好きを仕事デザイナーとして新卒フリーランスに。フリーランスとして生き残るためにしたこととは？〈デザイナー／青澄凪〉

ロゴデザイン、DTPデザイン、パッケージデザイン、ウェブデザイン、空間デザイン、イラストなど多岐に渡るデザインを手掛けています。

「好きなこと」で「得意なこと」です。

きっかけは色々ありましたが、最終的に新卒フリーランスを選んだ理由は「大きい組織の一部より、小規模でも全てを自分でやってみたい」と思ったからです。

大変な時期はありましたが、就職したいと思ったことは一度もありません。

何にも縛られず自分らしくいられることで、自分の能力を限りなく伸ばせていけることです。

コミュニケーション能力がかなり必要でした。「同僚も上司もいないからコミュニケーション能力はそこまでなくても…」と思っていましたが、まずその能力がないと人脈が築けず、仕事がもらえないことに気がつきました。

屋号とロゴを決め、簡単なポートフォリオを作りました。

①収入が安定するまでのバイトとの掛け持ち（約２年間）
②確定申告・給付金の申請
③極端な値下げ交渉

極端な値下げ交渉をされる時は、腹が立つというか「デザインの価値を理解してもらえていないのかな…」と残念に思うことがあります。

将来や色んなことが不安な時期だけど、３〜4年後には経済的にも精神的にも安定しているので、自分を信じて頑張ってください。良い出会いが沢山あります。

知り合いの貸しオフィスの見取り図を作成しました。報酬は5万円でした。建築学科出身だったので、「大学で学んだスキルがちゃんとお金になるんだ」と感動したのを覚えています。

新卒フリーランスのため、収入を前職と比較することができません。

ホームページ制作で80万円くらいでした。

引越し資金と安定するまでの生活費を見込んで、50万円ほど準備しました。

フリーランス4年目で駆け出し価格から改定をする際に、既存顧客へ「なぜこの価格設定なのか」をどのように説明すれば上手く伝わるか悩みました。今までは駆け出しだったため破格の価格設定だったことを伝え、相場と細かい項目（ディレクション、デザイン、入稿代行、アフターワーク…）ごとの料金を提示しました。

営業能力です。今のところ有難いことに知人や顧客の紹介で仕事をいただけているので、積極的に営業していけばもっと沢山の仕事に出会えるのかなと思います。

今は収入が目標額で安定しているので、更なる収入よりも時間やゆとりを大事にしています。ライフステージの変化に伴って、この優先順位も変わると思います。

顧客が増え、収入が安定してきたと感じたのは開業3年目です。

月々のホームページ管理費の未払いが半年近く続いたクライアント様がいらっしゃいましたが、最終的に全額お支払いいただけました。トラブル時の対応など良い勉強になりました。

2021年5月にフリーランスのデザイナー仲間４人で【株式会社ShinariDesign】を設立しました。

SNSで実績紹介をする際に、クライアント様の名前の綴りを間違えて投稿してしまったことがあります。「長い付き合いなのに、このタイミングでこの間違いは非常に悲しいです。」とご連絡がありました。業務委託だったのでクライアント様を傷つけただけでなく、業務委託先の信頼も失わせてしまいました。とにかく両者に深くお詫びをし、その後の仕事と態度で信頼を取り戻すよう努力しました。

仕事とプライベートのバランスはとても重視しているポイントなので、ちょうど良いバランスを保てていると思います。

クレームの経験はありません。

一つは、引越し＆フリーランスになってすぐコワーキングスペースに入居したことです。尊敬できる先輩フリーランスの方々や今でもお付き合いのあるクライアント様に出会えました。二つ目は、東京に拠点を移してすぐにデザイン会社の業務委託をしたことです。そこで一緒にデザインワークをした仲間が、今の会社の立ち上げメンバーです。居住地が変わる度に新しいコミュニティに積極的に入ったことが、結果として良い繋がりを生んでいます。

二級建築士の資格を持っているのですが、まだ本格的な設計の仕事をしたことがありません。（簡単な図面やパースを製作したことはあります。）もともと建築が好きなので、設計事務所などで本格的な設計業務を経験してみたかったです。

今のところありません。

過去に仕事させていただいたクライアント様に「その後、お困りなことはないですか？」とお声がけします。あとは【仕事は来ない時は来ないし来る時は来る！】というスタンスなので、次の仕事が来た時のためのスキルアップやインプットに時間を充てています。

もっとブランディング能力を高めたいです。ただ依頼された案件をこなすのではなく、クライアント様と共に「経営をどのように具現化するか」をデザイナー視点で考えられるようになりたいです。

