タニタ研究員の「ダイエットで人生変える」授業アイスを食べるならフルーツパフェ? タニタ研究員がイチ推しする「甘味度」を味方にした太りにくい組み合わせ
見た目を変え、仕事に役立つ! 「太りにくさ」と「美しく健康に」を叶える、アイスの食べ方をチェックしよう。
目次
太りにくいアイスの「食べ方」や「組み合わせ」とは
残暑お見舞い申し上げます。
カレンダー上は夏も終わりに近づいてきましたが、まだまだ容赦なく暑い日は続いております。この過酷な暑さの中、疲れた脳を癒すべくひんやり甘いアイスを食べるなら……前回のコラムで、シンプルにそのまま食べる場合は「質のいい“アイスクリーム”」をおすすめしました。
今回は「状況に応じた食べ方の工夫」や「組み合わせ」で太りにくくする方法をご紹介します。
①なぜフルーツとアイスの組み合わせがダイエットにいいのか?
アイスを食べるなら、一緒にフルーツを摂ることを強くおすすめします!
その理由は
- 食物繊維で血糖上昇を抑えられる
- ビタミン、ミネラルが一緒に摂取できる
- フルーツの分アイスの量を減らせてカロリーオフになる
というところが大きいのですが、それだけではありません。
フルーツの甘さを感じさせる 「果糖」は、低温になると最も甘みが強い、六員環構造(ロクインカンコウゾウ)になり、冷たく冷やすほど甘さが増すのです(図2)。
加工食品の冷たい飲み物や食べ物は、通常、冷たくても甘味を感じられるように砂糖や液糖が多めに添加されており、ビックリするほど糖分の多いものも少なくないのですが、天然の果糖はカロリー控えめなまま、冷やすことで甘くできるのです。
【図2】糖類の甘味度と温度
もちろん、果糖も糖類ですから摂りすぎはいけませんが、ショ糖よりも血糖値が上がりにくい上、冷やすことでカロリーを上げずにより甘く、おいしく味わうことができるので、まさにアイスと相性ピッタリ。
デコレーションしたり混ぜたりしてもキレイなので見た目的にも満足度 UP!
特に果糖の比率が高めなブドウ、イチゴ、ブルーベリー、キウイ、梨、リンゴ、みかん、マンゴーなどは食物繊維やビタミンも豊富に含んでいるのでおすすめです。そうそう、ちょっとアイスとは違いますが、スイカも果糖が多いので、昔ながらの冷やす食べ方は大正解なんですよ。
覚えたおきたいアイスと相性のいいフルーツ
ブドウ |
イチゴ |
ブルーベリー |
キウイ |
梨 |
リンゴ |
みかん |
マンゴー |
②運動前は氷菓、くつろぎごほうびアイスは?
人間の消費エネルギーや脂肪燃焼は 1 日の中で変動します。食事で糖質を摂ると血糖値が上昇して身体活動のエネルギー源が「糖質主体」に切り替わるため、脂肪燃焼量はぐーっと低下します(図1)。
【図1】呼気アセトン濃度から求めた脂肪燃焼量の日内変動
逆に言えば、糖質を摂取しても「すぐに活動すれば、エネルギーを生み出す材料としてすぐに使ってしまえる」ということで、それはグラフ中の運動後の脂肪燃焼上昇カーブから見ても一目瞭然ですね。
つまり日中、まだこれからある程度歩いたり身体を動かす予定があったりする状況ならば…… 「筋肉を動かすことで糖質をすぐに消費できる状況」=「糖分多めのアイスもアリ!」 (特にカロリー控えめな氷菓ならすぐに使い切ってしまえる)ということなのです。
ただ、これからゆっくり休もう……という状況ならば、いくらカロリーは控えめでも液糖たっぷりの氷菓系アイスは避け、やっぱり質の良いアイスクリームやフローズンヨーグルトを選びたいですね。
③コーヒーフロートは実は優秀メニューだった!
アイスの糖分は口の中で溶ければ液体です。液体の糖は非常に吸収が早く、血糖値を急上昇させ脂肪の蓄積を促進させてしまいます。食後の活動やフルーツでその影響を和らげるとしても、スリムを目指すダイエッターさんならば……もう一段、防御策をとっておきたいところですね。
簡単に追加できる防御策。それは 「お茶」や 「コーヒー」です (もちろん無糖)。お茶やコーヒーを飲みながらアイスを食べることで糖の吸収を緩やかにし、脂肪燃焼を促す効果が期待できます。
最近は難消化性デキストリンや茶カテキン、ケルセチン、クロロゲン酸などの糖の吸収抑制や脂肪燃焼効果が期待できる成分が添加されたお茶やコーヒーがコンビニでも簡単に手に入るようになりましたので、そうした飲み物を選択してみても良いかもしれませんね。(実はタニタで出している「タニタコーヒー」もポリフェノールの一種である 「クロロゲン酸」が標準的なコーヒーの2倍も含まれているのでおすすめですよ!)
「太りにくいアイスの食べ方」の Yes・No チャート
ここまで解説した「太りにくいアイスの食べ方の提案」を図でまとめます。
酷暑の中で頑張っている皆さま、ひと時の癒し=スイーツ選びの参考にしてみてくださいね。
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この記事を書いた人
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1968年生まれ。横浜国立大学在学中よりタニタの体脂肪計のプロジェクトチームに参加。入社後は、世界初の乗るだけではかれる体脂肪計や体組成計、活動量計などの開発に携わり、機器の要となる計測の回帰式や判定アルゴリズム作成を担う。
29歳で社内初の技術系女性課長に就任し38歳で出産。栄養士の資格も有し文部科学省の食育有識者会議委員を務めるなど、さまざまな計測データを健康づくりに活かす提案を行い、栄養士と技術者の2つの視点から多数のセミナーの講師も担当している。