50代でも転職はできる？ 定年後はどう生きる？　50代女性のキャリアを再構築するために必要なこと３つ

多くの女性のキャリアを応援してきたキャリアアドバイザーの藤井佐和子さんは「キャリアプランはライフプランの一部」だと語ります。人生100年時代、定年後も人生を豊かに安心して過ごしたいと思うなら、50代以降の社会との関わり方について考える必要があるかもしれません。

POINT１　仕事を後輩に引き継ぐことで、今後どう生きたいかが見えてくる

50歳まで企業で仕事をしてきた人は、「この人にしかできない仕事」を抱えてしまっていることがあります。「この仕事は私がやらなくては」と抱えてしまうことで、後輩に任せられず、自分はいつも忙しい……このような状況に陥ってしまうと、今後のキャリアを考える余裕すらなくなってしまいます。

「会社はいつか定年するものですが、人生はその後も続いていきますよね。だからこそ、今、『私の仕事』を手放して、後輩に引き継いだり伝えたりする方向へと舵を切ってほしいと多います。そうすることで、やりがいや、幸福感が増すだけでなく、現在の仕事や会社を俯瞰して見ることができ、人生の軸が自分に戻ってきます。すると、自分が今後どう生きたいのかが見えやすくなります」（藤井さん）

いつかは退職する、そして、その後の人生は思ったよりも長い。この事実に気づいたときこそ、セカンドキャリアについて本気で考えるチャンスと言えるかもしれません。

POINT２　人生100年時代の長い「老後」をどう過ごしたいかを考える

「人生100年時代というなら50代はまだ人生の半分を過ぎたあたり。まずは、定年後の自分の姿を思い描くこと。そこから、新たなキャリアや人生への扉が開けることだってあります」（藤井さん）

「これまでのスキルを生かした仕事をしたい」「今までの仕事とは違っても良いから自分が役立つことをやってみたい」「お金は貯まっているから趣味に没頭して、それが仕事になったら嬉しい」など、まずはぼんやりとでもいいので考えてみましょう。

次にやってみることは、大手転職サイトに登録して、自分がやりたいと思う仕事の求人を探してみることです。

「そこで、今のままの自分では転職先がなかったとしても、悲観して諦める必要はありません。打開策というのは、現状を把握することによって生まれます。未来に向けて動き出すことができます。ぜひ前向きな気持ちで取り組んでみてほしいですね」（藤井さん）

POINT３　リスキリングや副業、ボランティアを通じて第二の居場所を作っておく

自分の現在のスキルが明確になれば、今の自分にプラスアルファでスキルを身につけることで、転職や独立など、新たな道が開けることもあります。一方で、「新たな学びは何も、今の仕事に役立つこと限定に考える必要はない」という藤井さん。

「50代の今、はじめてほしいのが、会社以外の人間関係を構築しておくことです。そのためには、もちろん、転職を目指して資格を取得するというのもありですが、マーケティングやコンサルティングなどの今後役立ちそうなものであったり、思いっきり趣味に振り切ってダンスやピアノ、テニスなどを習いに行ったりするのもおすすめです」（藤井さん）

利害関係のない社外の人との付き合いが、人生に大きな福音をもたらすことは少なくありません。また、会社以外の居場所があることで心に余裕が生まれ、会社での人間関係の悩みが気にならなくなる……と言うこともあるようです。新しく築いた人脈の中で、「今、人が足りないんだけど仕事手伝ってくれない？」と、声をかけられるなど、新しい道が開けるかもしれませんね。

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（ I am編集部 ）