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50代からのリスキリングを諦めない!経験や知識を生かした学び直しを

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今さら聞けない「リスキリング」とは?意味やその背景、リカレント教育との違い、50代におすすめのリスキングの知識、スキルをご紹介します。

今さら聞けない「リスキリング」とは?意味やその背景、リカレント教育との違い、50代におすすめのリスキングの知識、スキルをご紹介します。

今さら聞けない「リスキリング」 意味やその背景は

昨今、「リスキリング」という言葉をよく見かけます。 リスキリングを簡単に説明すると、新たなビジネスモデルの出現や時代の変化などに対応すべく、業務上で必要となる新しい知識やスキルを学習・習得し直すことを指します。

現在の日本社会では業務の自動化やChatGPTなどAIの出現をはじめ業務の質が変わりつつあり、また企業は多様な働き方への対応も求められているという変化が著しい時代です。 労働者にとっても特に求められるスキルは流動的になっており、新たなツールの使い方など、常日頃から多様な分野でアップデートが求められています。

リスキリングの意味や背景

「リスキリング」とは、「Re-skilling」の名の通り、業務上で必要とされる新しい知識やスキルを学ぶことです。

「日立製作所」では2020年4月から全社のデジタルリテラシー底上げを目的としたe-learningが開始されたり、「富士通」が、2020年7月に発表された「2020年度経営方針説明」において、DX企業へと変革するための重要な施策のひとつとしてDX人材への進化があげられ、積極的に社員に教育プログラムを提供されたりしたことで、注目されました。

こうした企業でのリスキリング導入の背景は、労働人口の減少による業務の自動化やデジタル化。そして自動化のためのDX推進を担う人材育成が重要視されているからです。 業務のデジタル化が進む今の時代において、IT人材の不足は大きな課題となっています。

 すでに優れたスキルを持っている人材を採用するのは、どこの企業にとってもハードルが高いものになっています。 しかし、既にいる社員に新しいスキルや知識を身につけさせれば多大なコストをかけてIT人材を採用する必要はなくなります。 こうした背景から各企業が「リスキリング」導入に乗り出しています。

参考:リスキリングがDXを潤す、富士通・日立・NTTデータが始めた「人的資本のプール」

参考:企業における人財育成について~日立グループの取り組み~(経済産業省)

リスキリングとリカレントとの違いは?

「リスキリング」の意味についてご紹介しましたが、よく疑問として出てくるのは「リスキリング」と「リカレント」の違いです。

リスキリングもリカレント教育も、社会人の「学び直し」を指しています。 しかし、リスキリングはビジネスやデジタル技術の変化などに対応するため、企業主導で従業員に再教育を行うのに対し、リカレント教育は、個人が自らの意志で、大学や専門学校などの教育機関で学び直すことを指します。一見同じような意味に捉えてしまいがちですが、内容はかなり大きく異なりますので、自分がどのような学びを得たいかはしっかりと事前に設計しておくことが必要と言えるでしょう。

リスキリングは、DX関連だけではない

「リスキリング」は、これからのキャリアに役立つ知識を身に着けていくことを指します。 つまり、DXだけでなく、非IT資格もリスキリングに含まれます。 例えば経理の仕事をしていて、新たに簿記の資格を取得したら、それは「リスキリング」になります。 無理にIT系の資格を取得する必要はなく、あくまで自分の実務経験と、これからのキャリアに役立つ資格の取得を目指していくのがよいでしょう。

なぜ50代からリスキリングが必要なのか

ここまで「リスキリング」について内容の説明と注目されている背景をご紹介してきました。 ここからは50代にとってリスキリングが有用な理由は以下の3つです。

理由① 人生100年時代と定年退職の高齢化による働く期間の長期化

人生100年時代と言われるようになった昨今。60歳で定年退職した後は、約40年の人生が待っています。 また労働人口の減少や年金制度の不安定化など、60代以後も働く必要が求められています。 これまでは定年まで一つの企業で勤め上げ、老後は悠々自適に年金で暮らす…そんな生活が難しくなりつつあります。 定年後も安定した職業を得て、充実した生活を送るには、定年前から準備が必要です。 就業している企業で定年後も雇用してもらえるとは限りません。 やりがいのある仕事を続けるには50代から定年後の仕事を見据えて準備する必要があるといえるでしょう。