辞めたいと思ったことは一度もありません。

プライベートでは何度か詐欺にあいましたが、仕事ではないです！笑

新卒フリーランスになるのと同時に諸事情で身寄りのない土地に引っ越したので、言葉どおり右も左も分からない状態でした。どこでどのように人と出会えば良いのか、そもそも独学である私のデザインが人の役に立てるのか。社会人として最低限の礼儀や作法ってなんだろう…。とにかく全てが不安でした。

尊敬できる先輩フリーランスデザイナーたちに相談します。だいたい同じ状況を経験しているので、彼らがその時にどう対処したのかアドバイスをいただき、まずは試してみます。

ヒアリングシートの雛形を作ったことです。何もない状態で打ち合わせに臨むより、クライアント様との間で課題やデザインに対する意思疎通がとてもスムーズになりました。

フリーランス駆け出しの頃、クラウドソーシングに挑戦しましたが業績は上がりませんでした。費やした時間と労力を考えると、むしろマイナスだったかなと今では思います。

効果的だった投資は、仕事道具であるAdobeとCADはもちろんのこと、デザインに関する書籍やカメラ機材なども役に立ちました。総額100万円ほど。あまり意味がなかったと感じているものは、名刺のリニューアルです。最初に作った100部がなくなったので増刷するタイミングでせっかくなら！とデザイン＆印刷にこだわったのですが、コロナ禍で名刺を渡す機会がほぼなく10枚程しか減っていません…。費用は３万５千円くらいでした。

InstagramとTwitterのアカウントがあり、Instagramをメインで運用中です。プロフィールページを見やすいようにグリッド投稿（1つの案件に対して連続で3つ投稿）したり、余白やトーンを意識して【青澄 凪の世界観】を表現しています。

フリーランス3年目にWordPressで作ったポートフォリオサイトがあります。こちらも【青澄 凪の世界観】が伝わるように意識して作りました。今年中にフリーランスの形態と屋号を変えようと準備中なので、サイトもリニューアルする予定です。

９割が知人からの紹介です。残り１割がSNSやWantedlyからです。

私の場合は人脈です。先ほど集客の９割が紹介だと述べましたが、そのほとんどが「困っている人がいて、あなたのことを紹介したよ！」「〇〇さんから紹介されて連絡しました！」と私の知らないところで【デザイナー青澄 凪】というワードがひとり歩きして仕事を持ってきてくれました。最初に深くて良い人脈を築けたことが、今の仕事に繋がっていると思います。

デザイン会社設立メンバーのひとり（代表）に「凪ちゃんの丁寧で迅速で柔軟なデザインワークにいつも助かってます！」と言っていただいたことです。誰かの役に立てているんだ！と自信になりました。私は褒められて伸びるタイプなので、うまくいかない時や落ち込んだ時はこの言葉を思い出して、ニヤニヤしながら元気にデザインしています。笑

いつでもどんなことでも気軽に相談できる存在になること。悩みを解決できるかどうかは別として、まずは「凪さんに話したい！」と思ってもらえるように心掛けています。

クライアントは新規の方よりリピートの方がとても多いです。

強いて言えば、Instagramで実績紹介することでしょうか…。

定期的に「その後、お困りなことはないですか？」と連絡を取ったり、SNSで交流したりして、ここにいるよ！いつでも頼ってね！とアピールをします。

「困ったときにすぐ相談に乗ってもらえて助かる！」と言っていただくことが多いです。

ご依頼数が多いクライアント様やお付き合いが長いクライアント様とは定額のデザイン支援契約を結んでいます。年間の制作スケジュールを立てて分割で毎月お支払いいただくことで、先方にとっても高額な案件を依頼しやすく、こちらも収入ゼロの月をなくすことができます。スケジュールにない追加案件は、その都度お支払いいただきます。

拠点を東京に移した際に、「物理的に近い人にお願いしたいから」と年間契約の途中で切られたことがあります。運よくクライアント様の近くに引継ぎができる知人がいたのでお願いしました。

会える距離なら対面で、遠方やご時世的に会うのが難しい場合はzoomで、可能な限り顔を見てお話しするようにしています。急用でも、メールより電話で連絡することが多いです。文面だと感情が読み取りにくいので、誤解が生まれないように表情と声で対話することを心掛けています。

