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人生100年時代。人口の過半数を超えた50歳以上女性はまだひよっこ?未経験でも主婦が経験をいかしてイキイキ働けるのは、50代を過ぎてから?

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子育てを終え、人生の経験を積み、自分の好きを諦めなかった女性たちが、「自分だけの仕事」を作り始めている。人生100年時代。人口の過半数を超えた50歳以上の女性の新しい働き方を後押しするのは、意外にも「老後の不安」「お金の不安」だった?

50代女性は「好きなこと」で起業するとうまくいく?

写真/shutterstock

起業を考える上で外せないのが「ビジネスアイデア」ですが、ビジネスアイデアより積み重ねた「好きなこと」で起業する女性たちが活躍しているってご存じですか?

「50代、女性、起業」というとピンと来ないかもしれませんが、経験を積んだ女性が

「年齢的にもやるなら今がラストチャンス」

「今までずっとやりたかったことにチャレンジしたい」

「人生100年時代、少しでも長く働けるようにしたい」

と思って、起業するのは突拍子もない話ではありません。

起業といっても、いきなり事務所を構えて従業員を雇うのではなく、自分の好きなことや得意なことの延長線としての起業であれば「うまくいく」確率は高まるのではないでしょうか。

25万部『定年後』の楠木新氏が考える「女性のチカラ」

写真/shutterstock

女性は自分の居場所づくりが上手

『定年後』(楠木新著)という本が25万部のベストセラーになりました。その後の定年をテーマにした書籍は続々出版、どれも堅調に売れています。

そんな中、2020年には日本の女性の人口の過半数が50歳以上に達し、「定年後」の第二の人生は、かつてのような「余生を楽しむ」より「余生のためにどう稼ぐか?」にシフトしていると言えます。

著者の楠木新氏によると「女性のほうが、機動力があります。趣味の楽しみや人間関係、また地域間のコミュニティも持っているので、定年後もイキイキしている方が多いですね。それに比べて男性は会社と家の往復。たまにゴルフ。定年後は急に居場所がなくなってしまいます」とのこと。

確かに「女性は元気で、50代からの起業に関心が高まっている!」というニュースやネット記事を目にすることもちらほら。確かに、バブルの残り香を嗅いだ世代でもあり、消費欲も物欲もあり、SNSでは輝く女性のアカウントも目立ちます。

50代女性のポテンシャルとモチベーションの高さ

子育てを経て、自分と向き合う50代女性の人生の見据え方

50代は主婦であれ、働く女性であれ、子育てがひと段落ついて、自分の人生を振り返る、向き合うタイミングかもしれません。自分自身の定年後、夫の定年後というライフプランについて真剣に考えてもおかしくありません。

「人生100年時代」を見越して、自分の好きなこと、得意なことで「長く続けられる仕事」を得たい、始めたいと考えるのは、もしかしたら女性に多いのかもしれません。

主婦歴30年、55歳でケーキ屋さんをオープンした話

撮影/時政美由紀

昨年、55歳でケーキ屋をオープンさせた正伯(まさき)和美さんもその一人。製菓学校を卒業したわけでもなく、洋菓子店で働いた経験もありませんでした。夫は会社員で起業のノウハウはありません。にもかかわらず、2021年、実店舗で開業しました。

「50歳になっても、60歳になっても可能性はまだ全然ありますよね」と控えめながらも語ってくれました。

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趣味だったお菓子作りを続けるうちに、教わる立場から教える立場へ。この頃からパートで貯金を始めます。集客力に自信がないのでブログで料理教室の様子をアップし始めたといいます。ブログでケーキの販売告知をするとすぐに売り切れになり、徐々に販売への手ごたえをつかんだそうです。

ブログに加えwebサイトも制作し、SNSなどでしっかり地固め。そして、自分で貯めた資金でお店をオープン。初日から行列ができたのです。

未経験の強み。拡大路線より持続可能なスタイル

ワンオペで「納得のいくものを作れるだけ」をコンセプトに営業は週2日。

「なんとか開業しましたが、小さい店ですから、私がやってることは洋菓子店なんて言えるのかなって思っています。(飲食は)資金を何千万円もかけて開業する世界ですから」と言いながらも、拡大路線を取らない女性らしい戦略で、無理せず長く、好きなことを続けていくというスタイルをとっています。

自分の目の届く範囲で無理せず、無駄をせず、は主婦の経験値と好きなことへの愛情とも言えます。

成人した娘がSNSなどで告知を手伝ってくれたり、よい循環がうまれるのも50代起業のメリットかもしれません。

「趣味」や「好き」が仕事になったときの強さとは?

「好き」だから「失敗」がない?

趣味や好きから仕事を生み出した女性の最大の強みは、最初からやっていた、好きだから勝手にやってしまうため、「失敗」がないことにあるのではないでしょうか?

また、夫の収入が生活のベースであれば、レッシャーも少しは薄らぎます。もちろんまとまった初期投資や月々のランニングコスト、運営など、責任は大きなものになります。

でも家計を預かってきた50代女性ならではの金銭感覚で、節約と投資の微妙なバランスを保ってリスクヘッジもできるため、「失敗の確率」は低くなると思います。

そもそも好きなことで始めているので、「稼ぐ」よりコツコツ続けることに喜びを見出す人も多いのです。

趣味を仕事にすれば、再雇用後収入半減は怖くない?

65歳を超えると所得の中央値は255万円に低下

定年後を取り巻く状況を見てみましょう。運よく再雇用されても年収は激減、定年前に比べて半減とも言われています。

内閣府の「高齢者白書」(令和3年)によると、総世帯の所得分布の中央値が437万円に対して、高齢者世帯(65歳以上)の中央値は255万円という厳しい現実も。

内閣府  令和3年版高齢社会 より

ちなみに65歳~69歳の男女別の平均賃金を比べてみると、男性に比べて女性は、正社員であっても非正社員であっても低くなります。

《65~69歳の男女の賃金差》

男性・正社員310,000円
女性・正社員268,600円
男性・非正社員240,900円
女性・非正社員186,900円
令和3年陳羣構造基本統計調査(厚生労働省)より

どうせ働くなら「やりたいこと」「好きなこと」がいい

とはいっても老後貯金と年金で、そこまで悲観的になる必要のない人も多いのも事実。

さらに節約・倹約すれば余裕のある生活を送れるかもしれません。

でも「人生100年時代」。残りの時間をやりたかったこと、好きなことにチャレンジして、キャッシュフローもちゃっかり維持できれば最高ではないでしょうか。

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この記事を書いた人

長谷川恵子
長谷川恵子編集長
猫と食べることが大好き。将来は猫カフェを作りたい(本気)。書籍編集者歴が長い。強み:思い付きで行動できる。勝手に人のプロデュースをしたり、コンサルティングをする癖がある。弱み:数字に弱い。おおざっぱなので細かい作業が苦手。

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