理由② AIやIT技術の進化への適応

冒頭でもお伝えしましたが、昨今の働き方は日々進化しています。 特に日本はデジタル・ITを活用した業務に関して海外より遅れをとっており、今後IT化の底上げが行われていくでしょう。 そのためにも日々の業務や業務ツールに対応すべく、リスキリングをしていく必要があります。 とくに最近目覚ましいのが「ChatGPT」などをはじめとしたAIツールです。 株式会社サイバーエージェントでは「ChatGPT」の活用により、広告のクリエイティブをチェックする30人いたディレクターを0人にしました。 このように必要とされる仕事は日々移り変わっており、また新たなツールを使いこなせないと、どんどん最新の業務についていけなくなってしまいます。

参考:ChatGPTで広告部隊が激変 サイバーは30人超のディレクターをゼロに

理由③ 新しい知識・スキルの取得によるキャリアアップ

ポジティブな理由からも「リスキリング」は重要です。 50代の多くが子育てが一段落し、自分の時間を持てるようになるなど、子育てなどにかかった支出も落ち着き、金銭的な余裕も持てるようになったのではないでしょうか。 定年後の人生は「第二の人生」とも呼ばれ、自分のやりがいや目標にむかって改めて進んでいける機会になります。 自分の夢を叶えるために新たな知識を仕入れたり、スキル取得によるキャリアアップを目指すことで、より充実した「第二の人生」を送ることができます。

50代のリスキリングに対する意識

では実際に多くの50代の人々は「リスキリング」を含め、新たなスキル・知識の習得についてどのような意識をもっているのでしょうか? 

全国のオフィスワーカー400名を対象にした「50代社員に関する意識調査」(フォー・ノーツ株式会社)によると、50代の新しいスキル獲得への自信のなさが伺えます。

 あなたの職場にいる身近な50代の社員は、今後新たなスキルや知識を身に付けたり、未経験の仕事に取り組むことができると思いますか、という質問に対する回答として 「若い社員以上にできる」と「若い社員と同様にできる」を合わせた割合は、20~40代が59.0%なのに対し、 50代では50.0%と1割近く少ない状態です。 ここから50代社員の、新しいことへ挑戦することへの自信のなさが伺えます。 また、調査のなかから50代社員の自己評価の低さが浮き彫りになり、新たな知識習得に関しては多くの50代社員が消極的・あるいは自信がないという結果になりました。 上記の状況は一見ネガティブに思えます。 しかし、多くの50代が新たな知識習得に消極的かつ自信のない状況は逆にチャンスとも言えます。 いままで手が届かないと考えていたキャリアも、新たなスキルの習得で現実になりえるかもしれません。

あなたの職場にいる身近な50代の社員は、今後新たなスキルや知識を身に付けたり、未経験の仕事に取り組むことができると思いますか?[単数回答]

※50代には「あなたは、今後新たなスキルや知識を身に付けたり、未経験の仕事に取り組むことができると思いますか?」と質問

50代は経験・知識を生かすリスキリング・学び直しを

「リスキリング」の多くは、若いうちから始めるのが良いとされています。 もちろん、早ければ早いほど身につけるスキルの幅が広がったり、あるいは給与に反映される年数も多くなるでしょう。 しかし一方で、50代にしかない強みも存在しています。 それは圧倒的な経験です。多くの実務経験があることでこれからのキャリアの予測もしやすく、また必要な資格も明確になっています。 また実務経験があることで知識の習得もしやすく、資格取得でこれまでのスキルの証明やさらにスキルアップが図れるなど大きなメリットがあるといえるでしょう。

