昨年(2022年)の11月に運営チームを持ってから、依頼や取材の機会が増え、活動が軌道に乗ったように思います。

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