ありません。きっと向いていないので、今後もしないと思います。

倦怠期はまだ来たことがありません。5年目になりますが、自分でも不思議なくらい毎日楽しんで仕事ができています。

屋号はデザイナー名の「青澄 凪」をそのまま使用し、ロゴは「Nagi」で凪（風がやみ波が穏やかになる様）を表現しました。

「どんなことでも気軽に相談できる存在」であること。

人を傷つけるデザインです。誰かに不快感を与えるような暴力的・性的・宗教的なデザインのご依頼はお断りしています。

駆け出しの頃クラウドソーシングに挑戦しましたが、なかなか採用されず、採用されたとしても報酬がかなり少額で辛い思いをしました。クラウドソーシングで高額稼ぐデザイナーもいるのでシステムのせいにはできないのですが、単純に私には合わなかったようです。

私の強みは横断的なデザインに対応できることです。クライアント様が新しいカフェをオープンしたい場合は、ロゴ、名刺、チラシ、ウェブサイト、パッケージ、インテリアなどのデザインはもちろん、SNSの運用代行も承っております。 媒体ごとに別のデザイナーに依頼するよりも【ブランド全体のデザインの一貫性】を図ることができます。

一部顔出しをしています。

仕事への影響はわかりませんが、顔が見えることは安心材料の一つになると思います。 スーパーの野菜もそうですが、つくる人の顔が見えるってなんか安心しますよね。 性格は顔に出ると言いますし、顔が見えるだけで「きっとこんな人なんだろうなぁ」と中身を想像できるからかもしれません。

ここ数ヶ月、自身のリブランディングを構想中です。 根っこの思想はこれまでと変わらず、今後はデザイン以外のことでも困っている人のお手伝いができる仕組みを考えています。

幅広いデザインに対応可能なフリーランスデザイナー(2019-)
二級建築士(2021-)
デザイナー仲間と株式会社ShinariDesignを設立(2021-)
「どんなことでも気軽に相談できる存在」をモットーに横断的・継続的なデザインワークを行います。

特にフリーランスに関しては自営業のクライアント様が多いので、経営と経営に関わる全てのデザインに不安を感じていると思います。それらを気軽に相談できるデザイナー兼なんでも屋でいられるように、日々努力をしています。

就職したことがないので比較はできませんが、周りの人の話を聞いているとフリーランスのメリットは「プライベートや趣味の時間を大切にできる」ことだと思います。会社員のメリットは「会社が倒産しない限り収入が約束される」ということでしょうか。

コミュニケーション能力です。リピートしてもらう／誰かに紹介してもらうためには必須だと思います。

仕事が早いことです。周りからもよく「仕事が早くて助かる」と言われます。のんびりした性格なので自分でも意外でした。

文章を書くのが苦手です。クライアント様宛のメールも何度も書き直してしまい、送るのに時間がかかります。苦手を克服しようとnoteで書く練習を始めましたが、3ヶ月しか続きませんでした…。

独学のデザインスキルが世の中に通用するのか心配でした。実際は学び方（大学、専門学校、独学など）ではなく学ぶ姿勢が重要だと気づきました。フリーランス2年目にお会いした有名なデザイン事務所の代表も独学でデザインを習得し、数多くの素敵なデザインを世に出されています。

設計力です。デザインするときもご提案資料を作るときも、どのように要素を組み立てるかが重要だと思います。私は建築学科出身なので、私のモノづくりの方法は「建築の方法論」がベースになっていると思います。

ブランディング能力です。クライアント様の経営を長期的に良くするためにはブランディングとデザインの両方が必要だと思うからです。

人間関係の構築です。フリーランスになるタイミングで身寄りのない土地に引っ越したので、最初は何をするにも苦労しました。学生時代の人脈を活かせていれば、今よりも多くの仕事に出会えていたと思います。

会社員になる方が自分には向いていないと思っていたので、フリーランスになる可能性は十分ありました。

自分自身と向き合う時間が増えました。フリーランスは言わば自分自身が会社です。経営を良くするため、年度が変わるたびに自分の強みや弱み、お客様にとってどんな存在でありたいかなどを自問自答しています。

反対されませんでした。「フリーランスの働き方はよく理解できていないけど、あなたが選んだ道なら頑張りなさい。」と母に言われました。

大学院を中退して、引越し＆フリーランスに転身したときに軍資金を借りたことです。

母です。小学5年生でいきなり「中学受験する！」と言い出した時も、大学3年生でいきなり「留学する！」と言い出した時も、大学院1年生でいきなり「中退してフリーランスになる！」と言い出した時も、一度も反対せず可能な限りの援助をしてくれました。破天荒な娘でしたが、いつも味方でいてくれた母のおかげで今日までのびのびと生きることができました。決して過保護なわけではなく「あなたの好きなようにしなさい。」という放任主義な感じが私には合っていたと思います。