50代だからこそできるリスキリング・学び直し

50代の多くが子育てが一段落、あるいは自分の仕事も落ち着いている期間だといえます。 20代よりも無理をすることなく、ゆとりある時間のなかで自分の人生を見つめ直し、学び直しをすることができます。 これまでのキャリアを振り返り、自分の培ってきた経験やキャリアを見直すことで次のキャリアを設計することができます。

「リスキリング」はメリットばかり目に付きがちですが、やみくもに手を出しても、 「自分のキャリアには必要ない資格だった」 「自分の時間を無駄にしてしまった」 と後悔してしまう可能性があります。 しっかりと「振り返り」を行うことで効果的な「リスキリング」を取捨選択できますので、ぜひ参考にしてみてください。

時代の変化・ニーズを考える

ここで一点注意が必要なのが「時代の変化」「時代に求められるスキル」を見極めるということです。 AIが台頭する時代において、「必要なくなってくるかも?」と言われている資格やスキルも存在します。 時代やニーズを見極めて、将来的にも必要とされる資格やスキルを取得していく必要があるでしょう。 また、そのような自動化した仕事でも、AIを扱う人材は必要です。 文章を作成するにしてもうまくAIにデータを流し込まなければ使いこなすことはできません。 自分の目指す職業がAIに取って代わられてしまいそうであれば、その分野のAIを使いこなすスキルを身につけるのも手段の一つかもしれません。

50代におすすめのリスキリングの知識・スキルと学べる場所

ここからは、実際に「リスキリング」をしたいという方向けに、 おすすめのリスキリング分野や実際にスキルを学べる場所をご紹介します。

マーケティング、デジタルマーケティング

「デジタルマーケティング人材の採用が困難」という昨今の状況を踏まえ、デジタルマーケティングやマーケティングを学びデジタルスキルを身につけることをおすすめします。 最近では買い物をするにも「通販」という選択肢が当たり前になってきました。 市場のデジタル化に伴い、インターネット上での顧客の購買行動を分析し、またその顧客に対して効果的なマーケティングを行うことが求められています。 しかし、昨今急激に成長した分野であるということ、そして各企業も採用を強化しているという状況から慢性的な人手不足になっています。 さらに言えば、デジタルマーケティングは様々な分野に精通した知識があると非常に有用だということです。

 例えば医療系の仕事に就いていて、デジタルマーケティングを学べば、 患者さんのよく見るサイトや生活時間の使い方を参考に、効果的な医療関連のデジタルマーケティングを行うことができます。 様々な分野でマーケティング人材は求められている状況なので、一見マーケティングとは関係ない業務に就いていたとしても、これまでの就業経験が大いに役立つ可能性があります。

学べる場所:グロービス経営大学院

マーケティングやデジタルマーケティングを学ぶのにオススメの場所が「グロービス経営大学院」です。 「リスキリング」分野ではかなりポピュラーなので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。 グロービス経営大学院では、社会人向けビジネススクールとして特化しており、フルタイムで働いている方でも受講しやすい環境が整っています。 1科目(3か月)から受講可能で、最終的にはMBA(経営学修士号)の取得が可能というのも魅力です。 マーケティング分野の授業が幅広く開講されており、経営戦略や、マーケティングの視点からビジネスで効果的な成果を出すための代表的なフレームワークの実践的な使い方を身につけるカリキュラムが組まれています。

企画開発(デザイン思考、プロジェクトマネジメント等)

現代の働き方と同様、消費者ニーズは多様化しています。 このような昨今の情勢において、商品開発の重要性と難易度は高まってきている傾向にあります。 商品開発は、マーケティングと同様に、市場環境と顧客のニーズを的確に把握することが必要になります。 よって、ジャンルを問わず市場環境や顧客のニーズをしっかり把握している人は、消費者のニーズを把握しながら様々なアイデアを提案できる可能性があるといえます。 企画開発を学ぶことで、これまでの経験や知識を大いに発揮できるのではないでしょうか。

