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キャリア設計

「好きを仕事にする」だけが正解じゃない。女性投資家が考える40代女性のキャリアの再構築術

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『これからは、生き方が働き方になっていく』の著書を持つ投資家・鈴木絵里子が語る「個の時代」のキャリア戦略。

先の読めない時代を生き抜くには、どんな働き方が必要だろうか。外資系投資銀行からベンチャー投資家へと転身し、2児の母でもある鈴木絵里子さんは、テクノロジーの進化がもたらす「個の時代」において、キャリアをどう築くべきか、そのヒントを提言する。自身の経験と、投資家として培った半歩先の視点から、40代女性が今、見つめ直すべき働き方戦略に迫る。

「ロールモデル」から「レプリゼンテーション」へ

「こんなふうに働きたい」という理想を抱きながら、現状にモヤモヤしている女性は多い。しかし、鈴木さんは「お手本となるロールモデルを探すのではなく、多様な生き方・働き方を知ること」、すなわち**「レプリゼンテーション」**が必要だと語る。

ロールモデルは時にプレッシャーとなり、かえって身動きが取れなくなることもある。そうではなく、自分と似た状況の人たちがどんな選択肢を持っているかを知ることで、「こんな道もあるんだ」と自身の可能性を広げることができる。国や地方自治体が女性の起業を支援しているにもかかわらず、起業家が増えない現状を打破するには、多様な成功例や挑戦の姿を見せる機会を増やしていくことが不可欠だ。

「好き」を仕事にする以外の選択肢

「好きなことを仕事にしよう」という言葉はよく聞かれるが、それだけが正解ではないと鈴木さんは指摘する。欧米で「大退職時代」と言われるほど離職者が増えているのは、「もっと頑張らなければ」「成功しなければ」といったプレッシャーに燃え尽きてしまう人が多いためだ。

「好きなことを仕事にすること」は、同時に「稼がなければならない」という重圧を伴う。そうではなく、趣味として楽しんだり、会社員の傍らで取り組んだりするなど、柔軟な考え方を持つことが重要だ。自分がどうなったら幸せなのか、何に優先順位を置くのかを考え、必要最低限の収入を確保しつつ、残りの時間を好きなことに使う。そうした働き方こそが、持続可能なキャリアを築く鍵となるだろう。

「ウェルビーイング」への投資という視点

多忙な日々を過ごす中で、自分の心や体が疲弊してしまうこともあるだろう。鈴木さんは、そんな時こそ**「ウェルビーイングのメンテナンス」**が将来を生き抜くためのスキルになると語る。

「休むと収入が減る」という不安を抱えるかもしれないが、長期的な視点で見れば、自分自身が動けなくなってしまっては元も子もない。自分への投資と考え、意識的に休む時間、思考を整理する時間を確保することが重要だ。

また、結婚や育児、介護など、ライフステージの変化に直面した際は、自分にとって何が大切かを考え、取捨選択する勇気を持つべきだ。「あの人はあんなことができていいな」という他人の声に惑わされず、自分の価値観を大切にすることが、自分らしい生き方を実現する第一歩となる。

この記事を書いた人

I am 編集部
I am 編集部
「好きや得意」を仕事に――新しい働き方、自分らしい働き方を目指すバブル(の香りを少し知ってる)、ミレニアム、Z世代の女性3人の編集部です。これからは仕事の対価として給与をもらうだけでなく「自分の価値をお金に変える」という、「こんなことがあったらいいな!」を実現するためのナレッジを発信していきます。

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