課題解決を仕事起業のリアル。起業するには勢いも必要?「組織で働くことに限界を感じて逃げるように」〈デザイナー・事業家/細川裕之さん〉
多様な働き方のリアルを聞きました!きれいごとじゃない起業のリアル。どんな思いでビジネスを立ち上げたのか? 起業後の気になるお金のリアルについて細川裕之さんに聞きました。
プロフィール
デザイナー/事業家細川 裕之
どんな仕事をしていますか?
今の仕事はなんですか?
2013年に個人のインテリアデザイナーとして独立しましたが、2017年から友人の会社の子会社化で立ち上げた会社の役員、その親会社の不動産会社、2022年にM&Aした旅行会社での企画などを兼務しながら、あれこれプロジェクトを立ち上げています。
いきなり起業した?
24歳で照明器具の商品開発の仕事、27歳でインテリアショップの店長の仕事、それぞれ会社員として働いた後、オリジナル商品の企画などをしたくて、34歳の時にデザインの個人事務所として起業しました。
起業したきっかけは?
昔からいつか起業するだろうとは思っていましたが、正直ちゃんとは準備していなかったです。組織で働くことに限界を感じ、逃げるように独立したというのが正しいかと思います。ノリと勢いでした(汗)。
起業家「きついな…」と思うことがある?
起業したらとにかく「自由」であることが楽しくてしょうがなかったですが、「不安定」であることへの不安はずっと付きまとっていたと思います。3年くらい経ってからはきついなと感じることはほとんど無かったです。
起業して「よかった!」ことは?
今日も明日も明後日も、自分の裁量次第でどう動いて働いても良い、そういう自由さが自分には合っていました。
起業して気づいた「自分の甘さ」は?
サラリーマン時代は「雇われている側目線」でしか会社を見れていなかったですが、起業した途端に経営者目線での思考へのスイッチが求められ、余りにも経営に対する知識が不足していることを実感しました。
起業する前にどんな準備をした?
本当はNGでしたが、生活費の足しにするために週末だけ飲食店で接客のアルバイトをしていました。カウンターでとにかくお客さんを楽しませる話術が必要でしたので、相当その時期に雑談力が磨かれたと思います(笑)。
「起業の壁」トップ3を教えてください!
壁というよりは、「お客さんの信頼を短期間で築く」「自分の苦手な仕事を明確にする」「はっきりと自分の考えを表現する」ということの大切さを痛感しました。
今の仕事で「一番、頭にきたこと」はなに?
一緒に仕事をする仲間が全力を出さずに余力を残した表現をしていると、大体カミナリが落ちます(笑)。
起業前の自分に言いたいことは?
大丈夫、意外となんとかなるもんよ!
お金のリアルを教えてください
最初に稼いだ金額はいくらですか?
最初は名刺のデザインをして1万円とか、2,500円のTシャツをオリジナルで作ってひたすら手売りするとか、月に5万、10万と売り上げるだけで四苦八苦していました。でも、そういう泥臭いことは全然苦にはならなかったです。
「思っていたほど稼げなかった」?「思った以上に稼げた」?
そもそも必要以上に稼ぎたいとは思うタイプではないので、それぞれの時に最低限必要な売上は作れていたように思います。昔から、お金が無いことが全然ストレスにならないタイプなので(笑)。
過去最高の売り上げは?
個人のデザイナー時代だと、あれこれ重なった月でも100万とかだったと思います。
独立資金はどれくらい貯めた?
貯金ゼロで起業しました(汗)。
値付け、価格設定の悩みは?
時間あたりのチャージ金額は自分なりに決めていたので、かかる時間によってざっくり算出していたと思います。今は会社役員という立場なので、年に一回、会社と実績ベースで評価してもらっています。
「コレができたら」もっと稼げる?
特には無いですが、「簡単に稼ぐ」ことをもっと楽しめたらいいんでしょうが、そういうタイプではないので、稼ぐということにはほとんど興味が無いです。
お金より、休みやゆとりが欲しい?
お金にも興味があまりないのと、休みが欲しいという感覚もないので、とにかく365日、自分のやりたいことだけやれていたら大満足です!
軌道に乗るまでの期間は?
2〜3年くらいは不安定だったように思います。
お金のトラブル、未払いなどの経験は?
あまりありませんが、仕事を依頼することに不慣れなクライアントにイラついたという経験はあったと思います。最近は、そういう場合は我慢せずにクライアントを説教します(笑)。
法人化していますか?
2017年に友人(事務所の大家)と法人化して今は株式会社です。大家とテナントという関係から共同プロジェクトをする関係に発展し、一緒に会社を運営した方が効率よく仕事ができるだろうと法人化しました。