またそれだけでなく、独立行政法人情報処理推進機構による調査によると、プロダクトマネージャーやビジネスデザイナーは、ユーザー企業、IT企業のいずれにおいても重要度が高いという調査結果になっています。

またIT企業ではテックリード、エンジニアも重要度が高い結果となっています。

これらの人材を獲得しようと各企業採用に力をいれており、、まさにリスキリングをするのにうってつけの分野といえるのではないでしょうか。

参考:独立行政法人情報処理推進機構「DX推進に向けた企業とIT人材の実態調査」から読み解くデジタル時代に求められるもの」

学べる場所:Udemy

オンライン動画スクールUdemyでは幅広い分野の授業を開講しています。 デザイン思考の講座だけでも5000講座以上の講座が用意されています。 またこのオンライン動画スクールでは英語での講座も受講することができます。 入門から実践編まで幅広く受講することができ、また1講座ごとの支払いのため気軽に受講することができます。

リサーチ、データ分析

IT・DX人材の慢性的な不足が続いている中で、最も注目されているのが「データ解析・データ分析」ができる人材、データサイエンティストの確保が急務となっています。

データサイエンティストとは、「データを活用し、価値を創出する人」のことを指します。 つまり、商品等の分析データを活用し、その結果から経済的価値を生み出す人です。 

新たに注目された分野のため、なかなか馴染みのない業種ではありますが、経済産業省が主導する「第四次産業革命スキル習得講座認定制度」では50代も受講できます。

上記でもご紹介しましたが、多くの商品販売という場においてデジタル化が進んでいます。 勿論それ以外の場所でもデジタル化が進み、顧客の利用データが取りやすい状況になっています。

このような大量に取得したデータを正しく読み取れることは、これまで経験してきたキャリアに加え、市場価値を高めるスキルになりうると言えるでしょう。

学べる場所:データミックス経済産業省第四次産業革命スキル習得講座認定制度

データミックスは2017年からデータサイエンス教育を行っています。 年間2,200名の社会人が受講する日本屈指のオンラインデータサイエンススクールとなっています。 またデータサイエンスだけでなく、アナリティクス入門や、Pythonの講座など幅広く受講することができます。

【経験談】50代でリスキリング・学び直しに挑戦した人 

社会人大学院でリスキングをしたワーママさんの事例

IT企業に勤める吉田美穂さん(仮名)はITコンサルタントとしてフルタイムで勤務しながら大学院でMBAの知識を得ています。大学院修了後は、MBAの知識を活かし、お客様の経営状況を把握しながらコンサルタントができるようになったと言います。

ITとビジネス、両方の視点を得られたことで市場価値を上げられた、という実感が得られたそうです。まさにリスキリングでしっかりとキャリアを広げられた実例といえるでしょう。

【まとめ】50代からのリスキリングを諦めない!経験や知識を生かした学び直しを

「リスキリング」の基礎知識から「リスキリング」が注目されている背景、そして身につけるべき知識と学べる場所をご紹介しました。 「リスキリング」というと、しっかりと本腰をいれて資格を取らなくてはいけない、とイメージされる方も多いのではないでしょうか。 しかし、「リスキリング」はこれからのキャリアに役立ち、そして新たな価値を創出する可能性のある知識すべてを指します。 資格を取らないとと肩ひじをはらず、まずは手軽に始められるオンライン講座から初めてみるのはいかがでしょうか。

執筆/東条 瑠依

この記事を書いた人

I am 編集部
I am 編集部
「好きや得意」を仕事に――新しい働き方、自分らしい働き方を目指すバブル(の香りを少し知ってる)、ミレニアム、Z世代の女性3人の編集部です。これからは仕事の対価として給与をもらうだけでなく「自分の価値をお金に変える」という、「こんなことがあったらいいな!」を実現するためのナレッジを発信していきます。

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