就職経験がないので学生時代と比較しますと、より自分らしく居られるようになったと思います。
一日のほとんどの時間を「好きなこと」に費やせて、且つ「好きなこと」で人の役に立てるんだと自己肯定感も高まります。

フリーランスになったことによる人間関係の変化は特にありません。学生時代の知り合いの多くはフリーランスに興味があるようで、仕事の進め方や生計の立て方、メリットデメリットなどフリーランスのあれこれを質問してくれます。

デザインの専門的な相談はデザイナー仲間に、それ以外の仕事の相談は夫に聞いてもらっています。

クライアント様から「仕事以外の相談も気軽にできて話していると癒されるので、凪さんは私のメンターです！」と言っていただけたことです。

デザイン会社の創立メンバーたちです。全員フリーランスデザイナーで、業務委託先のデザイン会社で出会いました。デザインにおいて得意不得意の分野がバラバラで、それぞれの足りない部分を補い合える最高のチームです。

丁寧かつ迅速に返信することです。

トラブルと言えるほど重大な出来事はまだありません。

【平日】
6:30｜起床
7:00｜家事、ヨガ、読書など
8:00｜デザイン業務開始（デザイン会社）
12:00｜昼食
13:00｜デザイン業務再開（デザイン会社）
17:00｜デザイン業務終了
18:00｜夕食
19:30｜半身浴、ゲーム、YouTubeなど
23:30｜就寝 ＊週に2~3件ほど打ち合わせが入ります。
＊フリーランスの急ぎの案件があれば隙間時間に対応します。
【土日】
9:00｜起床
9:30｜家事、ヨガ、読書など
10:00｜デザイン業務開始（フリーランス）
12:00｜昼食
13:00｜デザイン業務再開（フリーランス）
15:00｜買い物、ゴルフ練習など
20:00｜夕食
21:30｜半身浴、ゲーム、YouTubeなど
23:30｜就寝 ＊平日はほぼルーティーン化していますが、土日は予定により左右されます。

新卒フリーランスのため前職と比較することはできませんが、同世代の会社員に比べると仕事の時間は少ないと思います。

プライベートの時間は十分取れています。平日の睡眠時間は平均7時間です。

昔からずっと、体や心が疲れたときはまず休みます。眠らなくてもいいので、とにかく布団の中でぼーっとします。丸一日そうしていると次の日には心身ともに完全復活します。

ありません。PCさえあれば、いつでもどこでも仕事ができます。

マネーフォワードの確定申告サービスにはフリーランス１年目から非常にお世話になっています。あとはPinterestも手軽にデザインのインプットができるので便利です。

私の場合、「身体の健康」には「心の健康」の影響が大きいので、まずは「心の健康」を崩さないように自分に優しくしています。

金額を気にしないのであれば「家」ですかね。もともと自分の家を自分で設計したくて建築学科に入りました。広いアトリエと、好きなアートを沢山飾れる展示スペースを作りたいです。

国内の美術館や建築巡りをしたいです。1ヶ月休みがあれば海外にも足を伸ばしたいです。

所属しているデザイン会社では、不定期で講師を招いてみんなで勉強会をしています。去年は約半年かけてマーケティングについて学びました。次はアプリデザインの勉強会をしたいねと話しています。

会社に必要なほとんどの能力です。会社員（デザイン部署）の場合はデザインだけに専念すれば良いですが、フリーランスはデザインだけでなく経営、営業、広報、会計、その他諸々の雑務全てをこなさなければなりません。

また個展を開いていみたいです。2021年6月に仙台で「凪の寝癖展」を開催しました。毎日撮り溜めた寝癖の写真を365日分展示しました。次やるとしたら、クリエイター仲間とテーマを決めてグループ展をしてみたいです。

今後10年で妊娠・出産・子育てとライフステージが変化していくと思いますが、デザインの仕事は続けていたいです。

PC内のデータと紙の資料の整理整頓です。必要なデータがすぐに探せて、誰が見てもどこに何があるのか分かるので、共同作業もスムーズに進みます。

社会貢献や誰かの役に立てることです。

クライアント様に「お願いしてよかった！」と言っていただけたときです。

まだ出会えていません。そんな存在にいつか出会えたらいいなと思います。

フリーランスであれ会社員であれ、プライベートや趣味の時間を大切にできる働き方です。

仕事であれば「好き」だけでなく、ちゃんと稼げないといけないと思います。 稼げなくてもいい「好きなこと」なら、仕事ではなく趣味にします。

誰かの役に立つこと。結果、自分に自信が持てること。